「駅中トラブル」急増にご用心
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通勤はビジネスマン&ウーマンにとつて毎日の事だけに「通勤が快適か?通勤時間を有為に使っているか」は大きな課題。通勤時間を有益化する勉強ツールも多く出されているし、携帯電話やスマートホンは、今や通勤の友である。
その通勤を不快にするのが痴漢・盗撮・酔っ払いの存在だ。
このために"女性優先車両"などが設けられているし、痴漢や盗撮の厳罰化も進んでいるが、現実にはそれらの犯罪は減っていない様である。
「70%の女性が何らかの痴漢行為をされた経験がある」
こんな恐るべきデーターがある。まことに嘆かわしい事であり、男性として肩身の狭い思いだ。
そんな中で最近顕著なのが、駅で酔っぱらいが駅員に暴力をふるうトラブルや列車に接触する事故が急増していることである。
JR本州3社(東日本、東海、西日本)と大手私鉄など全国25の鉄道各社の集計によると『平成22年度に起きた駅員らに対する暴力行為は、過去最悪だった21年度の869件とほぼ同数の868件で、半数以上が飲酒者』とのこと。内訳を見ると『駅員・乗務員に暴力をふるった乗客の56%が飲酒しており、ほとんどが情けない事に男性。月別では7月が最多(97件)で日別では日曜日(18%)と金曜日(16%)が多く、週末の午後10時以降に集中している。年齢別では60代以上が20%で、40代、50代がともに19%と約+60%が中高年に集中。発生場所は最も多いのが改札(43%)、次いでホーム(25%)』ということだ。
ホームの端を歩いていた70代男性客を注意した駅員が腹を殴られたり、終点に着いたため起こした駅員を蹴るなど加害方法は様々だ。首都圏の私鉄関係者は「突発的に発生するケースがほとんどで、正直防ぎようがない」と言う。
また 国土交通省によると『全国で発生したホーム上で電車に接触したり、ホームから転落したりする人身事故は22年度・上半期だけで117件起きたが、60%が酔客による』との事。下半期分は現在集計中だが、事故件数(最多は20年度の216件)、酔客の被害件数(同21年度の110件)ともに過去最多を上回るのは確実となっているそうだ。
ホームでの事故を防ぐのに有効なのは転落防止柵や可動式のホームドアだが、国交省によると、22年3月現在で1日の乗降者数が5千人以上の全国の2808駅のうち、転落防止柵やホームドアが整備されているのは449駅にとどまっている。 多額の設置費用や相互直通運転で車両の長さや扉数など規格の違いにどう対応するかという問題もあり、設置は思うように進んでいない。
国交省は一日の乗降客が10万人以上の駅には設置を義務化する様であるが、現状は「女性の乗客は、酔っ払いが起す事件や事故に巻き込まれない様に注意して欲しい」ということだ。最近の電鉄会社は「駅中ビジネス」には熱心だが、駅の安全対策ではまだまだ課題が多いのが否めない。
[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
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