TOPPAN、自治体BPO事業のDXを進化させる審査支援システムを開発

自治体の補助金給付業務などで重複申請チェックをデジタル化し、正確性と業務効率を向上

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:齊藤 昌典、以下 TOPPAN)は、給付金申請などの自治体向けBPO事業において、紙とオンラインの重複申請におけるチェックを可能にする審査支援システム(以下、本システム)を開発しました。


 本システムは、自治体における給付金事業などの受付業務で、紙とオンラインによる申請方法が併存する場合に起こり得る二重給付を防止するシステムです。自治体が保有する基幹システムと連携し、住民個人の識別キーを案件ごとに発行することなどにより、重複申請の判断や重複時のアラート表示のほか、申請方法に合わせた審査結果の通知までを行う仕組みとなっています。国や地方自治体が実施する給付金などの事業では、DXの推進によりオンライン申請への対応が求められる一方、デジタルデバイドへの対応として現在も紙による申請が併存しています。TOPPANは本システムを活用にすることにより、自治体から受託する各種申請関連事業における審査業務の正確性と業務効率を向上します。
 なお、本システムは、TOPPANホールディングスが関連特許を取得しています(特許第7315082号、7439984号)。
開発の背景
 令和2年に総務省により策定された「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」に沿って、各自治体は行政サービスのデジタル化やデータ利活用などDX推進に取り組んでいます。国や地方自治体が実施する給付金などの事業においても、オンライン申請への移行が推進されていますが一方で、デジタルデバイドへの対応として紙による申請も併存しています。紙とオンラインによる申請方法が併存することから、重複申請が行われてしまう可能性が懸念され、二重給付の防止を図る観点から、重複承認を防止する仕組みが必要とされています。現在、自治体で行われている重複チェックの手法は、振り込み口座情報による重複チェックや、氏名カナと生年月日による重複チェックなど一部の項目でのチェックにとどまっているため、完全に重複を確認することが難しく品質面の課題がありました。また、オンラインで申請しているにも関わらず、データを一度紙出力し、紙の申請書と突合して重複チェックを行っているケースもあり、担当者の業務負荷も課題となっていました。
 これらの課題を受け、TOPPANはこの度、補助金給付業務などの自治体向けBPO事業において活用する、審査支援システムを開発しました。紙とオンラインの重複申請をチェックできる仕組みをシステム化することでTOPPANが受託する審査業務における負荷軽減と精度向上を実現し、二重給付の防止に貢献します。

審査支援システムの特長
・申請者情報のマッチングを行い、紙とオンラインの重複給付を防止
 自治体が保有する基幹システムと連携し、住民個人の識別キーを案件ごとなどに発行します。受付時に識別キーと申請情報の確認を行いシステム上にその結果を記録するため、紙申請・オンライン申請が別々のタイミングで申請された場合も、本システム内で識別キーと紐づく受付状況を照合することが可能です。これにより、容易に重複チェックが可能となり、二重給付を防止します。

・紙とオンライン、それぞれの申請方法に合わせて審査結果や不備内容を申請者へ通知
 申請方法によって審査結果や不備内容に関する通知方法を設定することが可能です。紙で申請が行われた場合は書面の郵送による通知、オンラインで申請が行われた場合はメールやSMSの電子通知など、申請者が希望した方法に合わせて結果の通知方法を変えることができます。

・システム審査により標準化された品質体制の確立が可能
 本システムは、申請方法が異なっても同一のデジタルワークフローで確認する様に設計されています。紙出力による申請内容の突合など人手による作業は確認精度にバラつきが発生してしまうなどの課題がありますが、本システムの活用により、標準化された品質で審査が可能となります。

■ 今後の目標
 TOPPANは、自治体向けBPO事業において審査支援システムを活用し、自治体における行政サービスのDXを推進していきます。また、今後は本システムを自治体のみならず、民間企業におけるキャンペーン事務局業務などへも展開していきます。
 TOPPANグループは、審査支援システムを含めた申請受付から審査、文書通知までをデジタルとアナログで対応する自治体向けBPO関連事業で2025年度までに約200億円の売上を目指します。


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