「ウォーキング」の効用
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歩きなれたコースで顔なじみに会うと懐かしくなり、朝日が昇ると「今日は良いことがありそう」と言う気分になるから不思議である。知り合いの女性は、会社が終わると週3回は彩り豊かなウェアで、皇居一周のウォーキングを楽しんでいる。
そこで今回は"人間と動物をわける二本足での歩行・ウォーキング"についての雑学をまとめてみた。
人類の起源については、サルからの進化が定説だが、暴論派の畏友は「いくら動物園で猿を見ても、彼らが人間に進化するとはとても考えられない」と言う。大当たりをした映画「猿の惑星」の新作「猿の惑星・ジェネシス」が封切られるが、そこでは進化した猿は人間が遺伝子操作をした産物として描かれているようである。
それほど"二本足で歩く"ということは生物学上の驚異的な変化。二本足で歩く事で「大きな行動領域」が可能となり、それが人類を進歩させたのだ。まさに人類は二本足で歩くことで進化した哺乳類なのである。
早足で「女性と手をつないで歩いた事がない」と豪語する友人は「歩く早さと頭の回転の速さは比例する。モタモタ歩く人は概ね○○である」と恐るべき偏見を言うが、周りを見ると「そうかな」とも感じる事もある。
世界を旅すると街によって歩いている人のスピードが違う事に気がつく。海外で違和感を感じる理由の一つに、自分と現地の人の歩行速度が著しく違うがあるのは確かである。
東京人のせかせかとした歩くスピードはニューヨーク人の歩行のスピードと同じだと感じる。内科医によると「早く歩くと快適に感じるのには訳がある。人間の血液は心臓から送り出されるが、足に行き着いた血液を心臓に戻す仕組みは弱い。しいて言えば足のふくらはぎの筋肉の収縮が血液を心臓に戻すのである。足は第二の心臓」と述べる。言うなれば歩くと血の巡りがよくなるのである。
ネットで「ウォーキングの効用」を引くと短距離走やパワー系の運動が「無酸素運動」と呼ばれるのに対して、体内に充分な酸素を供給しながら行う持続系の運動が有酸素運動である。ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどがこれに当たり、いつでもどこでも簡単に行える有酸素運動の代表がウォーキングだという。
ジョギングのように関節や筋肉、呼吸器への負担が少ないのも魅力。しかし漫然と歩くだけではなかなかダイエットや健康づくりに結びつきにくいのも事実である。「歩くこと」と「ウォーキングすること」は本質的に別物であるとわきまえる必要がある。ウォーキング様々な体に良い効果があるが、肝心なのは継続だ。
タダやみくもに歩くのではなく"四季の移ろいを楽しみながら"の心持が肝要だといえよう。精神科の医師によると「最近急増している欝病やその傾向の人には早朝のウォーキングで朝日を浴びるのが効く」と言う。 最近疲れ気味な方は特に、早速この連休から早朝ウォーキングをはじめてみてはいかがだろうか。
[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》