
投資を始めたばかりの人がぶつかる問題として、「オルカンとS&P500のどちらを選べばいいのか」が挙げられます。
結局、どちらがいいのか?本記事では、TBSキャスターとして活躍し、現在はビジネス映像メディア「PIVOT」でマネー番組のナビゲーターとして多くの専門家から学び、自身も初心者から経験を積んできた国山ハセン氏の著書から「判断の仕方」の一例をご紹介します。
※本記事は書籍『投資初心者の僕がプロたちから学んだ、正しいお金の増やし方』(国山ハセン :著/徳間書店)から一部抜粋・編集したものです
「オルカン」か「S&P500」か
インデックス投資を始める際、最初にぶつかるのが「具体的に何を買えばいいの?」という問題です。そしてこの議論は十中八九、2択にたどり着きます。
「オルカン(全世界株式型)」か、「S&P500(米国株式)型」(※)か。言い換えれば、「これからの世界経済の成長に丸ごと賭けるのか、それともアメリカ経済の成長という一点に賭けるのか」という選択です。
※S&P500 型のインデックスファンドで特に人気なのが『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』という商品です。全世界株型のインデックスファンドで人気なのが『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』という商品で、オルカンの愛称で親しまれています。ただ、本書では便宜上、全世界株型のインデックスファンドすべてを指す呼称として、オルカンという用語を使わせていただきます。
世界の富はインデックスファンドとともに増えていく
僕が数々のお金のプロたちの話を聞いてたどり着いた結論は、非常にシンプルなものです。それは「世界の富は結局のところ、S&P500のような主要な株価指数に連動するインデックスファンドに流れ込み、その成長とともに増え続けている」という動かしがたい事実です。
S&P500の構成銘柄(約500銘柄)の顔ぶれは強力です。GAFAM(Google、Apple、Facebook※現Meta、Amazon、Microsoft)をはじめとするアメリカの巨大テックが網羅され、アメリカ株式市場の時価総額の約8割をこれだけでカバーできてしまう。
資産数千億円の誰もが知る上場企業の創業者も、「GAFAMが世界経済を牽引する時代が続くかぎり、S&P500に置いておけば間違いない」と断言していました。その方がいち早く気づいたのは、投資とは「当てる」ものではなく「乗る」ものだということ。
「S&P500に連動した形でお金を置いておけば、最強のアメリカ経済が勝手に稼ぎ出し、勝手に増えていく『仕組み』の中に自分のお金を組み込める。これに気づいた瞬間、もうこれ以外の選択肢はなくなった」と。それ以来、彼は資産の半分をS&P500のインデックスファンドに投じていると言います。
さらに、僕の心に突き刺さったのは、次のような衝撃的な言葉でした。「ソフトバンクの孫正義さんや楽天の三木谷浩史さんのような日本を代表する起業家でさえ、彼らがこれからゼロから事業を成長させるスピードより、全資産をS&P500に預けて増えるスピードのほうが、長期的には圧倒的に速くなる可能性が高いだろう」
これはサッカーに喩たとえるとわかりやすいかもしれません。あなたがもし賭けをするとして、「これからは中東やアジアのリーグが急成長し、いつか欧州を追い抜く」と語るロマン派の評論家と、「結局、UEFA チャンピオンズリーグを制するのはレアル・マドリードやマンチェスター・シティといった常連の強豪だ。これからもヨーロッパこそがサッカーの中心であり続ける」と語る現実主義者。どちらを信じますか?
投資の世界も同じです。業界を牽引するトップランナーを外し、「いつか大化けするかもしれないマイナーなチーム」に賭けるのは一見夢がありますが、資産運用の観点では非合理的です。
S&P500への投資は、いわば「世界最高峰のリーグ」で、常に勝ち続けている常勝軍団をまとめて応援するようなもの。彼らが勝つかぎり、あなたの資産も増え続ける。これがインデックス投資の真髄です。
ひと財産を築いたお金持ちにとって、リスクだらけの新規事業に心血を注ぐより、アメリカ経済という巨大なエンジンに資産を委ねるほうが、はるかに効率的で確実な「勝ち筋」になる。「お金持ちが、さらにお金持ちになる」というマネーの摂理は、この極めて合理的な仕組みの上に成り立っているのです。
ここまでの記事では、主に「S&P500」についてご紹介しました。続く【関連記事】では、人気の「オルカン」について詳しくお伝えします。
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■著者略歴: 国山ハセン(クニヤマハセン)
1991年生まれ、東京都出身。中央大学商学部卒業。2013年、TBSテレビに入社。数々の番組でメインMCなどを務め、2021年8月からは報道番組『news23』のキャスターも務める。2022年末に退社し、ビジネス映像メディア「PIVOT」に参画。動画コンテンツの企画・制作に携わり、なかでもMCを務める『MONEY SKILL SET(マネースキルセット)』『MONEY SKILL SET EXTRA(マネースキルセット・エクストラ)』は資産運用の学びの番組として大きな人気を博している。2025年、アメリカでFOX UNION Inc.を立ち上げ、日本発のグローバルメディア「UnKnown」を合わせてローンチ。著書に『アタマがよくなる「対話力」』(朝日新聞出版)がある。



