「年収500万円」の壁
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当人の努力もあるのだろうが、若いお嫁さんのパワーのおかげだと思う。「日本家族計画協会」と言ういささか古めかしい名前の団体が「去年の9月に、"結婚適齢期とされる20才~34才の若年層の生活と意識"が下記調査を行った。
『性交渉をすることに関心が無い/嫌悪している男性』
■20才~24才⇒24.6%
■25才~29才⇒14.1%
■30才~34才⇒13.4%
いずれも前年を上回る結果との事である。驚くべきは『結婚している若い夫婦で1ヶ月セックスレスは41.3%で過去最高数値』と言うことである。
理由は次の通りだ。
■男性⇒仕事で疲れている(28.2%)
■女性⇒面倒くさい(23.5%)
かねてより「若い男性の草食化が言われているが、若い男女が「疲れているから・面倒くさい」とはいささか変だと感じてしまう。
そんなおり、34才で退社して結婚・起業して社長をしている現在36才の女性から「子供が出来た」との朗報。女性の多い企業らしく「仲間の支援で社長業を続けながら出産・育児に挑戦…」との事である。新しい企業風土を作って欲しいものだ。今年は巳年「すべてに運気上昇&大事件あり」の年である。
結婚情報サービス会社の調べでは、東京を中心に独身女性が決婚相手に求める年収は500万円余ということである。
眼を地方に転じると壁は「300万円余」となる。いずれにしろ東京でも地方でも壁を越えるのは昨今の経済事情ではなかなか難しい。そこには「正規雇用か非正規雇用か」と言う問題もある。若者の年収を増やすには、まず「経済の活性化」が重要である。現在「今年は景気が良いとの観測」がされているが、企業の儲けが正規雇用の増加や賃金に回るのには時間がかかる。今後の現象はミニバブル現象かも?と考えると多くの企業が儲けを海外投資や不動産投資にまわす…とも思える。「若者の結婚しない&出来ないバリアー」を考えると、経済を元気にして若者の収入を増やす以外に「夫婦の負担をへらす・共働きがしやすい環境整備」を同時に進めないと「結婚しやすい状況」にはならない。
言うと簡単だが、実に難しいテーマである。今年4月からは「企業の65才までの雇用の義務化・ハンディキャッパーの雇用率の2%への引き上げ」などがスタートする。企業を取り巻く経営環境は一段と厳しくなるのである。「人口減による国内需要減少・国の収入源による財政難・高齢化による支出増」と言う現実の問題を考えると「一挙に事態が改善」と言う処方箋は見えないのである。多くの若者が「夫婦共稼ぎ」を前提にかなり背伸びをして結婚している様に見える。
さらに出産での状況変化を恐れて「子供を作らず」としたら、日本の破綻…である。国もこの事態を見据えるべきだと強く思う。
[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》