「ノンアルコール」がトレンド?
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得がたいチャンス?と張り切って出かけたら「ノンアルコールビール」の女子会であった。一人だけ焼酎と言うわけにもいかず、しぶしぶノンアルコールで付き合った。はじめは盛り上がらない…と覚悟したが、最近のノンアルコールビールが美味しくなったためか、脳みそがノンアルコールを覚悟したのか、それなりに愉快なときを過ごした。
最近では街道筋の小さな飲食店でもノンアルコールビールがあり、酒に詳しい識者は次のように述べていた。
『アルコールを含まないお酒っぽい飲料が国産品で登場して3年弱。当初はわずかにアルコール(1%程度)を含んで美味しさを出していたが、ここのところは製法も進み完全にアルコールフリーの商品が出ている。いまや完全に市民権を獲得し、アルコール飲料の代替品から、一つの商品ジャンルになっている。最近ではノンアルコールのワイン・梅酒・カクテルまで出ている。
近々にはノンアルコールのウィスキーも出るとのうわさがある。「ノンアルコールウイスキーでハイボール」と言うことだ。メーカーは当初は男性・運転するとき…の市場をイメージしていたが、現実は想定を超えて大化け。ノンアルコール飲料の市場は2年で3倍になり、愛飲者は男女が50%ずつ・ここ1年は若い世代の購入が増えている』
ここ10年余り「飲みに行かない若者達」の存在が明らかになっているが、ノンアルコール飲料は彼らにも好評で「ノンアルコール飲料で全員乾杯」といった宴会も増えていると聞く。過日行った大衆酒場でも「ノンアルコールセット・一品つきで300円」なる張り紙が目立つところに張ってあった。見ていると思った以上に、このセットを頼む若い人が多いのだ。
「日本人の半分の人は先天的にアルコール分解酵素を持っておらず、すぐ酔っ払う」と言う説がある。どうもおじさんたちは、酒は訓練で飲めるようになる…などと先天的飲めない派に飲酒を強要していたのかもしれないなぁと反省中である。
さて、忘年会のシーズンである。「取り敢えずの乾杯」も一人だけウーロン茶では座をしらけさせるが「見た目が同じノンアルコールビールなら…」といった点が良い。若者がよく行く飲み屋の売り物は「1500円で飲み放題」と言う奴だが、気の効いたお店では「ノンアルコール宴会プラン:ノンアルコールビールとソフトドリンク飲み放題」も有る様である。
識者の「文明が進むほどに飲み物は水に近ずく・アルコールを欲するのは内臓ではなく脳である。ノンアルコールでもいい気分になれるはずである」と言う話を思い出した。
体をいたわる忘年会も、これはこれでありだと思う。
[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》