「その顔がむかつくんだよ!」仁王立ちで怒鳴り、時には首に包丁まで… 妻の激情に怯える夫と子ども。「それでも別れられなかった」理由とは | NewsCafe

 「その顔がむかつくんだよ!」仁王立ちで怒鳴り、時には首に包丁まで… 妻の激情に怯える夫と子ども。「それでも別れられなかった」理由とは

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
 「その顔がむかつくんだよ!」仁王立ちで怒鳴り、時には首に包丁まで… 妻の激情に怯える夫と子ども。「それでも別れられなかった」理由とは
 「その顔がむかつくんだよ!」仁王立ちで怒鳴り、時には首に包丁まで… 妻の激情に怯える夫と子ども。「それでも別れられなかった」理由とは 全 1 枚 拡大写真
  

夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。

一般的に“モラハラ”というと「夫が加害者で、妻が苦しんでいる」というイメージが強いかもしれません。しかし現実には、妻の言葉や行動によって深く追い詰められている男性も少なくありません。

今回お話を聞かせてくださったSさんも、まさに “妻からのモラハラ” に長年苦しんでいました。

「理想の妻」だったはずなのに

結婚前の妻はとても物静かで、「あなたが決めてくれると嬉しい」とすべてをSさんに委ねるような女性でした。控えめで争いを避け、穏やかな空気をまとっている……Sさんにとっては“ホッとできる理想のパートナー”に見えたのです。

「この人となら、穏やかな結婚生活ができる」
Sさんは心からそう信じて、プロポースをしました。

結婚後しばらくは、優しくあたたかい時間が流れていました。しかし、第一子を出産した頃から 徐々に妻の様子が変わり始めます。表情が険しくなり、言葉が荒くなり、Sさんに暴言をぶつけることが増えていきました。

最初の頃は、「出産後の疲れや育児のストレスのせいだろう」とSさんは理解しようとしていました。けれど、子どもが1歳を過ぎた頃には暴言やヒステリックな言動はむしろ激しさを増していき、Sさんは次第に家に帰るのが怖くなっていったのです。

家のドアを開けた瞬間から、怒鳴り声が始まる。それが、Sさんの日常になっていきました。

「その顔がむかつくんだよ!」仁王立ちで怒鳴る妻

ある日、仕事を終えて急いで帰り、玄関のドアを開けた瞬間、妻は仁王立ちの姿勢で怒鳴りつけてきました。「遅いって言ってるでしょ! 何回言わせるの! 私が1人でどれだけ育児大変か分かってるの?」

Sさんが「ごめん、今日は仕事が長引いて……」と説明すると、妻はさらにヒートアップします。「言い訳するの!?サイテー。 私が1日中どんな思いで子ども見てるか分かる!?あんたは仕事してるふりして遊んでるだけでしょ!」

Sさんは息子を抱きかかえ、どうにか妻を落ち着かせようとしました。しかし、妻の怒りは止まりません。

「その顔がむかつくんだよ!黙ってないで何か言いなよ!言い返さないのは馬鹿だから?それとも私が怖いの!?」

黙っていても責められ、言い返しても責められる。Sさんにはもう、どうすることもできませんでした。

別の日には、夕食の味について何気なく言った一言が引き金になります。

「あれ、いつもと味が違うね。」

その瞬間、妻はテーブルを叩き、顔を真っ赤にして怒鳴りました。

「は? じゃあ食べなくていい!私の料理に文句つけるなら、自分で作りなさいよ!育児も家事も仕事も全部私! あんたは何ひとつできないくせに!」

皿をシンクに叩きつける音が響き、息子が驚いて泣き出します。しかし、その泣き声さえ妻の怒りの矛先になってしまいます。

「ほら!泣かせたのはあんたでしょ!あんたが余計なこと言うから!」

Sさんはただ、その後に「でも今日のも美味しいね」と言いたかっただけ。けれど妻は一言一句を“否定”として受け取ってしまうのです。

(妻のヒステリーや暴言は育児疲れのせいかもしれない)そう思ったSさんは、家事を代わりに引き受け、休ませようと努めました。しかし、妻はそこでまた激しく怒りました。

「やり方が違う! 余計なことしないで!」

Sさんが動けば動くほど、妻の怒りはむしろ増す一方でした。

「お帰りなさい」「お疲れ様」などの言葉は一度もありませんでした。Sさんがどれほどの思いで家に戻っているのか、 妻は考えようともしない様子でした。妻は激しいヒステリーを起こし、 話し合いは成立しません。「何を言っても怒鳴られるのではないか」という恐怖からSさんは言葉を飲み込む癖がついていきました。

それでも、穏やかな家庭を願う気持ちや、 妻はいつか戻るかもしれないという期待、 そして小さな息子を守りたいという思いから、 Sさんは耐え続けていました。しかし、妻の言動は徐々にエスカレートしていきます。精神的に限界に達したSさんは、妻に別れ話を切り出しました。

すると妻は「離婚するなら死んでやる!」と言い、 Sさんの目の前で包丁を首に当てたのです。突然の出来事に、Sさんは声も出ませんでした。(妻が本当に実行してしまうのではないか)その恐怖から、Sさんは絞り出すように言うしかありませんでした。

「離婚はしないから、落ち着いて……頼むから」

すると妻はさらに追い打ちをかけます。

「前の彼氏が別れるって言った時、マンションの3階から飛び降りて自殺しようとしたんだ。その時の入院の写真、見せてあげる。」

実際に入院中の写真を見せられた時、 Sさんの中で恐怖が確信に変わりました。

離婚なんて言ったら、妻は本当に何をするかわからない。息子を守らなければならない。息子のためにも、離婚はできない……。

Sさんは離婚を諦めたのです。

「子どものために」という言葉の裏にあった真実

Sさんは、妻の言動に振り回される毎日の中で、自分の気持ちを感じる余裕を失っていきました。注意すれば怒鳴られ、黙っていれば不満をぶつけられる。どう動いても正解がなく、「今日こそは怒鳴られませんように」と願いながら帰宅する生活。

そんなある時、突然思い出がよみがえりました。自分が子どもだった頃の家庭の光景です。父が母に怒鳴り散らし、母は台所の隅で泣いていた。なぜ母が離婚せずに我慢し続けていたのか、大人になっても長く疑問でした。

しかし思い返すほど、その理由は痛いほど理解できました。

「自分が我慢すれば家庭は壊れない」
「本音を言えば誰かが傷つく」

そう信じることで、母は必死に家庭を守ろうとしていたのです。そしてSさん自身にも、同じ“生き延びるための癖”がしっかり残っていました。

さらに、胸に突き刺さった記憶がありました。姉がかつて泣きながら語った言葉。

「『子どもがいるから離婚できない』ってお母さんに言われた時、すごく苦しかった。私がいなければ、お母さんはもっと幸せだったのかなって思った。」

あの言葉の意味を、Sさんは大人になった今ようやく理解しました。

母の「子どものために」という犠牲は、子どもの心に“重荷”や“罪悪感”として乗ってしまっていたのです。そして気づきます。「子どものために離婚できない」と言い聞かせ続けている自分の姿は、かつての母と同じだった。

その生き方は、Sさんの息子にとって本当に幸せだろうか。自分がこのまま我慢を続ければ、息子もいつか姉と同じ苦しさを抱えてしまうのではないか。そう気づいた瞬間、長いあいだ押し込めてきた感情が静かに動き始めました。

「このままでは、息子を守れない。」
「この家にいることで、息子の人生まで壊してしまう。」

恐怖に縛られて何も選べなかったSさんの心に、ようやくひとつの灯りがともったのです。これは、逃げたい気持ちではなく「息子の未来を守りたい」という、強い意志の芽生えでした。

本編では、激しい言葉や行動で夫を追い詰めていく妻の姿、そして「離れたいのに離れられない」と葛藤するSさんの胸の内をお伝えしました。

▶▶長年縛られた恐怖が一瞬で崩れ落ちた日。暴かれた“妻のウソ”と、夫が踏み出した新しい未来

では、Sさんが真実を知り、息子の未来のために下した決断についてお届けします。

※本人が特定されないよう名前などは変えてあります。

※写真はイメージです


《OTONA SALONE》

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