2024年1月29日。人道支援組織「赤新月社」のボランティアスタッフたちが受けた1本の緊急電話。パレスチナ・ガザ地区から6歳の少女が助けを求めていた。少女の名前はヒンド・ラジャブ。彼女を救出したいという思いとは裏腹に、状況は刻一刻と悪化していく…。
8月19日、イスラエル国防軍(IDF)は初めてヒンド・ラジャブとその家族が乗っていた車への発砲を認め、刑事捜査を開始するという声明を発表した。これを受け、本作のカウテール・ベン・ハニア監督は8月21日付けで以下の声明を発表。以下は、監督の声明の日本語訳となる。
カウテール・ベン・ハニア監督声明
イスラエル軍がヒンド・ラジャブ氏の殺害事件について刑事捜査を開始すると発表したことを受け、多くのジャーナリストから連絡がありました。
インタビューには応じたくありませんが、これだけは言いたいと思います。
この発表は煙幕に過ぎません。
2年以上もの間、証拠は存在していました。独立した調査、衛星画像、弾道分析などです。
そして、何よりも決定的な証拠がありました。
ヒンド自身の声――彼女を取り囲むイスラエル軍の戦車について語っていたその“声”です。
これ以上、何が必要だったというのでしょうか?
これらの事実がようやく真剣に受け止められるようになるまで、本当に、容疑者側が自ら(そう、“自ら”です!)捜査を行うと決めるのを待たなければならなかったのでしょうか?
今日、イスラエル軍が言及することを選んだ事例を見てほしいです。それらはまさに、国際世論によって無視できなくなった事例に他なりません。
では、他の犠牲者たちはどうなのか? 彼らの死が国際社会の無関心の壁を打ち破ることができなかったため、その名前が永遠に知られぬままとなる人々は?
その一方で、イスラエル軍はガザでパレスチナ人を殺害し続けており、ヨルダン川西岸地区ではさらなる占領が進んでいます。
今必要なのは、広報活動ではありません。
今必要なのは、ヒンドと、ガザでのジェノサイドのすべての犠牲者に対する(独立した機関による)正義なのです。
また、ヒンド・ラジャブの母親であるウィッサム・ハマダ氏は、8月20日にInstagramにおいて声明を発表している。
『ヒンド・ラジャブの声』は9月4日(金)より新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。



