ロサンゼルス国際空港に1人のフランス人が降り立った。その男、殺し屋ルシアン(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、ビヴァリーヒルズのホテルにチェックインすると、拳銃を懐に車でターゲットの住む高級住宅街へと向かう。組織の大ボスを手際良く始末してホテルに戻るが、すでに何者かによってチェックアウトされ、パスポートと航空券が消えていた。疑心暗鬼に陥るルシアンに、突如、正体不明の殺し屋(ロイ・シャイダー)が放つ銃弾の雨が降り注ぐ――。“天使の街”で罠に落ちた異邦人の孤独な戦いが始まった。
本作は、当時なぜか日本では公開されず、遥か数十年前にTV放映されたきりで、VHSもDVDも発売されなかった映画マニアの間でも知る人ぞ知る作品。この度、4Kリマスター版による日本初公開が決定した。
主演は『男と女』(66)、『暗殺の森』(70)などで名高いフランスの名優、ジャン=ルイ・トランティニャン。共演は『愛の狩人』(71)のアン=マーグレットと『フレンチ・コネクション』(71)のロイ・シャイダー。本作公開の前年、それぞれの作品でアカデミー賞・助演賞候補となり注目された2人に加え、『殺しの分け前/ポイント・ブランク』(67)のアンジー・ディキンソン、さらに『狼の挽歌』(70)のミシェル・コンスタンタン、『ビッグ・ガン』(73)のウンベルト・オルシー二という、仏・米・伊、三か国の個性派たちが豪華競演を繰り広げている。
ほかにも、『ブリット』(68)のフェリス・オーランディ、『現金に身体を張れ』(56)のテッド・デ・コルシア、『ゴッドファーザー』(72)のタリア・シャイア、『がんばれ!ベアーズ』(76)の子役ジャッキー・アール・ヘイリーら、当時の洋画ファンなら馴染み深い顔ぶれが続々と登場。
監督は、アラン・ドロン主演の『ボルサリーノ』2部作(70/74)、『フリックストーリー』(75)などで知られるアクション職人ジャック・ドレー。歯切れよい語り口、迫力の銃撃戦とカーアクションに鮮やかな腕前を発揮している。脚本は、前記『ボルサリーノ』などでドレーと組んだほか、ルイ・マル、ルイス・ブニュエル、ミロス・フォアマン、フォルカー・シュレンドルフ、大島渚、フィリップ・カウフマンなどの巨匠、名匠たちの作品を執筆し、国際的に活躍したジャン=クロード・カリエールが担当。ミシェル・ルグラン作曲のクールなフレンチ・ファンクも聴きどころだ。
本作には、監督ドレーと脚本家カリエールという、フランスから来た2人の異邦人たちの目に映ったロサンゼルスの異形の風景、風俗の魅力がたっぷり描かれている。読み捨て犯罪小説=“パルプ・フィクション”のカッコ良く、下世話な面白さに満ちたこの作品は、20数年後に話題となるタランティーノ作品をも思わせる異色の快作だ。
この度解禁となった日本オリジナルのポスタービジュアルは、殺し屋ルシアンが劇中で撮る証明写真がそのまま使用され、キャッチコピーには、天使の街で罠に落ちた。という、天使の街=ロサンゼルスで標的となる主人公の危機的状況が表されている。特報は、証明写真機で撮影されたルシアンの連写3カット~L.A.の空撮~拳銃のアップ~標的を始末するルシアンと続き、自身が標的となり逃走するルシアン~深夜のカーチェイス~トップレス・バーで踊る白塗りダンサー~白昼のドライヴインシアター~ルシアンと殺し屋の銃撃戦と見せ場が連続する映像に仕上がっている。
『パリから来た殺し屋 4K』は4月3日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。



