【ミセス大森元貴 独占インタビュー】フェーズ3幕開けの楽曲「lulu.」へ込めた思い「とびきり面白い贅沢をしたい」藤澤涼架&若井滉斗とのやり取り・制作裏話<Vol.2>
芸能
モデルプレス/ent/wide/show3
【写真】ミセス史上最大規模 2025年開催ドームツアーの様子
◆大森元貴、フェーズ3初インタビュー
フェーズ2の終着点として臨んだ「第67回輝く!日本レコード大賞」、そして「第76回NHK紅白歌合戦」。その大舞台を駆け抜けたMrs. GREEN APPLEは、立ち止まることなく、フェーズ3へと歩みを進めた。インタビューを行ったのは、お茶の間を和やかなムードで包んだ「Mrs. GREEN APPLE 2026年 元日生配信」の直後。これまでの活動を振り返りながら、フェーズ3開幕後初のデジタルシングル「lulu.」(1月12日リリース)に込めた思い、国立競技場4DAYSおよび大阪・ヤンマースタジアム長居でのツアー開催、さらに「DOME TOUR 2025 “BABEL no TOH”」の映画化まで――。新章に突入した今だからこそ語れる、フェーズ3の現在地をたっぷりと聞いた。
◆大森元貴「lulu.」制作の裏側語る
― 「lulu.」はフェーズ3に入って第1弾の曲となります。2025年10月から12月にかけて開催された5大ドームツアー「DOME TOUR 2025 “BABEL no TOH”」の会場で、バビロンの住人に配られた手紙の宛名としても知られています。曲に込めた思いを教えてください。
大森:TOGETHERの力じゃなくて、1人で立って1歩1歩踏みしめている強さ、そこのエネルギーのような部分や、誰しもに訪れる自分の中で踏ん張らなきゃいけない瞬間や自愛のようなものをすごく壮大かつ、ミクロに書けないかというところから始まっています。「GOOD DAY」は奮い立たせてくれる部分がある曲だと思いますが、「lulu.」はもっとノスタルジーな世界観の曲です。過去を振り返ることで力をもらえる瞬間があって、それが同時に前を向くことと同義だったりもする。僕は「lulu.」から温かくて、ノスタルジックなものを感じます。
― 楽曲が完成してから曲名を考えたのでしょうか。
大森:どっちだっただろう…。でも、一見すると「これ、なんだろう」って分からないような歌詞がいいなと思って「ケセラセラ」や「ダーリン」もですが、「lulu.」も耳にポッと入ってきたときに、可愛らしくてすごく軽い響きがあり、どこか愛らしいですよね。そういう親しみがある聴き心地や、口にしたときの心地よさみたいなものがあって、「lulu.」という響きがいいなって思ったことが、最初のきっかけだった気がします。
― 楽曲を制作する上で、「lulu.」はどこから着想を得たのでしょうか。
大森:まずサウンド的にフックがあって、聴いていて楽しいものを作りたいと思っていました。レコーディングも含めてですけど、昨今って家で全部作れてしまうし、デスクトップミュージックで完結する人たちがほとんどじゃないですか。そういう中でスタジオを使うこと、アンプでギターを鳴らすこと、いろんなことがだんだんと贅沢なものになってきた感覚があります。昔、レコーディングでお世話になっていた場所が、もうなくなっていたり、CDが配信になったり、音楽を制作する上での転換期が来ていると感じていて、でも家で作る時の発想の瞬発力とか、その場で生まれる良さを全部取り込んだ曲にしたいと思っていました。
だから最初の部分はデスクトップミュージックライクな感じで、サビになったら壮大な感じになるような、せっかく贅沢をするならとびきり面白い贅沢をしたいと思って、サウンド部分をいっぱい考えました。フェーズ3として1発目の曲になるので「こういう思考で行きたいから、もっとサウンド的にいろんな発見がなきゃ」「聞いていて楽しくなきゃいけない」と話をしました。
― 最初は藤澤さんの美しいピアノの旋律から始まって、終盤は若井さんのギターソロもあるなど、2人の見せ場も印象的です。お2人とはどういった会話をしましたか?
大森:サウンドが切り替わる部分は、すごく意識しましたね。制作の段階でも僕がいろいろ手を入れながら若井(滉斗)と一緒に話をして「こういうタッチで弾いてほしい」「こういうイメージなんだ」とやり取りを重ねていきました。藤澤(涼架)ともタッチの話はしましたね。何よりこの曲には「故郷」「ノスタルジー」「懐かしさ」みたいなすごく大きなテーマがありますが、それと同時に個としての自分や、この惑星に生きていることの偉大さみたいなものや、脈々とつながっている歴史や命、そういうイメージを持ってほしいという会話をしました。
◆【1月11日18時更新】
◆大森元貴が語る「葬送のフリーレン」とミセスの共通点
― 「lulu.」がアニメ「葬送のフリーレン」第2期のオープニングテーマであることが発表されました。楽曲を制作するにあたって、アニメの制作サイドとはどういった会話をしましたか?
大森:フリーレンが大切にしていることを資料としていただいて、言葉としてはいろいろ書かれていたんですけど、僕が特に印象に残ったのは「大森さんが描く本作のイメージを書いてください」という言葉でした。元々原作のファンだったので、だったら書けるなと思って引き受けました。サウンド的にもフックがあるものを書きたいと思っていたし、そういう意味でも「lulu.」というタイトルや楽曲の方向性は、元々僕らに必要で描きたかった曲としてすごくピッタリだなと感じました。
― 「葬送のフリーレン」という作品にはどういったイメージを持っていますか?
大森:孤独や誰かとの繋がり、抱えているものやそれを癒すこと、成長すること、学ぶこと、失うこと。いろんな要素を題材にしている作品だから、読んでいるとすごく温かい気持ちになる一方で、綺麗事だけじゃない、どこか冷めた視点みたいなものもあって、そこが僕はすごく好きです。その感覚が、すごく神聖な世界線の中で描かれていくから、読んでいて気持ちよくて、晴れやかで綺麗だなと思える。そういう印象があります。
だから今回も、特別に無理やり寄り添って書き下ろす、という感覚ではなくて。やっぱり共通項や共鳴する部分があると思えないと書くのは失礼になってしまう。そこに確信がないと、向き合えないなと思っていたのですが、「葬送のフリーレン」はそういう部分が十二分に自分の中に最初からある作品だったので「大森さんが抱いた本作のイメージを形にできればいいです」と言われた時点で「ああ、じゃあ大丈夫だな」と思いました。
― 「葬送のフリーレン」では、パーティーという形で編成を変えて、出会いや別れを繰り返しながら、成長していく物語だと思います。これまでMrs. GREEN APPLEはフェーズ1から始まって、フェーズ2、フェーズ3へと変化していきましたが、どこか共通する部分があるように感じます。
大森:やっぱり仲間への憧れやそこに対するありがたみはすごく分かりますし、フリーレン自身が後々になって、だんだんと大切なことに気づいていくところも含めて、共感できると思います。命に限りがないからこそ、その感性で描かれている部分があるというのも、作品の魅力だと感じていて、人は命に限りがあるからこそ学んでいくし、失うものがあって学んでいく生き物なんだという考え方もすごく面白いなと思いますし、そういうコンセプト自体が励みになります。
物を作ることとか、何かを書くこと、創作することって、本当にいろんな派生があって、広がっているだけだと思っていて、ものすごく根本を辿ると、僕は全部同じだと思っているんです。漫画にしても、楽曲にしても、媒体にしても、グループのあり方にしても、人生にしても。全部、元を辿れば同じ情緒なんじゃないかな。だから成熟していくこととか、何かを失うこととか、そういうプロセスもどこか似通っていて通じ合う部分はある気がします。
― Mrs. GREEN APPLEとして、これまでもアニメタイアップ曲をやられてきたと思いますが、これまでの曲と違う点はありますか?
大森:前向きな意味で他と比べて特別な違いは正直ないのですが「僕の感性で書いてほしい」と言っていただけたことは、やっぱり大きかったなと思います。全部そうではあるんですけど、それが資料の中にきちんと書かれていたというのが、ものすごい期待と信頼だなと感じて、託してくださっているんだなという印象がありましたし、純粋に嬉しかったです。良し悪しの話ではなくて「こういうものがほしい」「こういう曲を作ってほしい」と具体的なオーダーがあることが多いんです。
でも今回はそうではなくて「こういうイメージはあるけど、最終的には自由に作ってほしい」というスタンスだったことが本当に嬉しくて本来の創作ってそういうものだよなと思えたんです。僕自身、愛を持てないものには参加できないし、やっぱり失礼になってしまう。だからこそ、アニメサイドからもちゃんとしたリスペクトを持って接してもらえていると感じられたことが、すごく嬉しかったです。大きな違いというほどのことではないかもしれないですけど、単純に嬉しかったエピソードとして、配慮そのものが素敵だと思いました。
― タイアップ曲ではありますが、自由度が高かったんですね。
大森:とっても高かったです。楽しかったですが、だからこそ本当に無限に正解があるから、どのようなものを書けばいいんだろうと迷う部分はありましたけど、僕の感性でということなので、僕が頭で感じたことを書かせていただきました。
― 最後にフリーレンは魔法使いですが、大森さんが持っている魔法は何かありますか?
大森:いやいや、魔法なんか持ってないです(笑)。魔法なんて持ってないから大変なんですよ!逆にファンの皆さんに聞きたいですね。
― ファンの皆さんからの回答が楽しみですね!素敵なお話ありがとうございました。
フェーズ2の終着点で語られたのは、達成感よりも、背負うことへの自覚だった。大森が口にした「怖さ」という言葉からは、創作が決して当たり前ではないこと、結果や評価の陰で火を灯すように向き合ってきた時間が自然と伝わってきた。フェーズ3は、肩書きや成果を示すものではなく、今を生き続けるための現在地。等身大であることを恐れず、1曲1曲に誠実であり続ける姿勢が、これからのMrs. GREEN APPLEを更新していくのだと確信した。
(modelpress編集部)
インタビュアー:高田 景太
◆大森元貴(おおもり・もとき)プロフィール
1996年9月14日生まれの音楽家。作詞家・作曲家であり、バンドMrs. GREEN APPLEのフロントマン。Mrs. GREEN APPLEでは全楽曲の作詞/作曲/編曲、 さらに作品のアートワークおよびミュージックビデオのアイデアまで、楽曲に関するすべての要素を担当している。その楽曲は、主要ストリーミングサービスにおいて31曲が総再生数1億回を突破(アーティスト別単独1位)、全楽曲での国内累計ストリーミング数が110億回を超える史上初のアーティストとなった。
【Not Sponsored 記事】
《モデルプレス》


