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遠くの友人より「近くの母親」

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三寒四温の中で桜のつぼみも冬芽から開花を目指して待機中。桜の開花予報は「厳冬のおかげで染井吉野の開花は例年より早い」と言うことである。そして新学期である。「ピカピカのランドセル」を背負った小学1年生の姿が眼に浮かぶのである。また中学~高校入学は「一歩大人になる門出であり・悩み多き時代への門出」でもある。それは「様々な問題にぶつかり、それを乗り越えて成長してゆくという重要な時期」である。自我に芽生え、それなりのプライドも生まれ「どうにか問題を一人で解決しよう」とする時期でもあるのである。

昨今の「突然とも見えるいじめによる自殺」は「相談せずに独力で問題を解決したい」と言うこの世代特有の心理が背景にあるように思える。昔流に言えば「両親には相談できない・先生にも相談できない・・仲間だけが相談相手」と言うことだが「いじめなどの場合は仲間自体が問題」だから「本人は四面楚歌」と言うことになるのである。そんな危うい状況下にある「中高生1100人の意識調査」をNHK放送文化研究所が行った結果が公表された。NHK放送文化研究所は「豊かな放送文化を創造する」という公共放送の役割 を踏まえて、その実現に向けて必要な調査研究を行うと言う「世界に類を見ない放送局が運営する総合的な研究所」である。それによると『悩み事の相談相手として「友人」を上げる生徒が減り「母親が相談相手」が増える傾向にある。「母親に相談する」が中学生では38%・高校生では25%・10年前の調査に比べて8~13ポイント上昇・友人に相談するは7~10%低下』と言うことである。3世代前のわれわれには「マザコン的でいささか…」と言う感じがするのであるが…。同調査では『母親との関係はうまく言っている=中学生で95.7%・高校生で97.4%』と高いスコアーを示しているのである。かなりのハイアベレージである。

同研究所では『少子化で母子関係がより緊密になり、逆に「他人とは衝突を避けようとする子」が増えていると解釈できる。気を使って付き合わなければならない友達より、母親のほうが相談しやすい存在になっているのではないか』と分析している。周りを見渡すと「母子家庭」と揶揄されるような「仲良し母と子」がかなり増加していることに気がつく。昔から「息子は母親に似た伴侶を求め・娘は父親に似た伴侶を求め」と言うが、いまやその代表格が母親で「父親の影は薄い」様に感じるのである。その様な「濃密な母と子の関係」に影を指すものは許さないと言う動機が「学校にわが子のことで殴り込みをかけるモンスターペアレント」を産む根底にあるのだと思う。子供は本能的に「自分の味方」を峻別するのである。濃密な母と子の関係「子離れできない母親と母離れできない子供と言う「パラノイアファミリー」を生む原因になっているが、学校の荒廃を見ると「母親が一番の相談相手は必然」と思うのである。今後もますます「母親の役割」の重要さは増す…と思うのである。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]

《NewsCafeコラム》

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