栗田工業株式会社がispaceの「HAKUTO-R」プログラムコーポレートパートナーに新規参画


株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、本日、栗田工業株式会社(本社:東京都中野区、社長:江尻裕彦、以下「栗田工業」)が「HAKUTO-R」プログラムのコーポレートパートナーとして新たに参画することを発表いたします。

 2023年に同プログラムのサポーティングカンパニーとして参画いただき、このたびのコーポレートパートナーへの昇格を通じて、より強固なパートナーシップを築き、将来的なミッションにおいて月着陸船(ランダー)に宇宙環境下での水処理システムの搭載を目指し協業してまいります。

 ispaceは、"Expand Our Planet, Expand Our Future"というビジョンのもと、地球と月の間の空間(シスルナ)に経済圏を構築する取り組みを推進しています。シスルナ経済圏とは、地球と月の間に実現を目指す経済基盤であり、持続可能な社会の実現を支えるための新たな市場や技術、インフラを含む広範な概念です。この経済圏において、宇宙ステーションや月面基地の建設、人類の長期滞在、さらには資源採掘や製造活動が行われる中で、水資源の管理と再利用は極めて重要です。

 栗田工業は、長年培ってきた水処理技術を活かして製造した超純水を、ミッション2に搭載される高砂熱学工業株式会社が開発する月面用水電解装置に提供しています。月面でのさまざまな活動において水は不可欠であり、現地資源から水を採取し、浄化・精製する技術が求められます。この技術の実現は、地球からの水の輸送コストの大幅な削減を可能にし、経済圏の構築に貢献するものです。

 ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めています。最速2025年1月に日本法人が主導するミッション2、続いて2026年には米国法人が主導するミッション3を順次実行していく計画です。また、2027年には、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション6を予定しています。



株式会社ispace 代表取締役CEO 袴田武史の コメント
「今回、栗田工業様にコーポレートパートナーにご参画いただけることを心より嬉しく思います。これまでのサポートに感謝申し上げるとともに、栗田工業様が培ってきた水処理技術により、月資源の効率的な循環の第一歩となり、経済的・持続可能な宇宙活動が実現することと期待しています。」

栗田工業株式会社 代表執行役社長 江尻裕彦の コメント
「これまで宇宙航空研究開発機構(JAXA)様とともに、国際宇宙ステーション(ISS)における水再生システムの開発に取り組み、非宇宙関連の民間企業として、日本で初めて軌道上実証を成し遂げることができました。この経験と知見を活かし、将来的な月面経済圏を見据えた水処理システムの開発をさらに加速するため、「HAKUTO-R」プログラムのコーポレートパートナーへの参画を決めました。当社は水に関する新たな技術革新に取り組み、宇宙産業における水のリーディングカンパニーを目指します。」                     

株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2の打ち上げは最速2025年1月[i]に、ミッション3は2026年[ii]、ミッション6は2027年に[iii]打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。

HAKUTO-R ( https://ispace-inc.com/jpn/m1 )について
HAKUTO-Rは、ispaceが行うミッション1およびミッション2を総称する、民間月面探査プログラム。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う。SpaceXのFalcon 9を使用し、2022年にミッション1(月面着陸ミッション)のランダーの打ち上げを完了。最速2025年1月ivにミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げを行う予定。
HAKUTO-Rはオフィシャルパートナーとして株式会社三井住友銀行、コーポレートパートナーとして、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、高砂熱学工業株式会社、SMBC日興証券株式会社、Sky株式会社、Epiroc AB、株式会社ジンズ、栗田工業株式会社が参加している。



[i] 2024年11月時点の想定
[ii] 2024年11月時点の想定
[iii] 2024年11月時点の想定
[iv] 2024年11月時点の想定

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