
「気づいたら、なんだか物も人付き合いも増えすぎてるかも…」そんなふうに感じたことはありませんか?年を重ねると、これまで積み重ねてきたものが多いぶん「このままでいいのかな」と考える瞬間がふと訪れます。
そんなときは、シニアライフインフルエンサーの山岡まさえさんによる「手放し活」がヒントになるかもしれません。“必要なものだけを選び直す”という考え方は、服や物に限らず、人間関係にも当てはまります。
本記事では山岡さんの著書から、「無理に減らすのではなく、自分にとって必要なものだけを選び直す」という取捨選択の視点をご紹介します。
※本記事は書籍『60歳、服を7割手放して「ときめく暮らし」がはじまった: おしゃれの幅も、人生も豊かになる』(山岡まさえ:著/ Gakken)から一部抜粋・編集したものです
※撮影/黒川ひろみ
服の取捨選択を経て、人間関係も選び抜ける力が備わった

これからは、好きな人と、好きな時間を楽しく過ごす
昔の私はずっと、人の評価を基準に服を選んでいました。その思いは、人付き合いにも表れていたと思います。みんなに好かれたい、誰からも嫌われたくない……。だから、断れないし、イヤとは言えない。なんとなくの付き合いが増えるほどに、自分がどうしたいのかもわからなくなっていました。
でも、たくさんの服を手放す経験をした今の私は違います。「いる、いらない」「似合う、似合わない」を見極める作業によって、選び抜く力や、スパッと決める瞬発力も備わりました。それは、人間関係にも大きな影響をもたらし、心地よくない関係性を手放すことができるようになりました。
服も人間関係も大切なのは、周りの評価より、自分の心地よさ。数ではなく質。改めてそう感じています。そして、服と同じで、「本当に大切にしたい人」を選び抜いた今、数は減っても心地よさや楽しさは増えています。
60代はもう媚びない。自分の人生を、自分のために生きる

60代の私が決めたこと。イヤなことはイヤと言う。会いたくない人には会わない。不愉快な人とは距離を置く。楽しくない場には行かない。
「この人、私のことどう思っているのだろう?」「ここでこう言ったら嫌われるかもしれない」。若い頃は、そんなことばかり考えて、慎重に言葉選びをしていた私。
でも、あるとき思ったんです。これって、私が「人に媚びている」ってことなんじゃないかって。社会でうまくやっていくためには、空気を読むことや協調性も必要。それを頑張ったからこそ、得られたものもあったはず。
でも、60代になった今もまだ、その努力って必要なの? いいえ、もう、その努力からは卒業していいはずです。だって、60代の私たちには人に媚びている時間はない!
人生は、思ったより短いもの。それなのに、自分を押し殺して、人のご機嫌をうかがって、愛想笑いして。それでは、自分の人生を生きているって言えないじゃない? だから、私は決めました。
「好かれたい、いい人だと思われたい、嫌われたくない」を手放します。自分自身の時間を大切にする生き方を選びます。
“人にどう思われるか”の呪いから解放されていい

60代は、本当の自分を取り戻す時間。自分の人生を、心地よく生きるための時間
40代の頃、私は人から「八方美人」と言われたことがありました。私は、ただただ不機嫌そうな人やつらそうな人にそっと寄り添っていたつもり。でも、周りから見ると、「ごまをすっている」「気に入られようとしている」。そんなふうに映っていたようです。
そのあと、私はどうすればいいかわからなくなって、人と接することさえ怖くなったんです。
振り返ってみると、その頃の私は「他の人の目」ばかり気にしていたかもしれません。だから、「八方美人」の側面も、あったことは確かです。
でも、何かを言われても、「人は人、私は私。私がいいと思ってやっているのだから、人にどう思われてもいいじゃない」。そう、自分の心の中で割りきれていたら、きっと傷つくことはなかったはず。
60代になった今はもう、“人にどう思われているか”の呪いからは解放されていい。誰かの価値観に曇らされることなく、自分の感性で自信を持って人生をまっとうしたいと思っています。
「子どもの世話にならない」とは言わない

最後は、このトランクに収まるだけの荷物に

/今は、喪服や、思い出の品を収納\
「子どもたちに迷惑はかけない」。私はかつて、親からそう言われたことがあります。でもそのとき、私の心に浮かんだのは──「いや、もうかかっているから」。
子育てと介護が重なったあの頃、気持ちに余裕がなかった私は親のその言葉に、ちょっとムッとしたことを覚えています。だから、私は子どもたちに「迷惑をかけない」とは言いません。とはいえ、子どもたちへの負担はできるだけ減らしたい。その象徴が、上の写真のトランクです。
私が手放しを意識したきっかけは、義母の終活でした。義母は、身のまわりの持ち物を潔いほどに始末して逝ったため、残された私たちの片づけの負担はほとんどありませんでした。それを目の当たりにして、私もこうありたいと思ったんです。
だから、夫とは、「いつかどちらかが一人になったとき、身のまわりのものはこの中に収まるだけにしよう」と話しています。それが、私たち夫婦の決め事であり、息子たちにできることだから。
ここまでの記事では、60代からの人付き合いの考え方についてご紹介しました。つづく関連記事では、自由に生きるための「人間関係の整理の仕方」をお届けします。
つづき>>違和感やストレスを感じる関係は断ってヨシ!60歳女性インフルエンサーが教える「手放し活」で、気配りしすぎな女性の「もやもや」をスッキリ解消
■著者:山岡まさえ(やまおか・まさえ)
50代後半ではじめたSNSで、日々の暮らしや「60代の1週間コーディネート」などを発信。フォロワー20万人以上に(2026年4月現在)。雑誌や講演などでも活躍。60代ライフスタイルブランド「DIGNITY」や、一般社団法人日本グルーデコ協会を主宰。「グルー継ぎ(R)」「グルーデコ(R)」というハンドメイドの技法の普及や講師育成も行っている。



