本作は2025年の「Peter Barakan's Music Film Festival 2025」で日本初上映され、2回の上映をソールドアウトにした注目作品。
ジェイムズ・ブッカーは1939年ニューオーリンズ出身で、本名はジェイムズ・キャロル・ブッカー3世。薬物依存による奇言・奇行の数々は枚挙にいとまなく、逮捕歴まである問題を抱えた人物だったが、ひとたびピアノに向かえば、そのプレイは軽々とジャンルを超えた神がかった輝きを放った。ドクター・ジョンにオルガンを教え、少年期のハリー・コニックJr.の家庭教師を務め、サポートミュージシャンとして、ウィルソン・ピケット、B.B.キング、ロイド・プライス、ファッツ・ドミノ、リトル・リチャードら数多くの一流アーティストと共演した。後年はヨーロッパ公演も行い、ソロ活動でも高い評価を得たが、1983年ヘロインとアルコール常習による腎不全で死去。43歳だった。
本作はブッカー本人の貴重な演奏シーンをふんだんに盛り込み、ドクター・ジョン、アラン・トゥーサン、チャールズ・ネヴィル、ハリー・コニックJr.ら錚々たるニューオーリンズの顔役たちが思い入れたっぷりにブッカーを語る。この度解禁された日本版ビジュアルは、ロックフォトグラファーとして世界的に著名なカメラマン、アントン・コービンが撮影した、トレードマークのアイパッチを装着したジェイムズ・ブッカーのアップのモノクロ写真を全面使用したインパクトのあるデザインとなっている。
場面写真には上記コービンのメインフォトの他に、茶目っ気たっぷりなブッカーのスチール写真と躍動感あるステージ写真が2点選ばれている。さらにミュージシャンの矢野顕子、久保田麻琴、さらに本作を発掘・字幕監修を務めたピーター・バラカンらからコメントが到着。矢野顕子は「精神疾患も飲酒も麻薬も無い、音楽のかたまりのジェイムズ・ブッカーが紡ぎ出す音は、歓びと美しさに満ちていたに違いない。この映画のなかで、様々なものを抱えてはいても、それでもなお彼のピアノはすばらしい」と孤高のブッカーの人生と音楽に想いを馳せている。
久保田麻琴は「ニューオーリンズでは誰もがこの人間離れしたジェイムズ・ブッカーを、畏怖と呆れを持って称賛する。現地で見たアラン・トゥーサンとの連弾Liveは生涯忘れない」と現地で見た本人の生ライヴを述懐している。
また本作を発掘、自身の映画祭で初めて日本に紹介したピーター・バラカンは「ニューオーリンズが生んだ名ピアニストの中で、一般的な知名度を得られずに多くのミュージシャンに天才と崇められたジェイムズ・ブッカーは、摩訶不思議なキャラクターでしたが、彼の演奏を聞けば必ずファンになるはずです」と推薦している。
ニューオーリンズに詳しい音楽ライターの陶守正寛は「ブッカーのドキュメンタリー映画ができたと最初に聞いたときはビックリするやら歓喜するやらで、そわそわしてしまいました。誰もが認める圧倒的なテクニックも去ることながら、その強烈な個性はまさに唯一無二。この映画は、そんな彼の華やかながらも破滅的な人生を見事に描き出しています」とコメントを寄せている。
『ジェイムズ・ブッカー/愛すべきピアノ・ジャンキー』は5月29日(金)よりシネマート新宿、恵比寿ガーデンシネマ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開。



