江戸の芝居小屋を舞台に、仇討ちの裏に隠された真実を描く本作は、「このミステリーがすごい!2024年版」「ミステリが読みたい!2024年版」などにも選出され、2025年には歌舞伎としても上演され大きな話題を呼んだ。
今回解禁となるのは、江戸歌舞伎の芝居小屋〈森田座〉の舞台裏を支える人々の姿を捉えた新カット。芝居小屋・森田座でそれぞれの役割を担う人々の姿が切り取られている。
芝居小屋全体を取り仕切る立作者・篠田金治(渡辺謙)をはじめ、巧みな口上で客寄せとして入口に立つ木戸芸者・一八(瀬戸康史)、かつては道場の師範代を務めたほどの腕前を持ち、舞台上の立ち廻りや殺陣を付ける立師・相良与三郎(滝藤賢一)、孤児として路頭に迷っていたところを初代に拾われ、二代目を継いだ元女形の衣裳方・芳澤ほたる(高橋和也)、そして確かな腕前から金治に名人と称される小道具方・久蔵(正名僕蔵)ら、芝居を成立させるために欠かせない面々が顔を揃える。森田座では、それぞれの職人が分業で芝居を支えており、その中心にいるのが、座付作者の首席として芝居の筋立てや台詞を書き上げる篠田金治。芝居小屋にかかる演目の方向性を定める、いわば脚本家の立場として、舞台全体の骨格を担っている。
一方、木戸芸者の一八は、芝居小屋の入口に立ち、名調子の口上で客を呼び込む存在。その声を聞けば、思わず足を止め、芝居を観たくなる――そんな力を持つ口上で、芝居小屋の賑わいを生み出している。
立師の相良与三郎は、斬り合いや捕り物といった芝居の見せ場を形づくる職人。舞台の脇では大部屋役者たちに刀の振り方や所作を指導している。
衣裳方の芳澤ほたるは、森田座の奥の部屋で針仕事に励み、演者たちの衣裳を手がける元女形。面倒見のよい人柄で、初代の形見である赤い振袖を大切に守り続けている。
小道具方の久蔵は、無口ながらも腕利きの細工職人として知られる存在。歌舞伎の小道具にとどまらず、浄瑠璃人形まで手がける確かな技を持ち、精巧な作り物で芝居の世界を陰から支えている。江戸歌舞伎は本作の大きな見どころの1つ。解禁された場面写真には、「仮名手本忠臣蔵」や「京鹿子娘道成寺」といった歌舞伎を代表する演目の場面が切り取られており、森田座で上演されていた演目の一端を垣間見ることができる。
歌舞伎指導や長唄・囃子監修といった歌舞伎のプロが集結し、江戸時代の歌舞伎をリアルに再現している点に注目だ。
だが、そんな芝居小屋に、仇討ちの当事者である菊之助(長尾謙杜)が姿を現したことで、森田座の静かな日常は大きく揺らぎ始める。彼との出会いをきっかけに、やがて物語は思いもよらぬ方向へと動き出していく。江戸・木挽町を舞台に、人々の役回りと想いが交錯し、ひとつの真実へと近づいていく極上のエンターテインメント・ミステリー。森田座で交わされた出会いで変化していく物語は見逃せない。
『木挽町のあだ討ち』は2月27日(金)より全国にて公開。



