【中学受験2026】1位が私立じゃない？…過去問の売れ行き前年比較で探る注目校＜共学校編・前編＞

　入試本番まであと数か月。2026年度の中学入試に向けて、志望校を決め、スケジュールを整える大切な時期を迎えている。

　志望校合格を引き寄せるために、秋から冬にかけて取り組む定番の教材、過去問題集。おもに首都圏の中学入試過去問題集を取り扱う出版社として、知名度も信頼度も高い声の教育社より発売中の過去問題集の出庫状況から、注目の共学校・ねらい目校を探る。

過去問出庫率前年比較（共学校編）
　3年間の出庫率（前年比）を見ていくと、2025年11月時点で18位の八王子学園八王子（107.4％）、茨城県立（108.5％）、日工大駒場（109.0％）は品切れとなっている。日工大駒場は今年度のみならず、2024年も同時期に品切れとなっており、声教過去問9年連続昨対増の記録を更新中。定員も増え、偏差値のゾーンも上がっていくのではと予想される。

過去問出庫率前年比較＜共学校編・前編＞TOP11～20位
数字の見方例：校名　一昨年110％→昨年100％→今年95％
11位　駒込　106.6％ → 112.2％ → 109.9％
12位　西武文理　96.6％ → 105.0％ → 109.4％
13位　日工大駒場　111.5％ → *112.5％ → *109.0％
14位　茨城県立　97.1％ → 103.6％ → *108.5％
15位　明大八王子　93.3％ → 102.1％ → 108.2％
16位　日大第二　96.1% → 97.0% → 108.1％
17位　芝浦工大柏　86.7％ → 112.5％ → 107.8％
18位　八王子学園八王子　97.9％ → 100.9％ → *107.4％
19位　東京電機大　105.3％ → 93.6％ → 106.7％
20位　三田国際科学　100.8％ → 108.2％ → 106.3％
*…版元品切れ・品薄

　1位は川口市立で122.1％、2位は文教大付で121.9％という結果となった。川口市立は前年から約2割増と大きく伸びている。通学区域が川口市から埼玉県全域に拡大されたことに加え、校舎の充実度も高く、私立との併願も予想される。

　2位の文教大付をはじめ、4位の桜丘、5位の安田、6位の北里大順天は品切れとなり、人気の動向が感じられる。共学校志向や「おまかせできる学校」への人気が高まりがうかがえる。

過去問出庫率前年比較＜共学校編・前編＞TOP1～10位
数字の見方例：校名　一昨年110％→昨年100％→今年95％
1位　川口市立　（新刊）→ 110.2％ → 122.1％
2位　文教大付　91.5％ → 113.0％ → *121.9％
3位　明大世田谷　107.2％ → 116.6％ → 121.4％
4位　桜丘　98.5％ → 116.9％ → *120.0％
5位　安田　98.4％ → 113.5％ → *119.3％
6位　北里大順天　102.2％ → 113.0％ → *113.6％
7位　成蹊　79.3％ → 100.5％ → 112.6％
8位　芝国際　（新刊）→ 120.4％ → *111.9％
9位　帝京大　96.6％ → 102.6％ → 111.5％
10位　開智・開智所沢　139.4％ → 148.8％ → 110.7％
*…版元品切れ・品薄

　埼玉県の市立校出庫率は以下のとおりだ。

市立浦和　100.4％ → 85.9％ → 89.4％
市立大宮　（新刊）→ 87.6％ → 93.1％

　YouTube「声教チャンネル」に自ら出演し、各種学校説明会等の講演や相談員としても引っ張りだこの声の教育社三谷氏と後藤氏によると「トップ10では隔年現象はみられず、20位までを見ても「人気の学校はさらに人気になる」という傾向が続いている。面倒見の良い学校の人気が上昇している。」という。共学校の人気校（出庫率上位）1～20位までの各学校の注目の理由など詳しい解説は、YouTube動画で視聴できる。

　　10代の貴重な6年間を過ごす学校選び。ぜひ過去問の売れ行きや、気になる学校の出題傾向も参考にしていただきたい。

男子校編はこちら。
女子校編はこちら。

◆声の教育社　三谷氏　プロフィール
　学生時代から塾講師を始め、教室長・受験対策部長として約20年の指導を経験したのち、2000年に声の教育社へ入社。以来、学校担当として年間のべ100校以上の中高を訪問し続けている。中学受験業界の著名人が講師を務めることで知られる「首都圏模試センター保護者会」をはじめ、「東京私学経営者協議会」「神奈川私立中学広報会議」「安田教育研究所主催セミナー」等、多くの講演活動も行っており、「よみうり進学メディア」「塾ジャーナル」他での執筆も多数。私学や塾のオモテだけでなくウラ情報にも精通しているが、家にテレビが無いためやや世情には疎い。

三谷氏に相談してみる◆声の教育社　後藤氏　プロフィール
　塾講師を10年経験したのち、声の教育社へ編集者として入社。現在は渉外業務を中心に、講演会や動画授業の講師も務める。編集部時代は毎年250校、500回以上の入試問題をひたすら解き、解説を編集するという日々を10年以上過ごす。保護者として息子の中学受験も経験。三度の飯より過去問が好き。