本作は『すばらしき世界』『永い言い訳』の西川美和監督が原案・脚本・監督を務めるオリジナル最新作。9月10日からカナダ・トロントで開催される第51回トロント国際映画祭(TIFF)のコンペティション部門【プラットフォーム部門】の【オープニング上映作品】に、日本映画として初めて選出されるという快挙を達成した。
W主演を務めるのは、オーディションを勝ち抜いて主人公・琴子役に抜擢された新星・小八重葵美と、「SHOGUN 将軍」など世界的作品で評価を確立した二階堂ふみ。琴子の父親・茅野孝一役には竹野内豊が名を連ねる。
そしてこの度、圧巻の新キャスト13名が一挙発表となった。
戦争で親を亡くし、孤児となった子どもたちの矯正施設・水上寮から逃げ出した子どもたちに寝床を与え少しの間、面倒をみる漁師の山井甚平とけいの老夫婦には、日本を代表する名優・役所広司と田中裕子、孤児として闇市で暮らすことを余儀なくされた子どもたちを父親のような大きな愛で受け容れる新興ヤクザの組長・菊沢徹には岡田准一、散り散りになった子どもたちを迎え入れる孤児院「隣相館」の館長鷹間乃生役にはシリアスからコメディまでこなす吉田羊、矯正施設にいる子どもたちの相談役として仕事を超えて理解者になろうとする新聞記者・諸積京一郎役には若手注目株の坂東龍汰。また、戦後の混乱期に生きる人々を演じるのは、すでに解禁された琴子の兄役の櫻井海音、琴子の靴磨きの仲間を演じる花瀬琴音のほか、日本と朝鮮の抗争を焚き付ける刑事役に「アンナチュラル」、「リブート」など話題作への出演が続く北村有起哉。
さらに赤間麻里子、岩谷健司、つみきみほ、マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオ、井上肇らジャンルを超えて活躍する個性派たちが揃った。
さらに解禁されたのは、「わたしは、わたしの生徒を棄てました」という衝撃的なセリフで始まる予告編。
教師・曽根(二階堂ふみ)は、幸せな家庭に育ちながらも戦争で孤児となった琴子(小八重葵美)の行方を探すため、一人街を奔走する。その中で琴子が男の子として生きているという衝撃の事実を知る曽根。自らも職を失い乳飲み子を抱えながら懸命に生きる曽根だが、教師としての自分は子どもたちの行く末を案じずにはいられない。
必ずわたしが探し出すと決意する曽根。少年として生きる琴子はどこにいるのか? 誰といるのか? どうやって生き延びているのか? 果たして曽根は琴子を見つけることができるのだろうか…。
予告編では、琴子探しに奔走する曽根と、同じ境遇の少年たちと生きる琴子が、生きていく中で子どもたちの未来を繋げようと出会う様々な人物が交差する。
その回想の中に登場するのは、親代わりになる新興ヤクザの組長・菊沢(岡田准一)、警察から逃げる子どもたちの束の間の休息の場を与える山井夫婦(役所広司、田中裕子)、孤児たちの救済施設の館長・鷹間(吉田羊)、仕方なく琴子を疎開させてしまう父・茅野孝一(竹野内豊)の姿が描かれる。
戦争によって人生を変えられながらも懸命に生きた子どもたちの命の輝きと、その命を信じ、それぞれの選択で未来へつないだ人々の姿を描く物語の断片が切り取られている。
併せて、懸命に生きる登場人物たちの強いまなざしを捉えた新ポスターも解禁。撮影を手掛けたのは、アジアのみならず世界で注目を浴びるフォトグラファーのレスリー・チャン。映画ポスターの撮影に初めて挑戦したレスリー・チャンが、少年として生きる琴子の汚れなきまなざし、時代に翻弄される教師曽根の繊細な瞳、そして懸命に生きた大人たちの顔を刻み込んだ。また、音楽は『国宝』の原摩利彦が担当。今回の主題音楽ともなる感動のラストシーンを演奏するのは、原の実力を高く評価していた坂本龍一が立ち上げた東北ユースオーケストラの子どもたち。原から、音楽の視点からも子どもたちとともに作り上げるのはどうかと提案し、実現した。
観る者に深い余韻を残す若者たちの思いが宿る演奏は、この映画を生涯忘れられない作品へと導いている。主題音楽以外の部分は、イタリア・ローマでの演奏家とともに録音を実施した。
原は「イタリアの指揮者や奏者が真剣に映画や音楽に向き合ってくださる驚きと演奏を通しての気づきがあった」と手応えを語り、また同席した西川監督も「音楽的な歴史の厚みを感じる演奏」と絶賛。日本・イタリアと国を超えた共同作業がもたらす化学反応にも注目してほしい。
キャストコメント
役所広司
心からこの映画を観て欲しいと思います。
子どもたちの眼差しをしっかり受け止めて欲しい。
彼らは、戦争孤児という役を演じる中で、当時の孤児たちに思いを馳せた瞬間があったに違いない。
主人公、琴子をはじめ子どもたちの眼差しが胸に刺さります。
日本映画史の中で、大切な作品が生まれたと思います。
この作品に参加された全ての皆さん、お疲れ様でした!
そして、おめでとうございます!
田中裕子
映画「ゆれる」を観て、凄い作品だなぁと思っていました。
その西川組に出れるなら、是非出たいと思って参加させていただきました。
琴子に会えてよかった。
岡田准一
西川監督の作品を心待ちにしていた一人として、この作品には映画としての面白さだけではなく、社会への問いが込められていると感じます。
この作品は主人公・琴子を演じた小八重さんを含め、子どもたちが本当に素晴らしく魅力にあふれています。
大人の責任を考えさせられ、問いがあるこの作品が多くの人の心に残り、語り続けられる作品になってほしいと思います。
「火垂るの墓」の後継作はこの作品。今観るべき作品かと思います。
吉田羊
尊敬する西川監督の作品に参加させていただき、大変光栄に思います。私が演じたのは、主人公琴子が辿り着く戦争孤児救済施設の館長。撮影時は蝉鳴きしきる真夏、クランクインから既に3ヶ月が経っており、現場は朝から、小八重葵美さん演じる琴子が生き抜いてきた先の"今日この瞬間"をクルー全員でじっと見守っている、そんな温かさに満ちていました。一方で、西川監督は大人、子ども、キャリアの区別なく一人一人を尊重し、エキストラの子どもたち含め俳優全員に目を届かせておられるのが印象的でした。恥ずかしながらこの作品に関わらせていただいて初めて、戦争孤児について学びました。戦争体験者が年々少なくなる中、映画もまた、その役割を引き継いでいけるようにと願ってやみません。平和への祈りをこめて、この映画が沢山の方へ届きますように。
坂東龍汰
西川美和監督の作品に触れるたび、その人間をまっすぐ見つめる眼差しと、心を深く揺さぶる物語に何度も感動してきました。
西川監督の作品に、諸積という役で参加させていただけたことを心から光栄に思います。
諸積は、戦後を生きる戦争孤児たちの現実を目の当たりにし、自分に何ができるのかを必死に問い続ける若い新聞記者です。
子どもたちの置かれた過酷な状況や、その小さな希望に触れるたび、諸積の正義感や葛藤を自分自身のことのように感じながら、一つひとつの場面に向き合いました。
西川監督は、常に作品を真ん中に置き、キャストやスタッフ一人ひとりを深く信頼して現場をつくってくださいました。その空気の中で、役と誠実に向き合い、自分に何ができるのかを考え続けられた時間は、俳優としても大きな財産になりました。
この作品は、戦後の物語でありながら、今を生きる僕たちにも問いを投げかけてくれる映画です。ぜひ劇場の大きなスクリーンで、この作品が持つ熱量や息遣いを受け取っていただけたら嬉しいです。
『わたしの知らない子どもたち』は10月16日(金)より全国にて公開。



