
ゴールデンウイーク特別企画!オトナサローネで公開された記事の中から、「大反響だった記事」をピックアップしてお届けします。モラハラ・夫婦問題カウンセラーの麻野祐香先生による本シリーズは「私だけじゃなかったと分かっただけでも気持ちが楽になった」と人気です。
(集計期間は2018年3月~2026年4月まで。本記事の初公開2023年8月 2026年4月加筆修正。記事は取材時の状況です)
夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。
今回は、生活費のすべてを家族カード5万円以内でまかなうよう夫に命じられ、現金は1円も渡されないという経済的DVのケースをご紹介します。
不足分や現金が必要な支出は、自分の貯金を切り崩して生活しているTさんのお話です。
暴言や無視だけでない「経済的モラハラ」とは?
モラハラには、暴言や無視だけでなく、経済的DVも含まれます。経済的DVとは、生活費を渡さない、あるいは到底生活できない金額しか渡さず、その範囲でやりくりするよう強要することです。ひと言でいえば、金銭の自由を奪い、経済的に相手を追い詰める行為です。
DVと聞くと、殴る・蹴るといった身体的な暴力を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、経済的・精神的なダメージを与えることもDVに含まれます。生活費を制限することで、モラハラ夫は妻を追い詰め、支配していくのです。
では、具体的に経済的モラハラとはどのようなものなのでしょうか。Tさんのケースを見ていきましょう。
生活費は現金では渡してもらえなくて
男の子2人を育てているTさん一家。夫は会社員、Tさんはパート勤務をしています。結婚当初、生活費として現金で15万円を渡されていたそうです。しかし「給与が下がった」と言われ、子どもが生まれた頃から、渡される生活費は2万円ずつ減らされていきました。Tさんは夫の給与明細を見たことがなく、夫が実際にいくら収入を得ているのかもわからないままでした。Tさんはこう話します。
「給与が下がったからといって生活費を減らされるのもおかしいし、カード払いしか許されないのも納得できませんでした。勇気を出して『夫婦なんだから一緒に生活設計をしたい。給与明細を見せてほしい』とお願いしました。でも夫は、『なぜお前に給与明細を見せないといけないんだ。口を開けば金の話ばかりするアンタは金の亡者だな』と言ったのです」
反論したTさんに対して、夫は
「夫は『俺が働いて得た金は俺のものだ。文句があるなら出ていけ。今後、金のことで何か言ってきたら承知しないからな!』と怒鳴りました。そのあまりの恐怖に、私はもう何も言えなくなってしまったのです」
手持ちの現金は0円。教育費どころか子どもの服さえ満足に買えない。次男が小学校に入学した頃、Tさんは近所のスーパーでパートを始めました。子どもたちの将来の学費のために貯金しようと思って始めたパートでした。しかし夫はこう言ったのです。
「パート代があるなら、それで何とかなるだろう。俺は給料が下がったんだから、妻としてサポートしろ」そして生活費は、さらに段階的に減らされていきました。ついに生活費が5万円に下げられたとき、Tさんは恐る恐る訴えました。
「これでは生活できません」
しかし夫はこう言い放ちました。「普通の家庭はこれくらいでやりくりしている。それができないのはアンタが無駄遣いしているからだ」夫はまともに取り合ってくれませんでした。Tさんは必死に訴え続けました。
「子どもの食費だけでほとんどのお金がなくなってしまいます。使っていい金額を結婚当初と同じ15万円に戻してほしい。私のパート代は子どもたちのための貯金だから、家族カードの限度額を増やしてほしい」
しかし夫は、蔑んだ目でこう言うだけでした。
「やっぱり金の亡者だな」
Tさんのパート代は月5万円あるかないか。それでも足りない分は、すべてそのパート代で補わなければならなかったのです。食べ盛りの子どもたちに我慢はさせたくない……。しかしどれだけ食費を工夫しても、食費だけでなく、塾代、部活費、衣服費まですべてそこからまかなうよう夫に求められていました。Tさんは、毎日お金の心配ばかりしていたといいます。
Tさんに渡されたカードの「恐ろしい仕組み」とは
現金は1円も渡されず、使えるのは家族カードのみ。友人たちは、「カードなら、5万円なんて気にせず使えばいいじゃない」とアドバイスしてくれたそうです。しかしTさんには、そんなことはできませんでした。なぜなら家族カードを使うたびに、カード会社から夫へ通知メールが届く仕組みになっていたからです。
スーパーで4000円使うと、すぐに夫からLINEが届きます。「レシートの詳細を送れ」その明細を見て、夫は細かく指摘してきます。「これは必要ない」「これは先週も買っただろう」そして最後にこう送ってくるのです。「今月の残金は3万5000円。それ以上は絶対に超えるな」
以前、子どもたちの服を購入し、月の限度額5万円を超えてしまったことがありました。その日、帰宅するなり夫は怒鳴りました。「お前は金を使うことしか考えていない。なんで無駄遣いしたんだ」「そこに座れ」そう命じられ、正座をさせられました。そして、「お前は金の使い方が荒すぎる。それは、金を稼いでいる俺に対する感謝がないからだ」と、責め続けたのです。
Tさんは、「あなたには、いつも感謝しています」と必死に伝えました。しかし夫はこう返しました。
「感謝がないから、俺の金を使いまくるんだ。カードだからって使っていいと思うなよ。使っていいのは5万円だけだって言ってるよな!」
その夜、夫は3時間にわたって責め続けたといいます。
こんな思いをするくらいなら、カードは絶対に5万円を超えない……。Tさんはそう心に決めたのでした。
本編では、生活費を家族カード5万円以内に制限され、現金は1円も渡されないまま暮らすTさんの現実についてお伝えしました。
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では、限界まで追い詰められたTさんが知った驚愕の事実と、その後どのような行動を起こしたのかについてお届けします。
※本記事は、相談者様への敬意と守秘義務に十分配慮したうえで、モデルケースとして編集・再構成しお届けしています。特定の人物や事例を示すものではありません。
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