本作は、『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ系)の「結婚式の旅」で密着された様子が「涙が止まらない実話」として日本中の共感を呼んだ遠藤和さんが綴ったベストセラー手記「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」(小学館刊)の映画化作品。
2018年、青森。当時21歳の遠藤和さんに宣告されたのは「ステージの大腸がん」。それでも彼女が手放さなかったのは、夫・将一さん、そして生まれてくる子供への愛だった。抗がん剤治療を中断してまで子供を産むという選択をした遠藤夫妻の姿を描く。主演に川口春奈、共演に高杉真宙を迎え、監督には山戸結希が務める。
この度、全国公開を翌日に控えた10月1日(木)に、ユナイテッド・シネマ豊洲にて「公開前夜舞台挨拶」が開催された。満員の観客が見守る中、川口春奈、高杉真宙、松本穂香、中島瑠菜、デビット伊東、小林聡美、山戸結希監督が登壇した。
21歳でステージの大腸がんを患いながらも懸命に生き抜いた主人公・遠藤和役を演じた川口は、「いよいよ明日公開を迎えます。今日、この日を無事に迎えることができて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と挨拶した。
和を献身的に支える夫・将一役の高杉は「お越しいただきありがとうございます。本日も色々なお話をできたらいいなと思います」、闘病中の姉を常に気遣い続ける次女・遥役の松本は「短い時間ですが、最後まで楽しんでいってもらえたらなと思います」、姉二人を慕いあどけなさが残る末っ子・結花役の中島は「本日はよろしくお願いします」、家族の大黒柱としてみんなを支える父・慎吾役の伊東は「大黒柱というか…皆さんに支えられた物語になっておりますが、今日皆さんに出会えたことを心から感謝しています」、娘の本音を誰よりも理解し幸せを願う母・美智子役の小林は「明日公開ですけれども、1日早く皆さんに観ていただけるということで、大変嬉しく思っています」、山戸監督は「映画が飛び立つ前の最後の夜を幸せにと思っています」とそれぞれ語った。撮影から約1年を経て公開を迎える心境について川口は、「素直にただただ嬉しくありがたい気持ちでいっぱいです。『もう1年経ったのか、まだ1年しか経っていないのか』と言葉にするのが難しい感覚です」と感無量の様子を見せた。さらに「彼女の生き様や強さをどうやったら届けられるんだろうと模索する時間でした。誰かの希望や光にきっとなると思うので、ぜひ受け取ってほしいです」と呼びかけた。
高杉は「今回の作品は生半可な覚悟では成し得なかったことだと感じています。それは川口さんご自身からも強く伝わってきました。そんな川口さんが演じる和さんだからこそ、僕らキャストやスタッフも素敵な作品を作り上げようと前に進むことができました。本当に川口さんあってこそだと思っています」とコメント。
松本は、演じるにあたり事前に和さんの手記を読んだ際、「ずっとお姉ちゃんを中心に生きていらっしゃったんだなと感じました。なので、葛藤も含めてとにかく"お姉ちゃん第一"の気持ちで向き合うことを大切に撮影に臨んでいました」と役作りで大事にしていた姿勢を明かした。
さらに、撮影現場での"櫛引家"の絆や印象的なエピソードも語られた。団地でのロケーションや三姉妹の撮影風景が振り返られ、川口が「すごく味のある団地で、本当に仲良く暮らしてきたんだなと一瞬で感じられるロケーションでした」と話すと、松本も「本当に毎朝こんなやり取りをしているんだろうなと感じられるシーンで、違和感なく入れたのが幸せでした。めちゃくちゃ暑かったですけど(笑)」と笑顔で振り返った。末っ子役の中島が「大好きなお二人(川口・松本)と一緒に撮影した、団地の前や洗面所でのシーンが本当に宝物で。『本当にありがとうございます』という気持ちでした」と感極まり涙ぐむと、すかさず伊東がポケットからハンカチを差し出すなど、劇中さながらの温かな空気感で会場を包み込んだ。
伊東は「台本には描かれていない温かい空間がこの現場にあって。特に三姉妹とママ、まあ高杉さんは置いておいて(笑)、この空間がいつまでも続けばいいなという思いで現場にいました」「この家族と会えたことで、どうにか皆さんの前に立つことができた。心から感謝を伝えたいです」と目頭を熱くさせた。小林は「表面的なものではなく、黙していても落ち着いた深い絆で結ばれている家族だなと資料を拝見して思っていて。皆さん同じ気持ちで集まっていたので、自然とそれぞれの役割が構成できていました」と語った。
映画化にあたり最もこだわった点や演出のポイントについて質問された山戸監督は、「それぞれの命が輝いているような作品を目指していました。偶然を必然に変えていけるように、最後の必然は観客のお一人お一人が映画を見つけてくださるということです。たった一人の和さんからのバトンが、たった一人のあなたへと贈られることを祈っています」と熱い言葉を紡いだ。イベント終盤では、脚本監修も務めた和さんの夫・遠藤将一さんからのサプライズ手紙がMCより代読された。手紙の中では「川口春奈さん。松本さん、中島さんの3人の空気感はびっくりするほど櫛引姉妹でした」「病院のシーンだけはかっこいい高杉さんに目を奪われず、あのときの僕らが見えました。」「がんと判ってからの3年間も僕らは精一杯生きました。後悔はしていません。」「大切な人との時間、一日一日は、いつまでも当たり前が約束されているものじゃありません。だからこそ、自分の気持ちに正直に過ごしてもらえたら。」と切実な想いが綴られていた。
将一さんからの手紙を受け取った川口は、「将一さんやご家族の皆さんが5年以上にわたって歩んでこられた中には本当にたくさんの出来事や想いがあったはずで、それを私たちに託してくださったことに心から感謝しています。とにかく一人でも多くの方に届いてほしいという気持ちでいっぱいです」と万感を込めて語った。
高杉も「僕らは演じるお仕事なので(将一さんの当時の心情を)想像するしかなかったですが、その想像の中で僕らが必死に生きた想いが、将一さんたちと心の中で通じ合っていたのかなと思うと、演じた意味があったと感じます」と、作品や役柄と真摯に向き合い続けた日々を噛み締めるように思いを明かした。
全国の公開を待つファンへ向けて、高杉は「年齢を重ねていくにつれて、どんなことにも出会いと別れがあるんだなと強く感じる瞬間があります。そうした世界だからこそ、すごく尊くて幸せな瞬間があり、同時に力強く生きていくためにさまざまな想いが必要なんだと感じています。本当に観ていただいた方に『あなたがこの世界にいることは、すごく素晴らしいことなんだ』というメッセージを届けたいですし、一人でも多くの方へ届くことを願っています」と語りかけた。川口は「この作品に出会えたこと、山戸監督に出会えたこと、そして(夫の)将一さんやご家族、和さんに出会えてこの作品に携われたこと、そのすべてが奇跡のようだと思っていますし、心から感謝しています」と感無量の面持ちで挨拶。「より多くの方、一人でも多くの方に和さんの人生や覚悟を劇場で見届けて届いてほしいですし、それはきっと観てくださる誰かの希望になると信じています。この映画を通して大切な方のことを思い、自分自身と対話して向き合っていただけるような、そんな作品になっていれば嬉しく思います」と力を込めて呼びかけ、会場全体から盛大な拍手と温かな感動に包まれる中、舞台挨拶は幕を閉じた。
『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』は全国にて公開中。



