
安くて使いやすい野菜としておなじみの豆苗。実はその小さな見た目からは想像できないほど、多彩な栄養素を含む“実力派野菜”であることをご存じでしょうか。
豆苗は緑黄色野菜として豊富なβ-カロテンやビタミン類を含むだけでなく、野菜としてはたんぱく質も豊富。さらに葉酸やビタミンKなど、女性や高齢者にうれしい栄養素も効率よく摂取できるといいます。
本記事では、村上農園豆苗研究会編の書籍から、豆苗の栄養価や健康メリットについて紹介。あわせて、日頃から豆苗を愛食する消化器内科医の工藤あき氏による解説をもとに、豆苗の魅力に迫ります。
※本記事は書籍『トップメーカーだから知っている 永久保存版 豆苗 完全攻略本』(村上農園豆苗研究会編/アスコム刊)から一部を抜粋・編集したものです
豆苗の栄養はこんなにすごい!
豆苗は豆でありながら緑黄色野菜でもあるという不思議な野菜。どちらの栄養素も豊富な優等生です。
えんどう豆から伸びる豆苗は、β-カロテン豊富な緑黄色野菜
豆苗はマメ科のえんどう豆の新芽ですが、厚生労働省による分類では、緑黄色野菜となります。
これは緑黄色野菜が「可食部100g中のβ-カロテン量が600μg(マイクログラム)以上」という定義に対し、豆苗の含有量は「3100μg」もあるからです。
下のグラフでもわかりますが、この数値は、小松菜とほぼ同じ量です。
豆苗と小松菜は「β -カロテン」と「ビタミンC」はほぼ同量ですが、「ビタミンB1」「ビタミンB2」「ビタミンB6」は小松菜よりも2割以上も多く含んでいます。
また「タンパク質」は、約2.5倍と群を抜いています。つまり豆苗は、栄養面で緑黄色野菜と豆の「いいとこどり」をした野菜というわけです。
豆苗と小松菜の栄養成分比較
※豆苗と小松菜の栄養価は「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より
※β-カロテンは、「β-カロテン当量」を記載
女性にうれしいビタミン類が、しっかり補えます
豆苗にはいろいろな栄養素が、バランスよく含まれています。中でもビタミンKと葉酸、ビタミンC、ビタミンAは、突出して多いことが、下のグラフでわかります。
豆苗50gを食べた場合(村上農園の豆苗なら約1/2パック)、うれしいことに大人の女性が1食でとるべきビタミンKの2倍以上を摂取できます。
ビタミンKは骨の形成を助けるため、骨がもろくなりがちな更年期の女性には大事な栄養素です。
さらに葉酸やビタミンA、ビタミンCも、同様の量から、7割以上もとることができます。葉酸は赤血球の形成を促すので、妊娠中や授乳中はとくにとる必要があります。
ビタミンAやビタミンCは、老化の原因とされる活性酸素を除く働きがあり、ビタミンEとともに「美肌や若返りのビタミン」とも呼ばれます。
豆苗50gで摂取できる栄養素
※1食分の摂取基準は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の30代以上・女性の1日の推定平均必要量(もしくは目安量)の1/3
※豆苗の栄養価は「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より
豆苗好きドクター・工藤あき先生に聞きました
「おいしさは最高のクスリ!豆苗は世代を問わずおすすめです」

日頃から豆苗を愛食されている消化器内科医の工藤あき先生。豆苗に期待できるカラダへの働きや魅力をお聞きしました。
子どもも高齢者も必要なタンパク質がしっかりとれます
豆苗は味にクセがないので、野菜が苦手な子どもたちも食べてくれます。スープや卵焼きに加えて、いただくことが多いですね。
また成長期の子どもには、できるだけタンパク質をとらせたい。その点で豆苗は植物性タンパク質を含んでいますし、野菜のビタミンも同時にとることができます。
補いたい栄養素は大人も子どもも同じですから、私も同じものをいただきます。
タンパク質は血液の成分やホルモン、肌や髪の生成など、カラダのもとにもなる栄養素です。筋肉の萎縮を防ぐ働きもあるので、とくに女性や高齢の方は豆苗を多く摂取するといいでしょう。
葉酸やビタミンKなど、不足しがちな栄養をおいしくサポート
他にも豆苗にはビタミン類が豊富。美肌のビタミンといわれるビタミンA、C、Eなど女性にうれしい栄養素がいっぱいです。
なかでもビタミンB群の多さは、他の野菜と比べて際立っています。ビタミンB群は摂取した食べものを体内で代謝させ、エネルギーや活力源となる働きをもちます。
疲れ気味なときや甘いものを多く食べたときは、ビタミンB群が不足してしまうので、意識してとるようにしましょう。
豆苗に含まれるビタミンB群で、とくに多いのは葉酸。赤ちゃんの成長にも使われる栄養素で、妊娠中は過不足なくとらないといけません。
また葉酸は赤血球を形成するために不可欠で、不足すると貧血の原因に。貧血は鉄分だけでなく、葉酸やタンパク質もきちんと摂取していないと起こるので、補うためには豆苗がぴったりです。
そしてビタミンKは、止血作用とともに骨を丈夫にする働きがあるので、骨粗しょう症や加齢による骨の萎縮を予防します。
顔も加齢とともに骨が小さくなると、そこを要因に肌のたるみやしわなどが出てきます。ビタミンKは、それを防ぐ働きが期待できます。
このように、カラダを支える栄養素がたっぷりの豆苗。ただカラダにいいから摂取するというのではなく、おいしく食べることも大事です。
おいしいと思うと心身がリラックスしたときに分泌する副交感神経が優位になり、腸の血流が増えて消化吸収が高まるというメリットがあります。
つまり栄養価の高い豆苗を食べることは、心身のためには何よりのおクスリといえますね。
■工藤あき(Kudo Aki)
内科・消化器内科医、美腸・美肌評論家。日本消化器病学会・日本消化器内視鏡学会・日本内科学会認定医。一般内科医として医療に従事する一方、腸内細菌・腸内フローラに精通し、腸活×菌活を活かしたダイエット・美肌・エイジングケア治療にも力を注ぎ、その美肌から「むき卵肌 ドクター」の愛称で人気。2児の母。テレビ、雑誌などメディア出演多数。著書には『老けない人が食べているもの』(アスコム)などがある。
ここまでの記事では、豆苗のすごすぎる栄養価について紹介しました。つづく関連記事では、新鮮な豆苗の見分け方と保存方法についてお届けします。
つづき>>その豆苗、本当に新鮮? プロが教える「おいしい豆苗」の見分け方と長持ちさせる保存術
■村上農園(むらかみのうえん)
1978年に設立。豆苗やなどの発芽野菜の生産・販売を行う。1995年に豆苗を発売して、日本に普及させたパイオニア。豆苗研究会は、豆苗がいつも冷蔵庫にある常備野菜になることを目指してその魅力をとことん追求し、広める活動をしています。





