【第一回:編集後記~Newsスナック】一人称と自意識の芽生え
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「Cafe」というより「場末のスナック」で話される与太話のような、軽いお話を書いていきたいと、このタイトルをつけました。どうか暖かい目でお読みいただければ幸いです。
まずコラムを書くにあたって悩んでいるのが文中の一人称の問題です。
私も社会人ですから現在は当然、ケースバイケースで一人称を使い分けています。取引先の前では「私」、上司の前では「僕」、部下に対してやプライベートでは「オレ」と。
「私」がスタンダードな形だとは思うのですが、親しみをもっていただくには「僕」や「オレ」のほうがよいのかも知れません。また、ひとつの際立ったキャラクターとして皆様に認識していただくためには、我らがエーチャン、矢沢永吉のように苗字である「長江」を一人称にするという手段もあります。
思えば私は幼少期からこの「一人称問題」では相当、心を砕いていました。
就学前の段階では方言でもある「わし」を使っていましたが、小学校に入学し、教師により矯正され「僕」に変更。その時のルールに縛られ、自由をもぎ取られた悔しさは今でも鮮明に思い出されます。その後、中学生になると思春期に突入し、「そろそろ「僕」はカッコ悪いのではないか?」などと悩み始め「オレ」の使用を段階的に試みたりしました。
当時、中学生の私は大変真剣に「オレ」使用について悩んでいたのです。
先生に「オレ」なんていったら怒られちゃうかも…。先輩に生意気なんて言われて呼び出されたらどうしよう…。お母さんが不良になったって心配しちゃったらどうしよう…など、それはそれは真剣に悩みました。
結果、憧れの一人称「オレ」を使う場合には、その場にいる人物の面子と自分との関係を判断し、「オレ」の使用によるリスクが100%回避される状況においてのみ使用していたものです。
思えばこの「一人称問題」こそが私の「自意識の芽生え」だったのかも知れません。
度重なる葛藤と挑戦の末、高校生になると自然と「オレ」を使うケースが増え、いつしか一人称「オレ」への統一が完了しました。そして社会人になり、一人称を巧みに使い分ける小器用さを身に付け、私はずるい大人への仲間入りをしたのです…。
結局、問題のコラムでの一人称ですが、気付けば自然と「私」を使ってしまっているので「私」を採用したいと思います。
今後、私のコラム「編集後記~Newsスナック」を何卒、よろしくお願い申し上げます。
[編集後記~Newsスナック/NewsCafe編集長 長江勝尚]
《NewsCafeコラム》