東大生100人に聞いた「本番直前の成績不振・メンタル崩壊」どう向きあった? | NewsCafe

東大生100人に聞いた「本番直前の成績不振・メンタル崩壊」どう向きあった?

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 東大生と聞くと、日々淡々と勉強を積み重ね、成績を順調に伸ばしながら合格を勝ち取っていったというイメージがある。しかし、実際には受験直前に思いがけない不調にぶつかったという声も少なくない。

 東大生100人を対象としたアンケートでは、受験期(12月~2月)を通して、体調管理は万全にできていましたか? という質問に対する回答として「万全にできた」は72%、「体調を崩してしまうことがあった」は22%、「ずっと体調が良くなかった」は6%という結果だった。スランプにならずに受験できた東大生も多かった一方で、メンタルや体調面での不安を抱えながらの東大受験をした東大生も3割近くはいたということになる。しかしそれでも、そんな不安を抱えながらも東大に合格した人たちはどのように不調と向き合って勉強をしていたのか?

 本記事は、カルペ・ディエムが東大生にヒアリングを行った結果から、彼らが「受験直前に陥ったスランプ」「どのように対処したか」などの声を集めた。

 「成績が伸びなくなった」「勉強ペースが乱れた」「特定の科目で急につまずいた」など、直前期に起こりやすい具体的なケースを中心に、結果的に受験で成功した東大生がどのように状況を受け止め、何を選択したのかを掘り下げていく。

突然英語が読めなくなる…東大生が下した決断とは?
 直前期になると、これまで順調に解けていた科目で急につまずくケースは意外と多い。中でも「得意科目の失速」は受験生に与える心理的なダメージが大きい。ある東大生は、本番のわずか2週間前、まさにその状況に直面した。

 彼女はある日突然、それまでスラスラ意味をつかめていた英語長文が読めなくなったという。普段は自然と意味が入ってくる英文が、急にただの文字列に見えるという初めての感覚に強い不安を覚えた。

 そのとき彼女は、追い込むほど悪化すると判断し、あえて「3日間英語に触れない」期間を確保した。そして、復帰後はいきなり長文に戻るのではなく、短い英文を丁寧に精読する英文解釈から再スタート。「読める手応え」を少しずつ積み重ねながら、約1週間かけて感覚を立て直した。すると、不調に陥った長文を読み直したとき、以前よりもスムーズに理解できるまでに回復していたという。

 うまくいかないと感じたら、思い切って離れる決断が必要だということを教えてくれるケースだろう。焦ったまま続けても状況は悪化するだけだ。短期間でも適切に距離を置くことで、脳の負荷がリセットされ、再び本来の力を引き出すきっかけになるのだ。

模試の成績が頭打ち…脱出の鍵は分析と方向転換
 順調に実力を積みあげているように見える東大生でも、模試の成績が思うように伸びず、どうにも壁を破れない時期を経験している。理系科目が得意だというある東大生は、高3の夏ごろ、「このまま理系科目だけを伸ばそうとしていても点数は変わらない」と、はっきり頭打ちを感じたという。

 そこで彼が下した決断は、得意科目を思い切って1度手放すこと。9月から11月にかけて、得意な理系科目よりも国語と英語に勉強時間をかけるようにしたそうだ。苦手意識のあった文系科目を基礎から見直し、読み方・解き方・時間配分を丁寧に整え直していった。

 すると、秋が深まるころには、国語も英語も着実に点が伸び始める。最終的に、東大生の中では「少し苦手」程度にまで追いつき、合格に必要な総合力をしっかりと固めることができたという。

 彼の経験が教えてくれるのは、伸びないと感じたとき、1度立ち止まってその原因を分析し、方向転換する勇気が大切ということだ。がむしゃらな努力だけでは破れない壁も、視点を変えることで突破口が見えてくる。

机に向かえない「直前バテ」のリアル
 受験勉強の最後の山場といえば、ほとんどの場合、共通テストが終わったあと、すなわち個別試験の直前だろう。しかし、緊張や疲労が極限まで積み重なるこの時期こそ、机に向かいたくても向かえない、いわゆる「直前バテ」に陥る受験生も多い。東大生の中にも、この壁に苦しんだ人がいる。

 1人は、入試のわずか1週間前に「何もできなくなった」と語る。布団から起きあがることすらできなくなったという。極度の緊張と疲労が、心身のブレーキとして現れたのだろう。

 彼が選んだ対処法は、思い切って「完全休養」を決め込むことだった。丸1日、布団にくるまったままアニメを見て過ごし、「今日は休むことが大事、明日から100%復帰する」と心に決めて、勉強を一切手放した。これは逃避ではなく、入試本番で力を発揮するための「充電」。どれだけ牙を研いでも、当日それを振るう身体が動かなければ意味がない、その実感がこの決断を後押ししたという。

 もう1人は、共通テスト後から2月上旬まで、まったく机に向かえなかった。共通テストを終えた安堵感と燃え尽きが重なり、気が抜けてしまったそう。

 彼はこの経験を踏まえて、「どう抜け出したか」ではなく「どうすれば良かったか」という後悔を語ってくれた。中途半端に「明日は頑張らなきゃ」と思い続けながらダラダラと引きずるより、3日ほど「完全に休む」ほうがはるかに良かった、と。短期集中でしっかり休んでから復帰したほうが切り替えがうまくいくということだろう。

 2人の経験が示しているのは、「直前バテ」に陥ったとき、無理やり机に向かうのではなく、むしろ身体も頭も心も、いったん完全に休ませることの大切さだ。休むことは決して甘えではない。限られた集中力を本番で最大限発揮するための大切な戦略だと言える。

スランプ知らずの東大生も「平常運転」を保てた理由
 本番直前に心身の不調や伸び悩みを経験した東大生もいた一方で、「スランプを感じたことはない」という東大生も。決して「天才」だからという話ではなく、日々の過ごし方や本番との向き合い方の中に、スランプを寄せつけないヒントが隠れている。

 その東大生は、「明確なスランプを感じた覚えはまったくない」と語る。もちろん、緊張していなかったわけではないようだ。入試当日も、会場ではかなり心がざわついていたという。それでも、休憩時間にいつも食べているラムネを口にすると、不思議と気持ちが落ち着き、普段どおりのパフォーマンスを発揮できた。「いつもの自分」に戻れる小さなルーティンが、メンタルの揺れを最小限に抑える支えになったのだ。

 大切なのは、「特別なことをしない」という姿勢だろう。緊張しても、特別な対策を講じるのではなく、いつもどおり食べ、いつもどおり休み、いつもどおりの感覚に寄せていく。派手な必勝法はなくても、日常に根ざした「平常運転」こそが、スランプを未然に防ぐ大きな力となるのかもしれない。

 ここまでの東大生たちの声から見えてきたのは、スランプは「実力の低下」ではなく、本気で取り組んできたからこそ訪れる「一時的な揺らぎ」だということだ。そして、彼らに共通していたのは、自分の状態を受け止め、休む・切り替える・いつもどおりを貫くなど、必要な対応を柔軟に選んでいた点。大切なのは、自分にあったペースを保ち、本番に力を出し切る土台を整えていくことだろう。

《碓氷明日香(カルペ・ディエム)》

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