
さんきゅう倉田です。東京大学4年です。東大に入るとこれまで自分の周りにいなかった属性や経験を持つ学生と出会うことができます。自分の知らない世界を知ると、見聞が広がって多様な価値観を受け入れられるようになって成長を実感できます。
今回は0歳から18歳までオーストラリアに住んでいた日本人の友人について。
▶成績優秀クラスはほぼアジア系?父はオーストラリア人、母は日本人。高校卒業までオーストラリアで育った
友人のAは高校卒業と同時に日本に移住した。それまで住んでいたオーストラリアの小学校や中学校のシステムは日本と大きく異なる。
小学2年生のとき、Aは学校内のクラス分けテストを受けて特別なクラスに入った。成績上位の子供が集められるクラスだったという。このクラスの生徒は、ほとんどがアジア系だった。
小学校の最終学年で、ハイスクールを受験する。オーストラリアでは中学と高校が一括りになっており、ここに6年通う。入学時は12歳だ。
受験の結果、Aは州でトップのハイスクールに入学した。ここで出会った友人たちは、その多くが医学部に進んだ。医学部以外の進路を選んだ友人は、ニューサウスウェールズ大学やシドニー大学に合格している。みな優秀だった。しかし、日本とは大学への見方が異なる。
▶中国系の塾なら成績1位で2000ドル!?日本と違って各大学に序列がない
「ニューサウスウェールズとシドニーがトップ校かな。でもあんまり序列とかないんだよね。全部一緒かな。いや、でもさっきの2つは上かな」
そんな曖昧な表現だった。少なくとも日本の学歴観とは異なるようだ。
Aの通っていたハイスクールは、アジア系の生徒ばかりだった。体感では7割が中国系、2割が韓国系。アングロ系の生徒はほとんど見かけなかったという。州のトップ校でこの偏りが生まれる背景には、大学受験を支える塾ビジネスの構造がある。
「中国系が強いのは勤勉さもあると思うんだけど、日本みたいに日本人がやってる塾がないんだよね。僕のまわりで有名な塾は、だいたい中国系の経営なんだ。これが完全にオーストラリアをハックしてる。中華系の塾は大手が2つあって、そこの生徒の成績がいい。
大学入試に使う州の統一試験があるんだけど、各科目のトップに立つ受験生は、この2つの塾のどちらかの生徒なんだ。
制度も面白くて、塾のテストで科目1位になると2,000ドルもらえる。当時は1オーストラリアドルが80円だったから……16万円ももらえる(笑)。日常的にやる小テストでも、1位なら200ドル、5位でも20ドルがもらえるんだ。紙幣が赤い封筒に入ってて、中華っぽいなと思ったよ。1回だけ200ドルをもらったことがあるんだけど、2,000ドルは無理だったな。日本の塾とは全然違うだろ?」
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