上野凱、庄司浩平らの活躍が刺激に「夢が義務にならないでほしい」俳優再挑戦で見つけた“夢を叶える秘訣”【「マッチモンド」インタビュー】
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【写真】ヤンキー役で注目の28歳俳優、作品とギャップある普段の姿
◆醍醐虎汰朗&勝木将慶W主演「マッチモンド」
斬新な設定と個性の強い高校生たちのキャラクターが魅力の堀内祥吾氏によるバトル漫画「マッチモンド」(少年画報社)が実写映画化。“ケンカ相手”とつながるマッチングアプリ「マッチトゥマッチ」が注目を集める世界。臆病でケンカは最弱ながら、仲間だけは絶対に裏切らない男・都蔵ミキオ(醍醐虎汰朗)。金もなく女にもモテないが、ケンカだけは最強の男・籠目まひろ(勝木将慶)。正反対の2人が、力と賞金、そして友情をかけた高校生たちの激闘へと巻き込まれていく。上野は不良グループ「マヨネーズ軍団」のメンバー・宇多川喜之助を演じる。
◆上野凱、役作りで意識したこと
― 「“ケンカ相手”とつながるマッチングアプリ」という異色の世界観ですが、オファーを受けた際はどのような感想を抱かれましたか?
上野:「宇多川喜之助役で決定しました」と連絡をいただいたのですが、原作漫画の中ではサブキャラクターでありながら、読んでいて好きになっていたので「えー!あのキャラクターか」と驚きました。実は最初、主演オーディションのつもりで挑んでいたんです。「主演を掴んでやる」という気持ちだったのですが、主演、メインキャストを選ぶオーディションだったようで(笑)。
主演を掴む面持ちで挑んだ結果決まったのが、張り詰めた状況でちょっとボケるようなかなり面白い役で。「そっち?」と驚きましたし、「そういう雰囲気をオーディションで出せていたかな?」とも思いつつ、好きなキャラクターだったので純粋に楽しみで嬉しかったです。漫画の中では全く空気を読めていないキャラクターで、テンション感などが周りと全然違う人間なのですが、そこが面白そうだなと思いました。
― 宇多川喜之助の役作りで特に意識したことを教えてください。
上野:僕は1998年生まれなのですが、自分たちが学生の頃は、ヤンキー自体が少しずつ減っている世代で。3つ、4つ上の世代まではいたので、見たことはあるのですが、自分の周りにちゃんといたわけではなかったので「どんな感覚なんだろう」と考えました。監督からは「漫画の宇多川喜之助ではなく、この映画の宇多川喜之助を自分で作ってほしい」「ちゃんとヤンキーをしてほしい」と言われていて。自分の中では最初、空気感を少し和らげるボケ担当のような感覚で挑んでいたのですが、そうではなく「威圧感を出して『関わりたくないな』と思わせてほしい」と言われたので、どうすればそれが出せるかを考えていました。
でも単なる嫌なやつにはならないようにしたくて。シーンごとに見ると、立場の弱い人間をいじめているようにも見えるのですが、そうする理由がどこかにあるはずで、ヤンキーにとってそれは何だろうと考えたとき、やはり「敵と味方をはっきり区別している」というところだと思いました。役作りとしては、そこを明確にするようにしていました。
― ご自身と宇多川に共通点はありましたか?
上野:違うところのほうが多いかもしれません。僕は生きていく中で、なるべく敵を作りたくない人間なのですが、そこがものすごくはっきりしているのが宇多川なんです。でも居心地が良くて安心できる場所での居方は近かったかもしれません。
◆上野凱、印象に残っているシーン
― 「ベイビーわるきゅーれ」などで知られる阪元裕吾さんの脚本ですが、上野さんから見て阪元さん特有のセリフのテンポ感や魅力をどのように捉えて演じられましたか?
上野:すごく印象に残っているシーンがあって、「俺は弱い奴を選ぶやつが大嫌いなんだよ」と言いながら、弱い奴を蹴っているんです(笑)。めちゃくちゃなことをしていますが、そのセリフが宇多川という役を作る上での“芯”になると思っていました。自分がしていることはまさにそれなのですが、その中で筋を通している。めちゃくちゃなんだけど、めちゃくちゃじゃない。彼らにとっては芯が通っているやり方なんです。そういう部分を、そのセリフから作っていきました。
― 「クローズZERO」「土竜の唄」の三池崇史監督が認めた新鋭・倉橋龍介監督の演出で、特に印象的だった指示やアドバイスはありますか?
上野:宇多川には相方がいて、マヨネーズ軍団の中では下っ端の2人組として基本的に一緒に行動しているんです。その中で「ここは凄んでほしい」「でもここは和らげてほしい」という緩急の演出がはっきりしていました。監督から求められていることがすごく明確だったので、わかりやすくて演じやすかったです。
◆上野凱、お金がなくて電車に乗れなかった
― 主人公の籠目まひろは所持金が23円という設定ですが、上野さんご自身が「あのときは極限状態だったな」と感じたピンチの経験はありますか?
上野:京都で「君とゆきて咲く~新選組青春録~」(テレビ朝日系/2024年)の撮影をしていたとき、皆、宿泊ホテルから撮影所まで電車で通っていたのですが、そのときに僕はお金がなくなってしまって。盗られたなどではなく、普通に所持金が尽きてしまったんです。電車に乗れなかったら、事務所に言うなど方法はあったはずなのですが、僕は「まあ、歩けばいっか」と思って、電車で15分の距離を1時間半ほど歩いて撮影所まで行って、また歩いて帰りました(笑)。しかも主演の奥智哉くんが、純粋な顔で「じゃあ僕も一緒に歩きます」と言ってくれて、2人で1時間半歩いて帰って、仲良くなりました(笑)。その1日で「これじゃない方法のほうがいいな」と気づいたので、歩いたのは1日だけです(笑)。あのときは本当にギリギリでしたし、皆の中で“ギリギリ男”というイメージが定着していました(笑)。
― 醍醐さん演じる都蔵ミキオは仲間を絶対に裏切らないキャラクターですが、上野さんご自身が「これだけは絶対に譲れない」という信念はありますか?
上野:仕事にもプライベートにも通じることなのですが、自分がされて嫌なことは人にしないようにしています。よくある考え方だと思いますが、僕の場合はそこがものすごく細かいかもしれません。「いや、そこは別にいいでしょ」と言われそうなところまで、たぶん気にしてしまっています。
学生の頃は無自覚のうちに人の気持ちを傷つけてしまっていたこともあると思っていて。でも僕は五島列島という小さな島の出身で、小さい頃からずっと一緒だったからこそ友達に許してもらえていた部分や、見逃してもらえていた部分がきっとあって、自分はそれに甘えていたんだろうなと。上京して、新しいコミュニティを作らなければいけなくなったことをきっかけに、自分の言葉や態度を見つめ直しました。上京後も性格のベースは変わっていないと思うのですが、考え方や物事の捉え方は変化したかな。
◆上野凱のターニングポイント
― 様々な作品にご出演されていますが、ターニングポイントになった作品は?
上野:「君とゆきて咲く~新選組青春録~」です。テレビ番組でオーディション(「真剣」オーディション)の様子を放送し、最終的に合格者が発表されてそのままドラマに出演するという企画だったのですが、そこが大きくほかの作品と違うところでした。普段はオーディションを受けて合否が届いて、同じ会場にいた人の結果はわからないまま終わる。でも「真剣」オーディションでは皆と生活を共にしていました。何かに受かるということは、その裏で落ちている人がいて、悲しんでいる人がいる。帰らなければならない人の姿を目の前で見て、その人たちの気持ちを間近で感じたんです。この作品に熱を持って本気で挑んでいる人たちがたくさんいて、その中で自分は出演が決まった。だからこそ、そのことを自覚しなければいけないと考えられた作品でした。
― その経験は、今作をはじめ他の作品にどのように活きていますか?
上野:「君とゆきて咲く~新選組青春録~」は敵と味方がはっきりしていたイメージがあって。命の危険と背中合わせだからこそ、そこをはっきりさせないと味方にも迷惑がかかる。「マッチモンド」のヤンキーたちにもそういう部分があるのではないかと思いました。敵をちゃんと敵として見ないと、仲間が危ない目に遭ったり、舐められたりする。武士ほどではないにしても、ケンカだって当たりどころが悪ければ死と隣り合わせで、それがある以上、白黒はっきりつけておかないと自分も味方も守れない。そういう近いところがあったかもしれないです。
◆上野凱、オーディションを共に戦った庄司浩平との関係
― 同じく「真剣」オーディションに参加していた俳優陣から刺激を受けることはありますか?
上野:皆それぞれ頑張っていて、あのオーディションがきっかけなのかはわからないけど、当時から絶対に何かしら進化しているなと感じます。それぞれがあの場所で何かを感じて、それを分解して、解釈して、次に進んでいる。羽谷勝太くんとはよく会いますし、(庄司)浩平からはたまにInstagramでポンと連絡が来ます(笑)。浩平はずっとベースは変わらず、当時の撮影のときに取っていたコミュニケーションの延長線上にいる感じで関わってくれて嬉しいです。「髪切ったの?いいね」くらいの感じで連絡をくれて、何気ない会話をしています(笑)。
― オーディションで生活を共にした仲間はどのような存在ですか?
上野:当時からライバルという感覚は持たないようにしていました。僕はそれがお芝居に反映されてしまうと思ったので、敵という認識で演じたくなかったんです。蹴落としてやるという感覚はなく、とにかく皆で一生懸命頑張って、その結果をしっかり受け入れて前に進むという気持ちでした。あえて言うなら切磋琢磨し合える仲間です。
◆上野凱の「悲しみを乗り越えた方法」
― モデルプレス読者の中には今、壁にぶつかっている方もいます。そういった方に向けて、上野さんの「悲しみを乗り越えた方法」を教えてください。
上野:これはあくまで僕の場合ですが、嫌なことや辛いことがあったときに、その感情を与えてくれた人に感謝できるようになったら、ものすごく楽になります。「この感情を与えてくれてありがとうございます。この感情を乗り越えるために、何か新しいことをして人間としてさらに成長します」と、全部自分が成長する材料として使ってしまおうというのが僕の持論です。すごくポジティブな考えかもしれないですが…(笑)。恋愛でも友情でも仕事でも、ケンカをしたときでも使える考え方だと思いますし、それを本当に心から思えるようになったら、どんな事柄にも対応できる、最強の人間になれると思っています。
◆上野凱の「夢を叶える秘訣」
― 夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて、一度俳優という夢を諦めて、再度挑戦した上野さんの「夢を叶える秘訣」を教えてください。
上野:「自分はなぜその夢を叶えたいんだろう」というところを考え直して、初心に戻ることです。夢を叶えることにフォーカスするのではなく、「なぜその夢を叶えたいと思ったのか」というもう少し手前の話を振り返って向き合う。そうすると、本来叶えたかった夢とは違う形で、それを叶えられる可能性が出てくるのではないかと思っています。
例えば「人に笑ってほしいから、これになりたい」という場合、笑ってもらえる方法はたくさんあって。だから夢が義務にならないでほしいなと思います。「これにならなければ自分はだめなんだ」ではなく、それを目指そうと思った当時の気持ちを大事にしてほしい。それで「じゃあ、もう夢叶っているわ」と気づくくらいでいいと思うんです。
― 俳優に再挑戦したのも、夢について考え直したことがきっかけだったのでしょうか?
上野:そうですね。理由はなんであれ、夢に対して振り返ってみる。「この夢って、なんで叶えたいんだっけ?」「前はこうだったけど、今はこうだな」と。叶えなければならないものではなく、「もう叶っているかもしれないよ」「気づいたら叶っていた」という感じです。
― ありがとうございました!
(modelpress編集部)
◆上野凱(うえの・がい)プロフィール
1998年8月26日生まれ、長崎県五島列島出身。「第25回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリを受賞し、2020年から俳優として改めて活動をスタートさせた。主な出演作はドラマ「正義の天秤」(NHK/2021年)、「クールドジ男子」(テレビ東京系/2023年)、「君とゆきて咲く~新選組青春録~」、「大追跡」(テレビ朝日系/2026年)、映画「あの娘は知らない」(2023年)、「先生!口裂け女です!」(2023年)など。
【Not Sponsored 記事】
《モデルプレス》


