[第4回] "自殺者3万人"時代(後半) 自殺率ワースト1位だった県は?
社会
ニュース
そのためか、翌月の自殺者数は減少します。
4月は3003人から2577人と426人減少、10月は2811人から2431人へ380人減少しました。
キャンペーンの「効果」との見方がある一方、6月まで前年よりも自殺者数が減少してきたが7月になって上昇。2783人から2865人へ82人だが上昇しています。11月にも2522人から2774人へ252人増えています。キャンペーンが終わった反動でしょうか?
また、キャンペーンで本当に自殺者減少に貢献したのか?ということを疑ってみると、興味深いニュースを見つけることができます。
厚生労働省が1日付けで発表した人口動態統計年間推計で、日本人の人口が12万3000人減少しました。
統計を開始して以来、初めて10万人を超えて減少しました。
特に7、8月が多かったということで、記録的な猛暑が原因ではないか、とも言われています。
自殺する以前に、猛暑に耐えられなかったのではないか?とも言えなくもありません。
自殺対策の効果といっても、地域によっても違うようです。
大幅な減少だったのは三重県の359人(117人減)や青森県の449人(94人減)、秋田県の368人(70人減)などでした。
一方で、増加したは香川県の240人(21人増)や石川県の278人(18人増)、静岡県が951人(17人増)、鳥取県が178人(12人増)でした。
なかでも秋田県では、自殺率ワースト一位が長く続いていました。
そのため、県としては2000年から独自の自殺対策を取り組んで来た。
その結果、13年ぶりに400人を下回ったのです。
現場である市町村の特色を活かした取り組みの成果が数字となって現れたと言えるでしょう。
こうした数値を見ると、日本はまだまだ「生きづらい社会」であることを実感します。
これまで自殺問題を取材し続けた私は、自殺願望がありながら、心不全で亡くなり、自殺にカウントされない人も見て来ています。
そのため、自殺者数の増減は一つの指標に過ぎず、一喜一憂するものではない、と思っています。(終わり)
《NewsCafeコラム》