[第12回]東日本大震災 被災地で感じた"温度差"
社会
ニュース
1)高速がある程度生きていること
2)市街地が崩壊していないこと
3)塩釜港が再開したこと
が挙げられます。
しかし、その早さに取り残されている避難所の人々がいます。理由は様々ですが、たとえば
1)その場所を離れたくない
2)離れたくても、アパートを探すお金がない
3)離れたくても、頼れる人がいない
といったことが挙げられます。
そのため、残された人たちがストレスを抱える時期になり、直後とは違った緊張感でぴりぴりしています。被災者の中には、仙台の市街地を見た人は、市街地がダメージが少ないのに、どうして私たちの地域だけ、という思いはあると思います。また、全壊と半壊とでもやはり温度差があります。半壊地域では、すでに人が住み出しているのです。
行政とNPOの温度差もあります。仙台市災害対策本部では、ボランティアが余っている、と言っています。しかし、NPOでは、ボランティアは足りないと言っています。市では、日帰りができる人に限定してボランティアを募集しています。しかも市内に限ってです。そして、ニーズの掘り起こし作業をあまりしていません。
一方、NPOには、「なんとかなるさ」と野宿覚悟で全国から集まってきます。ニーズの掘り起こしもがんばっています。市街地であっても、モノ不足やガソリン不足で買い物が不便です。そのため、買い物ボランティアもやっています。行政との連携は悪いようです。
被災地と東京の温度差についてはどうでしょうか。
仙台では、原発の話はほとんど出ません。東京に戻った後に感じたのが、ほとんどが原発の話題だということ。今回の地震では、福島以南と宮城以北では、震災の質が違っています。
仙台と岩手でも震災の質は違います。岩手には、まだまだ遺体が被災地に放置されているとの情報もあります。市街地を含め全体がなくなった岩手県沿岸部と、郊外の一部が崩壊した仙台では、また違っています。
温度差は、Twitterについても感じました。
震災直後、東京ではTwitterでたくさんの情報が飛び交いました。私も被災地に必要な情報を、とたくさんつぶやきました。しかし、被災者に話を聞くと、 Twitterで情報を得た人はほとんどいません。通話とメールがつながらなくても、被災者は通話とメールを何度も試みていたようです。
そして数日間の停電。Twitterどころではありません。電気が通じるようになってから、友人の安否確認などはmixiなどでやっていたようです。巨大地震の被災地によっては、Twitter万能論は幻想だと思わされました。
《NewsCafeコラム》