ストーカー被害届けの「原則即時受理」 | NewsCafe

ストーカー被害届けの「原則即時受理」

社会 ニュース
世の中の卑劣な犯罪に、痴漢行為とストーカー行為があげられる。

痴漢行為とは、公共の場所で相手に羞恥心を抱かせ、不安にさせる行為を行う者もしくは行為そのものを言う。
一般に電車内で男性が女性に行うものとされるが、人気のない暗い夜道など被害者が対応をとりにくい環境で行なわれるものも含まれる。「痴漢罪」のようなものは存在せず、主に迷惑防止条例と刑法第176条(強制猥褻罪)が適用される。その他にも行為の種類や程度によって、軽犯罪法や公然猥褻罪…などにより処罰される。
被害者の殆どは女性。処罰上は現行犯逮捕が必要だ。

だが、多くの女性が痴漢行為をされても「その場で声を上げない」のが現実である。
「通勤ラッシュの混雑度No1で有名なの○○線の通勤女性の70%が一度は痴漢行為を経験している」との都市伝説もある。
真につらい話である。

そして最近、大きな社会問題となっているのが「ストーカー行為」である。
ストーカーとは、特定の他者に対して執拗に付き纏う行為を行う人間のことを言う。その行為は、ストーカー行為あるいはストーキングと呼ばれる。
日本ではかつて、ストーカー行為は軽犯罪法や迷惑防止条例でしか取り締まることができなかったが、それでは不十分として『ストーカー行為等の規制等に関する法律』が平成12年に制定された。ストーカー事案の認知件数は平成13年以降、1万2000件~1万8000件の間を推移していたが近年急増している。
警察に届出の無い物を勘案すると「実際の件数は数倍」とも言われる。

ストーカー事件において被害者の約9割が女性・加害者の8割が男性。その意味では痴漢行為と同じく女性が被害者の事件である。
従来は取り締まりに当たるべき警察はストーカー事案への対応に腰が引けており「被害を届けても中々受理してくれない」との不満が多かった。

昨年12月に長崎県西海市で女性2人が殺害されたストーカー事件で「千葉県警が被害届の受理を先送りし、その間に2人が殺害された」と警察の対応に批判が高まり、その後も類似の事態が続発した事を受けて、警察庁は『被害届を原則として即時受理する方針』を決め、全国の警察本部に通達を出し徹底を指示した。

通達では『被害届について「明白な虚偽または著しく合理性を欠く」ケースを除き「即時受理を徹底する」と明記。受理しなかった場合、上司への報告を義務付けた。更に「事件化できるだろうかといった視点だけで判断し、受理を渋る傾向がある」として、警察署などの相談対応の窓口を捜査部門から分離する』としている。
合わせて「女性警察官が24時間対応できる体制整備・女性警察官の採用・登用の拡大」にも取り組むとのことである。陰湿なストーカー事件に対しての「被害届の原則受理」は予防の大きな一歩になると期待されるのである。

ストーカーに狙われていると思ったら「悩むより勇気を持って被害届」でガードを固めることが何より大切だ。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]

《NewsCafeコラム》

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