新年度から被災地は?
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3月31日で終わりを迎えた東北道の無料処置。被災地支援、観光振興、避難者支援という3つの目的から行なわれたものでした。そのため、東北道の白河インターチェンジ(IC)以北は、被災者だけでなく、一般の利用者も無料で高速道路を利用できました。東北地方で観光をし、復興の手助けをする人もいたようです。また、社会福祉協議会などを通さない突発的なボランティアでも高速代がかからず、小規模な活動でも、あまり経費をかけずに継続していた人もいました。
昨年12月から行なわれて来た東北道の一部無料化処置は、国土交通省が予算を計上し、実現したものでした。もちろん、私のような被災地取材でも無料でした。そのため、週末ボランティアをしている人も含め、東北を訪れる人は高速道路の料金を気にせずに、何度も往復することができました。
しかし、4月からは、「災害派遣等従事者車両」(災害廃棄物の仮置場までの一次処理に使用する車など)と「原発事故の警戒区域等の居住者」だけに限られます。そのため、新年度からは、被災地を訪れる車両が激減すると思われます。私のようなフリーランサーは経費がでないことが多く、取材は自腹です。そのため、無料処置が終わることで、取材の機会が少なくなることが想像できます。また、ボランティアであっても高速道路料金を気にしなければならず、足かせになることが確実です。
また、新年度になって、"大幅な"人事異動が行われました。昨年は震災直後とあって、異動が保留されたり、4月の異動が8月に延期されるなど、震災後の継続性のある行政を支えて来たのです。行政の担当がこの4月で異動になり、文書や口頭では引き継ぎがされることでしょう。しかし、被災者の感情的な交流をつつかってきた窓口の担当者がいなくなることで、被災者の想いが変わることは想像ができます。
これまでの辛い時期を共有できたからこそ、スムーズな被災者へのサービスができたこともあるでしょう。震災一年後というタイミングで大幅な異動がされることは、かえって、不信感を呼ぶケースもあり、実際に、被災者自身が不満を口にするケースもあります。特に、震災での行政責任が問われかねないケースの担当者が異動となれば、行政側に悪意がなかったとしても、被災者からすれば「ゼロからやり直し」というイメージになってしまうのです。
人事異動は行政の担当者だけではありません。学校の教員も同じです。ある高校では、震災後に学校外のサポート団体とも交流を重ねてきましたが、その窓口となる担当者、震災後の学校を下支えをしてきた教員はすべて異動となったのです。異動を小規模に抑えて来たこともあってか、今回は大幅な異動となっているようです。
こうした場合も、学校外のサポート団体とのつながりをどのように継続していくかが課題となります。また、まだ苦しさを話せない子どもたちが、ふと口に漏らすひとつの要因は共有体験です。しかし、同じ体験をした教員がいなくなるのは、不安が増すことも考えられます。
もちろん、人事異動は仕方がないことです。ただ、大規模な異動、しかもキーマンとなる人たちの異動は時期が早すぎるのではないかと思えるのです。ただ、異動が行なわれてしまったのですから、問題を指摘しているだけではどうしようもありません。信頼を継続するためにも、これまで以上の細かな配慮をしなければならないと思います。
[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]
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