我が子の先生は「体罰教師」
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そんな論議の中で文科省は「全国の国公私立の小中高を対象とした包括的な体罰実態調査」を行い、その結果を発表した。「我が子が小中高生」と言う親には気になる調査結果である。それによると『平成24年に全国の小中高で体罰を行った教員は6721人・被害を受けた児童生徒は14208人・体罰の内訳は中学生が2805人で最多・高校生が2272人・小学生が1559人・体罰の80%が公立校・体罰のあった学校は4152校で全体の12%余・小学校では59%が事業中・中学では38% 高校では41%が部活中・被害については打撲や外傷や鼻血が多く80%はけが無し・素手で殴るが最多』と言う事である。多くの子供は「体罰の事実を親に言わない」のが通例であり「まさか我が子が…」の親も多いと思うのである。
体罰を行った教員が多いのは「長崎452人・大阪432人・大分382人・福岡284人・三重207人・兵庫201人・愛知184人・群馬159人・東京155人…」少ないのは「福井14人・秋田22人・徳島26人・島根33人…」である。「何となく納得の県」もあるが「なぜ?と言う県」もある。識者は『この調査で例年数百人だった公立の体罰教師が10倍異常に跳ね上がっている。これまで見過ごされていた体罰が「アンケート」により多数報告されたものと思われる。県別の数字については「軽微な頭を小ずくなどを報告に入れるか」などで判断の差があったと考えられる。誤差は多いが一定の評価は出来る』と言う。
教育の専門家は『学校教育法は児童生徒に「居残りなどの懲戒」を認めている。「しかるという行為」の教育効果を認めているのである。体罰と「しかる」の線引きは難しい。「叱れない先生」の増加は教育上も問題が多い』と言う。時代は違うが「箒で頭をこずかれる・水の入ったバケツを持ってたたされる」などは「学校の風物詩」であった時代もある。報道を見ていると「児童生徒の凶暴化・父兄のモンスター化・先生の幼稚化」が大いに気になるのである。夏休み中に一度「体罰についての母と子の家庭会話を」と思うのである。
[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
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