なぜ?役員候補だった女性管理職がまさかの降格…「男社会」で店員から上り詰めた彼女が直面した壁とは | NewsCafe

なぜ?役員候補だった女性管理職がまさかの降格…「男社会」で店員から上り詰めた彼女が直面した壁とは

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
なぜ?役員候補だった女性管理職がまさかの降格…「男社会」で店員から上り詰めた彼女が直面した壁とは
なぜ?役員候補だった女性管理職がまさかの降格…「男社会」で店員から上り詰めた彼女が直面した壁とは 全 1 枚 拡大写真
  

特定の相手にだけなぜか強く反発してしまう。相手の言うことが正しいとわかっていてもイラッとしてしまう――。実は、その怒りの原因は目の前の相手ではなく、過去の体験にあるかもしれません。

心理学をベースに、経営者やトップアスリートなど多くの人を支援してきたメンタルコーチ・平本あきお氏は、「ネガティブ感情にフタをすると、人生全体に悪影響を及ぼす」と指摘します。

本記事では、平本氏の著書から、 “見えない怒り”の正体と、それに気づくことで起こる変化について紹介します。

※本記事は書籍『感情は全部出し切ったほうがいい つい、自分の気持ちを我慢しすぎてしまう人のためのメンタルスキル』(平本あきお:著/日本実業出版社)から一部抜粋・編集したものです。

 

「自分でも気づいていない自分」を知る

親から得られなかった承認や満たされなかった思い、親への反発心などが、その人を前進させるエネルギーになることがあります。

「見返してやりたい」「自分のことを認めさせたい」、そんな思いを原動力にして、仕事で大きな成果を出す人も少なくありません。

けれども、一方で、どれだけ成功しても心の奥まで満たされることはありません。それどころか、親とどこか似ている人の言い方や態度に、必要以上にイラッとしたり、深く傷ついたりしてしまうことがあります。

Bさんの話です。

Bさんは、大手小売業で働く女性の管理職です。スーパーを主力とするその会社では、お客様の多くが女性であるにもかかわらず、管理職や役員はほとんどが男性。いわゆる「男社会」でした。

Bさんは一店員から店長へと昇進し、売上を大きく伸ばしています。その実績が評価されて本社に呼ばれ、ついには役員候補にまで上り詰めました。

ただ、彼女は男性の上司に対して、常に敵対的でした。

「ここ、おかしいんじゃないですか?」
「この数字は間違っていませんか?」

と、正論で次々と問い詰めます。

とくに男性の幹部に対しては、「負けてたまるか」という対抗心を隠そうともしませんでした。

また、社内で女性の地位を向上させたいという強い思いから、社内改革にも積極的に取り組んでいます。

期待している若手の女性社員に対しても、

「ここでもっとがんばらなきゃ!」
「男に負けちゃダメよ!」
「あなたなら、もっとできるはず」

と、Bさんは発破をかけ続けました。

ところがある日、給湯室にいる若手の女性たちの会話がBさんの耳に入ります。

「私、Bさんみたいになりたくないわ」
「わかる。ああはなりたくないよね」

Bさんは、その場に立ち尽くしてしまいました。

私は、あなたたちのためにやってきたのに……。女性が活躍できる会社にしようとしてきたのに……。どうして、そんなふうに言われなければならないの。

さらに追い討ちをかける出来事が起こります。若手の女性たちを励ますつもりで行っていた言動が、「パワハラ」として告発されたのです。

Bさんは本当に、女性に活躍してほしい一心でした。しかし、受け取る側からすると、「押しつけがましい」「ついていけない」という印象になってしまっていたのです。

また、男性の役員とも衝突して、真っ向からやり合ってしまいました。その結果、Bさんは降格。本流から外れた部署へ異動することになりました。

Bさんが私のもとへセッションに来られたとき、口から出てくるのは、衝突した男性の役員や会社への怒りばかりでした。

「理不尽だ。成果を出しているのに、どうして評価されないの!」

ところが、感情を出し切ると、Bさんはある事実に気づきました。怒りの根っこには、自分の父親との関係があったのです。

父親は家族に対して高圧的で、とくにBさんは虐げられてきました。幼いころから「おまえは女なんだから」という言葉で押さえつけられてきたそうです。

そのときに感じていた怒りや悔しさが、心の奥に積み重なっていました。

「なんで私は、こんなにも男性に敵対的になるんだろう……」

そう振り返ったとき、「女だからって負けたくない!」という、当時気づいていなかった思いが、男性幹部への対抗心として表に出ていたことに気づいたのです。

「成果はちゃんと出しているじゃないですか!」
「私の何が悪いんですか!」

何か指摘されるたびに、そう食ってかかる態度も、じつは幼いころに抑えこまれた感情の延長でした。Bさんは、こう話してくれました。

「これ、あの役員だけじゃなくて、店舗でもやっていました。もっと言えば、高校時代も男子に対して同じことをしていましたね」

自分の感情を出し切ったことで、人間関係のつまずきが父親への反発心からきていることに気づいたBさんは、「男に負けたくない」と考えることがなくなったと言います。

そして、もともと「人を元気にしたい」「みんなでよくなっていこう」という思いが強かったBさんは、異動先の現在の部署で、社内を活性化させようと奮闘し、その活躍は社外からも賞を贈られるほどになっているそうです。

このBさんのケースでは、父親に向けていた幼少期からの強い怒りが、彼女を前に進ませるパワーになっていました。

同時に、その怒りは年上の男性に対する敵対心や反発心というかたちで表れ、気づかないうちに人間関係をこじらせる原因にもなっていたのです。

感情を出し切らないままフタをしていると、ネガティブ感情はいつまでも心の奥に残り続けます。その感情を長く心のなかにしまい続けていると、やがてそれは人生全体に悪影響をおよぼしていきます。

だからこそ大切なのは、ネガティブ感情をきちんと出し切り、自分のポジティブな本心をもう一度ていねいに見つめ直すことです。

そうすることで私たちは、過去のとらわれから解放され、今、感じている生きづらさから少しずつ抜け出し、未来の幸せへと歩き出すことができるのです。

ここまでの記事では、成功の裏に隠れた「見えない怒り」の正体と、その気づきがもたらす変化についてご紹介しました。つづく関連記事では、ネガティブ感情から解放され、心をおだやかに整える方法について詳しくお伝えします。
つづき>>イライラが止まらないとき、「落ち着こう」とするのはNG⁉ 瞑想前に「あること」をするといいらしい…専門家がすすめる「意外な行動」とは

著者: 平本あきお
エグゼクティブ・メンタルコーチ。カウンセリング、コーチング、ZONEフローの専門家。米国アドラー大学院修士、東京大学大学院修士(臨床心理)。偏差値37から中央大学を卒業後、心理カウンセラー、心理学講師を経て、1995年の阪神・淡路大震災で両親を亡くしたことを機に渡米。小学校、州立刑務所、精神科デイケアなどにコーチングを導入する。2001年に帰国・起業。現在は上場企業経営者・役員、トップアスリート、アーティスト、インフルエンサーなどのエグゼクティブコーチを務める。オリンピック金メダリスト、メジャーリーガー、サッカー日本代表、プロ野球監督、俳優、経営者など、多くのハイパフォーマーを26年間サポート。また、ソフトバンク、本田技研工業、三菱UFJ銀行、富士通など200社以上・12万人に、リーダーシップや管理職、キャリア研修を実施。著書に『すぐやるコツすぐやめるコツで全部うまくいく!』、共著に『アドラー心理学×幸福学でつかむ! 幸せに生きる方法』などがある。


《OTONA SALONE》

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