娘が不登校になった原因は、学校ではなく家庭にあった。「この家はもう限界だ」と母が気づくまで | NewsCafe

娘が不登校になった原因は、学校ではなく家庭にあった。「この家はもう限界だ」と母が気づくまで

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娘が不登校になった原因は、学校ではなく家庭にあった。「この家はもう限界だ」と母が気づくまで
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モラハラ・夫婦カウンセラーの麻野祐香です。

働く女性は、モラハラやDVの夫から簡単に逃げられるのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。さまざまな事情で、支配的な配偶者との結婚生活を続けている人たちは少なくありません。オトナサローネ世代のモラハラ被害にフォーカスした本連載、今回は、夫のモラハラに長年苦しんできたAさんのお話です。そして、その影響が娘さんにも及び、不登校を引き起こしていたケースでもあります。

※本記事は、相談者様への敬意と守秘義務に十分配慮したうえで、モデルケースとして編集・再構成しお届けしています。特定の人物や事例を示すものではありません。

※写真はイメージです

「俺のことは後回しか!」娘が生まれてモラハラが悪化した夫

結婚前はもちろん、結婚後もしばらくの間、夫には多少気難しいところはあったものの、怒鳴ったり、Aさんを否定したりすることはありませんでした。ですが、娘が生まれ、Aさんが夫よりも育児に時間を取られるようになると、夫は少しずつ変わっていったのです。

「俺のことは後回しか」

最初は、そんな言葉から始まりました。それがいつしか、舌打ちになり、怒鳴り声になり、毎日の否定へと変わっていったのです。朝、出かけるときも「行ってきます」を言わずに家を出る。Aさんが慌てて追いかけ、「行ってらっしゃい」と声をかけても無視をする。帰宅しても無言。夕食の味が気に入らないと「こんなもの食えるか」と皿を押しやる。テレビのリモコンの場所が違うだけで、「なんでここに置かないんだ」と怒鳴るのです。

娘が泣けば、「うるさい、早く黙らせろ」と嫌な顔をして、リビングから出て行ってしまう。さらにAさんに対しても、「なんでこんなこともできないんだ。普通の母親ならできる」「子育てもろくにできないのか」と、何から何まで文句を言い続けていました。

Aさんは最初、「私だって一生懸命やっているのに」と言い返していました。でも、そのたびに夫の言葉はさらに激しくなりました。いつのまにか「何を言っても無駄なのだ」と黙ってやり過ごし、また次の日を迎える、それがAさんの日常になっていきました。

夫は、子育てにはほとんど関わりませんでした。休日も自分の部屋にこもってゲームをするか、友人とゴルフに出かけてしまうのです。娘のお風呂も、寝かしつけも、保育園の送り迎えも、すべてAさんひとりでした。「たまには娘を見てほしい」と頼んでも、「俺には無理」「お前がやればいい」そう言うだけ。育児の話をしても、興味なさそうにスマホを見ながら適当に返事をするだけでした。

娘が小学校に上がっても、態度が変わらない夫。やがて娘は…

娘が成長して小学校に上がっても、夫の態度は変わりませんでした。娘が笑ってはしゃいでいる時は可愛がる。けれど、自己主張をしたり、ぐずったりすると、すぐに嫌な顔をして別の部屋へ行ってしまう。娘がどんな状態かではなく、結局は夫自身の機嫌次第だったのです。

自分の父親の機嫌をうかがいながら、娘は毎日を過ごしていました。リビングの隅で、宿題をしているふりをしながら。自分の部屋のドア越しに、息を潜めながら。

「お母さんがまた怒られている。でも、私は何も言えない。助けることもできない」

そう思っても何も言えません。以前、「お父さん、やめて」と声を上げた時、父親の怒りが自分に向かってきたからです。「俺に逆らうのか!お前は最低の人間だ!」それ以来、父親に何か言おうとしても、その時の恐怖がよみがえり、何も言えなくなっていました。

そんな日々が続く中で、娘の心には別の苦しさも生まれていきました。もしかしたら、お母さんが怒られるのは私のせいかもしれない。お父さんがいつも怒っているのは、自分がいるからじゃないか。自分さえいなければ、お母さんは怒られなかったんじゃないか。そんな思考が、じわじわと心の中に根を張っていったのです。

母が虐げられているのを見ながら育つ子どもに起きる変化

親のモラハラを日常的に見ながら育つ子どもの心には、こうした変化が起きていきます。

・「自分が悪いから怒っているんだ」と、自分を責めるようになる
・助けられない自分への罪悪感が積み重なっていく
・家の中で常に緊張し、気を張り続けることで心が消耗していく
・「どうせ何をしてもダメだ」という無力感が育っていく

これが、モラハラ家庭で育つ子どもに起きやすい「学習性無力感」です。何かをしようとしても結果が変わらない経験を繰り返すうちに、やがて「何もしない」ことを選ぶようになっていきます。

そのうち、娘は学校に行けなくなりました。

学校へ向かうエネルギーが失われてしまったのは、怠けているからではありません。

心が、すでに限界の中で戦い続けていたからなのです。

娘が学校に行けなくなった理由

娘に異変が出始めたのは、小学5年生の秋のことでした。朝、「お腹が痛い」と言う娘ですが、熱はありません。でも顔色が悪く、目にも力がないのです。Aさんは学校に連絡を入れ、その日は娘を休ませて様子を見ることにしました。ですが、次の日も、その次の日も、朝になると同じことが起きました。

布団から出られない。制服に袖を通したまま、動けなくなる。普通の表情をしているのに、目からは涙がこぼれ落ちているのです。娘は怠けているわけではない。Aさんには、それがわかっていました。「この子の心は、家の中の緊張感で、もう限界までいっぱいになっているのだ」と。

娘が学校を休むようになると、夫は心配するどころか、娘を責め立てるようになりました。

「なんで学校に行けないんだ。みんな行ってるのに、お前だけ特別か」

「家にいるなら、学校と同じ時間は勉強しろ!」

その言葉の雰囲気は、Aさん自身がずっと向けられてきたものと、まったく同じでした。モラハラをする人は、子どもの不登校に対しても、“支配”で向き合おうとします。

「厳しくすれば治る」と、力で解決しようとする。「甘やかすから行けないんだ」と、妻のせいにする。そして、登校できない子どもを怠けと決めつけ、さらに追い詰めるのです。

ですが、不登校の子どもに本当に必要なのは、責め立てることでも、無理に登校させることでもありません。責められない場所。否定されない時間。ありのままでいていいと思える、安心できる居場所なのです。恐怖で動かされた子どもは、一時的に従うことがあります。でも心は回復せず、どんどん原因となっているもの(この場合は家庭、父)から距離を置くようになってしまいます。

娘は、夫が在宅している日は、朝から落ち着きを失うようになっていました。食事も喉を通らない。部屋からそっとリビングの様子をうかがっているのです。夫が外出する音がすると、やっと部屋から出てくる。でも、夫の帰宅する音が聞こえると、また部屋に閉じこもってしまう。

その姿を見て、Aさんは胸が締めつけられました。この子は、父親の帰宅を恐れている。自分の家なのに、安心できずに怯えている……そう感じたのです。

本編では、モラハラ夫の顔色をうかがいながら暮らす家庭の中で、娘さんが少しずつ追い詰められていく様子についてお伝えしました。

▶▶「学校も家も地獄」不登校になった娘を守るため、モラハラ夫から離れる決意をした母の選択

では、不登校になった娘さんを守るためにAさんが動き出したこと、そして母娘が少しずつ安心を取り戻していくまでをお届けします。


《OTONA SALONE》

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