[第6回] セカンドチャンス(前半)少年が「何もかもおしまいにしたい」時
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少年院を出院した後、少年たちは就職がなかなか見つからなかったり、昔の仲間に誘われたり、家族とうまくいかないという状況が出てきます。
そんなとき、誰にも相談ができない悩みがあります。
そこで、セカンドチャンスは、同じような経験をした先輩たちとつながり、その後の生活を立て直して行くヒントをともに探していこうというものです。
「生きづらさ」をテーマに取材をしていると、少年院のことと関係してきます。
生きづらさや居場所の喪失によって、自暴自棄になった時、暴力衝動・破壊衝動が生まれることがあります。
言葉にすると「何もかもおしまいにしたい」「周囲の世界を壊してしまいたい」といったものです。それが「自分に向く」と、自殺や自傷、依存症と関連します。一方で、「他人に向く」と、暴力や犯罪とつながります。
少年犯罪を取材していると、どこかのタイミングで暴力衝動・破壊衝動が生まれるのです。
最近では、事件が起きると、どのように処罰すべきか、といった論点が多いような気がします。
もちろん、処罰のあり方は重要な問題です。
しかし、同時に、なぜ、彼ら彼女らが事件を起こしたのかを含めて考えなければなりません。特に少年院は、社会復帰させる支援の場なのです。
警察に補導されずに犯罪を繰り返す少年たちにも会ったことがあります。
彼ら彼女らは犯罪の環境でしか、居場所を作り上げることができないのです。
居場所を得て、安住の地を得ているのですが、それが著しく他人に迷惑をかける行為であれば、相手の居場所を奪うのです。
彼ら彼女らはそれでしか居場所を感じられないのです。(続く)
《NewsCafeコラム》