放射能過敏症候群 | NewsCafe

放射能過敏症候群

社会 ニュース
福島原発の放射能拡散禍は、とどまる事を知らない広がりだ。
想定外の津波を免罪符にしているが、後手を踏んだ対応・専門家と称する輩の無責任・いい加減な政治家の発言などが、事を大きくしている感は免れないと思う。その結果、福島を中心とした農作物・海産物・水産物が続々と「放射能汚染」と言う現実に直面している。

福島から茨城にかけての底魚を中心とする海産物、川魚、椎茸やキノコ、米や野菜や牛乳に至るまで「厳しい放射能基準」にパスしないものが続出。まさに生産者は収穫し、全てを廃棄処分にした水俣公害の漁師と同じだ。

政府の原発事故終息宣言は根拠が無く、各省からは日替わりで放射能に関する基準なるものがバラバラに出される。全体として「放射能拡散問題を過小評価しよう」言う作為が根底にあるのではないかと思える。その結果消費者は些細な風評に振り回されている様に見えるのだ。

過日、我が家に幼い子供を連れて遊びにきた母親もその一人である。話を聞くと「小型放射能測定器で世田谷の家の周りの線量を常に測り、飲む水は鹿児島の水、食べる米は3,11以前の古米かカリフォルニア米、野菜は産地で選び、出来れば東京以西のハウスでの水耕栽培品、魚は原則NG」と言う具合である。
彼女は心労から、少し痩せ、顔色も良くないような気がした。我々は平気で暮らしているが、小さな子供のいる母親は大変だ。

この調子で行くと、一時は農薬まみれで危険と言われた中国産の米や野菜が「放射能の心配が無いから良い」と言う事になるのかもしれない。
先日行った郊外レストランも駐車場の脇には「コンテナ型水耕栽培施設」を設けられ、そこで取れたレタスのサラダバーが売り物であったし、東日本大震災の被災地では「コンテナーハウスやビニールハウスでの水耕栽培による野菜作り」がブームの様である。
土壌の塩害や放射能汚染を考えるとやむを得ない事と思う。

水耕栽培は野菜や一部の果物に無理やりに栄養素+農薬を吸わせて大きくする栽培法である。その為、水耕栽培は「細胞を膨らませる栽培法」とも言える。水耕栽培の野菜を食べたときに「嫌な苦味」を感じる事があるが、それは野菜の味ではなく化学肥料の味なのだ。
土耕栽培は「植物そのものの成長スピードに合わせて細胞を育てるから、水耕栽培の物と食べ比べると甘味が強く、滋養味に溢れていて美味しい」と感じることが出来る。

「放射能を恐れる余りの食」は新たな問題を起こす。これから何十年と続く「消えない放射能・食物連鎖による拡大する被害」と併せ「放射能を恐れる余りの新たな食災害」も気になるのである。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]

《NewsCafeコラム》

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