CCSに関する国内減退油ガス田を対象としたCO2貯留可能量評価の論文が、石油技術協会「奨励賞」を受賞

JOGMECが実施し、石油技術協会誌第87巻第3号に掲載された論文「国内減退油ガス田のCO2貯留可能量評価とその開発の可能性について」が第67回石油技術協会賞(奨励賞)を受賞しました。



石油技術協会賞選考委員会が、同協会誌第86巻第1号から第87巻第6号までに掲載された論文、報告、総説、講演等および近年の石油・天然ガス鉱業界での業績について、会員からの推薦をもとに審議した結果、JOGMECが実施した日本国内の減退油ガス田におけるCO2貯留可能量の評価結果をとりまとめた論文が第67回石油技術協会賞(奨励賞)に決定し、2023年6月6日に開催された石油技術協会第88回定時総会にて表彰式が開催されました。受賞論文の概要は以下の通りです。

■ 論文名
国内減退油ガス田のCO2貯留可能量評価とその開発の可能性について

■ 著者
赤井崇嗣・岡部博・末廣能史(JOGMEC)
授賞対象者:赤井崇嗣

(注)奨励賞 石油・天然ガス鉱業に関する優れた論文等のうち、筆頭著者が満40歳以下(原稿受理日時点)であるものを協会誌に発表した、今後の発展が期待される満40歳以下の著者全員に贈呈する。

■ 受賞概要
国内に存在する減退油ガス田を活用したCO2地中貯留が、国内のCO2地中貯留の社会実装の一つとして想定されます。本論文では、国内の各油ガス田に対して、過去の油ガス等の流体生産実績に基づき、物質収支法によりCO2貯留可能量評価を行いました。また、その貯留可能量の大半が集積する新潟県の2地域において、複数のCO2排出源と複数の貯留地とを共有の輸送網で結ぶ、CCSハブ&クラスター構想について論じています。


本論文では、これまで国内におけるCO2貯留可能量評価において多く用いられてきた容積法による評価と本論文で用いた物質収支法による評価を比較し、その違いと不確実性について詳細かつ論理的に説明を与え、石油天然ガス開発業界の内外に有益な提示を行っている点が主な受賞理由となっています。昨今のエネルギー安定供給とカーボンニュートラル達成の両立を目指す社会情勢の中、石油天然ガス開発業界も他分野との連携がより一層求められています。本論文は、そのような地下開発技術を専門としない他分野の読者にも国内の減退油ガス田のCO2貯留可能量とその不確実性がわかる内容となっています。

■ 参考
本論文の詳細については、石油技術協会ホームページからご参照ください。
また、関連した著作は「令和3年度 石油天然ガス開発技術本部 年報 P.34~P.36」にも掲載しております。

石油天然ガス開発技術本部 年報
https://www.jogmec.go.jp/publish/publish_10_000004.html

リリース本文はこちら↓
https://www.jogmec.go.jp/news/release/news_01_00033.html?mid=pr230609_04

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