
2026年は午年(うまどし)!初詣や神社旅で午にゆかりのある神社に参拝してはいかがでしょうか。これまで伊勢神宮を500回以上ご案内している、神社ナビゲーターの五斗美湖さんにおすすめ神社をうかがいました。
午年は行動を起こすのにぴったりの年

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馬は古くから人々の暮らしを支える存在で、その行動力や生命力から「前進」「繁栄」「活力」をもたらす象徴とされています。そのため、午年は新しい挑戦やスピードに乗って前へ進むなど、行動を起こすのに良い年なのです。
「午」は十二支の七番目にあたる干支で、もともとは時間や方角などを表す記号でした。太陽が最も高く昇る「正午」に由来し、勢いよく物事が進む象徴とされています。やがてこの「午」に、力強く前へ進む動物・馬のイメージが重ねられ、「午=馬」と結びつくようになりました。
また、日本では昔、馬は神様と人とをつなぐ神聖な存在でした。たてがみをなびかせ力強く速く走る姿が「神様のところへ願いを急いで届けてくれる」と信じられ、神事にも欠かせない役割を担っていました。雨を願うときは黒毛の馬、晴れを望むときは白毛の馬を奉納するなど、祈りの内容に応じて毛色を選ぶ習わしも。しかし、本物の馬を奉納し続けるのは大きな負担となったため、次第に木や石で作られた馬像や、馬を描いた板が代わりとして奉納されるようになりました。これが「絵馬」の始まりです。
馬が勝負運、チャレンジ運をアップしてくれる

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神様への祈りを届ける存在として大切にされてきた馬は、人々の暮らしの中でも欠かせない存在でした。田畑を耕し、荷物や人を運び、移動手段として役立ったことから「豊かさ」や「繁栄」をもたらす象徴に。武士を乗せ戦う姿は、勇敢で力強く、勝敗を左右する存在として「勝負運」や「勇気」と結びつけられてきました。
また、馬は神話や伝承の中では神と深く関わる存在として描かれることも多く、「運を呼び込む象徴」としても信じられてきました。2026年は、馬をモチーフとした置物、お守りを身につけ、馬に関する神社をお参りして運気をあげましょう。
とくに神馬を飼育している神社はおすすめです。馬はスピードと勢いの象徴なので、神馬に会えると「願いが早く動き始める」と言われ、縁起がいいのです。新しい挑戦を応援してくれる力が強いので、「勝負運」「チャレンジ運」と高めたい人は、ぜひ神馬のいる神社に参拝しましょう。
> 東京・神奈川・山梨・茨城・群馬の「午」に縁のある神社をご紹介!
神田神社(東京)


徳川家の歴代将軍が尊崇し、「江戸の守り神」として約1300年の歴史を持つ神田神社(神田明神)。東京の中心である神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内、豊洲魚市場など108町会の氏神様でもあります。一之宮=大己貴命(大国様)の福徳、二之宮=少彦名命(えびす様)の商売繁盛、三之宮 =平将門命の強運という三柱の神々が人生全体の運気を底上げしてくれます。神馬「あかりちゃん」も大人気で、お散歩の途中のあかりちゃんに会えればラッキー。
五方山熊野神社(東京)

平安時代中期に創建された、陰陽師・安倍晴明にゆかりのある神社。境内敷地は陰陽五行説に基づいた正五角形の形状です。伊邪那岐大神を主祭神に、速玉男命、事解雄命をお祀りし、家内安全・縁結び、厄除け・病気平癒のご神徳をいただけます。こちらでは神馬「きらら」「ちょこ」「ばにら」の3頭のポニーが大切に飼育されています。馬車や試乗会なども開催され、神馬を身近に感じることができます。
矢先稲荷神社(東京)

1642年に三代将軍・徳川家光公が三十三間堂を建立し、守護神として稲荷大明神を勧請して創建。御祭神は倉稲魂命と福禄寿。浅草名所七福神のとしても知られ、ご神徳は五穀豊穣、長寿、商売繁盛、開運、所願成就、縁結びなどです。拝殿の天井には神話の時代から近代までの日本馬乗史を描いた100枚の絵が奉納されていて、馬にまつわる歴史を学ぶことができます。
鶴岡八幡宮(神奈川)

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源頼朝が創建。約800年の歴史を持ち、源氏の氏神として、武士たちの信仰を集めてきました。主祭神は応神天皇・神功皇后・比売神の三柱で、これらを総称して「八幡大神」と呼び、「武運の神」「弓馬の守護神」として知られています。9月に行われる流鏑馬の神事は頼朝が天下泰平・国家安穏を祈願して始めたもの。鎌倉武士さながらの狩装束に身を包んだ射手が、馬で駆けながら的を射抜く神事は圧巻です。
冨士山下宮小室浅間神社(山梨)


創建は807年の古社で、ご祭神は木華咲耶姫命。境内に神馬を飼育する神馬舎があります。毎年9月に行われる「流鏑馬祭り」は、武技練磨のために騎馬で的を射る流鏑馬とは違い、走った馬の蹄の跡の形を見て吉凶を占います。ハートのこぶがある御神木は恋愛のパワースポットとして話題に。金運カードも人気で、金運の神様として知られる新屋山神社の金運カードとセットで持つとさらに運気がアップすると言われています。
勝馬神社(大杉神社内)(茨城)

夢叶え神社として知られる大杉神社境内に遷座している「勝馬神社」。古くは馬櫪社と呼ばれ、戦前までは境内で草競馬が催されていたそうです。JRAのトレーニングセンターも近いことから、競馬関係者や競馬ファンの方が多く訪れます。馬蹄絵馬やサラブレットのたてがみを用いた立神守、勝馬守をいただけます。
駒形神社(群馬)

「四方の神々の浄き土を集めて馬の形を造り、野馬の守護を祈った」ことが駒形の名の由来とあり、馬との結びつきが深い神社。ご祭神は「保食命」で、食物農耕守護の神です。源頼朝の愛馬であった磨墨の蹄と伝えられるものを御神体の一部にしています。天井には白馬の絵が描かれ、手水舎には馬の顔、拝殿前には立派な馬の石像があります。オリジナル御守は「万事うまくいきますように」と馬が描かれていて人気。
午年である2026年おすすめ神社は、関連記事『〈2026開運初詣〉本物の馬もいるところも!神社ナビゲーターおすすめ「午」に縁のある神社6選【全国編】』でもご紹介!
教えてくれたのは
五斗美湖さん

神社ナビゲーター。2011年の東北大震災を機に、外資系会社を辞め、旅行業務取扱管理者と海外国内添乗員の資格を取得、旅行業界へ。大手旅行会社の講師として神社ご案内を務めて13年。神様の話や、日本建国の歴史を話しながら、日本の国の永遠の幸せを祈り、神社を通して、神様とお客様を繋げる役割を果たす。伊勢の神宮のご案内は500回を超える。テレビ番組「マツコの知らない世界」でカリスマ添乗員として紹介され、「ハーフタイムツアーズ」では手相芸人島田秀平さんを神の里、高千穂にご案内。「女性自身」「女性セブン」をはじめ雑誌掲載も多数。著書に『神様が喜ぶお参りの仕方』(コスミック出版)。



