事業仕分けレポート(1) 一度廃止になった事業が再び登場
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この日の午後は、ワーキンググループAで労働保険特別会計の仕分け評価が行われた。議論のとりまとめ役は、枝野幸男民主幹事長代理だ。
13時から、厚労省が担当する「キャリアマトリックス」などの職業情報総合データベースの運営事業について議論。「キャリアマトリックス」は第2回の事業仕分けで廃止が決定されたが、その後一部の機能が廃止されて生き残り、今回の特会仕分けで再び対象になった。見直し計画では3年後に廃止される予定で、平成23年度概算要求では維持費として2900万円(1600万円に修正)の予算が要求されている。
仕分け人側からは、職業診断システムの不完全さのほか、「力士」という職業を例にとり「そもそも、就職活動中の学生が力士の情報を検索するか?」や「野球選手には学歴は必要ない」と掲載されているところを例にとり「掲載されている情報の内容が客観的でなく、本当に役に立つのか」「学生や進路指導職員が知りたい職業について検索サイトを経ずに、最初から自分で調べていくことが勉強になるのでは」「維持するだけなら、予算は要求しないのでは」などの厳しい指摘が飛んだ。
一方で担当者側からは、「広告が掲載されている民間のサイトは教育現場では使用できない、今後3年間で教育現場で使用できる民間サイトをどのように作るかを議論すべき」「学生はいろんな職業を見て自分の就職先を判断する」「全体の大学の半数が利用している」などと意見を述べた。
また、仕分け人側の「客観的でない(不完全な)情報は公開しない責任があるのではないか?」との問いには、担当者側は「500以上の職業が載っていて学校で利用できるようなサイトが民間にない以上は、継続して3年間は情報を公開する責任がある」と反論。教育現場ではぜひ残して欲しいとの要望も多いことも述べた。
制作するのに4億4000万円の費用がかかったとされる「キャリアマトリックス」、評決は10人全員が事業の廃止で一致。「一度廃止されたものが、国の事業として復活するのはおかしい。このシステムが本当に役に立っているのかが疑問」と仕分けから"ゾンビのように"生き残った(仕分け人)事業に対してまとめの意見が述べられた。
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