中高生の教育費、制服代1万円増…家計圧迫に苦しむ保護者の声
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同調査は、セーブ・ザ・チルドレンが実施する「子供給付金 ~新入学サポート2025~」の利用世帯を対象に、2025年8月1日から17日にかけてオンラインアンケート形式で行われたもの。経済的に困難な状況にある全国46都道府県の保護者436人と中高生148人から有効回答を得た。
調査結果によると、卒業・新入学および入学後の就学にかかった費用のうち、「制服代」「卒業アルバム代」「教科書・教材費」「パソコン・タブレット代」が2024年の調査より上昇。特に制服代は中学1年生、高校1年生ともに約1万円上昇していた。パソコン・タブレットについては、高校1年生では国公立で49.2%、私立で61.5%が購入またはリースが必要だったと回答。その際の補助金や助成金は、国公立で41.9%、私立では1.7%の世帯しか利用できていなかった。
高校1年生の保護者に入学時の心配事をたずねたところ、45.0%が「経済的な理由により就学を続けられない可能性がある」と回答。就学継続の負担となっている費用としては、半数が「通学時の昼食費」「学校納付金」「制服・指定品の購入費」をあげた。
また、子供たち自身も家庭の経済状況を敏感に感じ取っているようすがうかがえる。中高生に中学や高校入学時の悩み事をたずねると、79.7%が「親がお金のやりくりに苦労していた」と回答。「中学校の入学準備にお金がかかってしまったので、生活がさらに苦しくなってしまった」といった自由記述もみられた。
卒業・新入学時に必要な支援については、保護者、中高生ともに約7割が「制服・運動着などを安く買えるようにすること」と回答し、もっとも多かった。ほかにも、「学校に必要な教科書や副教材は学校が用意すること」「学校指定品をなくして、安い商品を選べるようにすること」も半数以上が選択した。
これらの結果を受け、セーブ・ザ・チルドレンは国や関係省庁、自治体に対し、以下の5点を提言していく。(1)就学援助や高校生奨学給付金など、授業料以外の費用に対する経済的支援の拡充、(2)学用品の備品化、購入品の選択肢の拡大、私費負担は援助額内に、(3)高校入学前の準備金の創設、(4)高校の授業料の立て替え払いの実態把握と、真に立て替えのない運用へ、(5)高校のパソコン・タブレット代の無償貸与・補助の都道府県ごとの詳細な実態把握。
セーブ・ザ・チルドレンの「子供給付金 ~新入学サポート~」は、経済的に困難な状況にある世帯を対象に、中学入学時に3万円、高校入学時に5万円を給付する返還不要の支援。2022年から対象地域を全国へ拡大し、2022年から2025年までに、のべ3,640人が同給付金を利用している。
《風巻塔子》
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