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酒井順子 「儒教と負け犬」(講談社文庫)

「あの人、ぶっちゃけ負け犬じゃない?」「私は負け犬にならないよ!」

この「負け犬」という言葉が世に出始めてしばらく経つ。
エッセイストの酒井順子氏の傑作、「負け犬の遠吠え」(講談社文庫)を読んでいない人は時にこの「負け犬」の本来の意味を知らずに

「未婚、子なしは人生の負け犬ってこと?差別的だね・・・」

と怒りをあわらにするが、酒井氏が言う本来の「負け犬」は全く意味が違う。

なんだかんだで結婚した方が勝ち、子供を産む女は産まない女より偉い、という「ふんわり」した差別的思想が漂うこの日本において、「私は結婚しない生き方をしようと思う!」と無邪気に宣言しようものなら容赦なく白い目に見られること間違いなし。
そこで酒井氏はこう提案したのだ。

「この社会で独身女性は肩身がせまい。今更女性の自由・権利云々言っても変わらない。なら、''アハハハ、結婚できないんだよねー。子供も欲しかったけど。ダメだよねー''と負け犬のフリをしていた方がラクですよ」と。
要は負け犬のフリをして冷たい視線をかわしながら独身生活を送りましょうね、ということなのだ。いわば、独身女性へのエールとも言える。

独身女性が増え続けているこの日本の状況、実はお隣の韓国・中国も同じような状況だ。
この三国は儒教・家父長制度という共通点がある。
「さっさと結婚して子供を産め」というプレッシャーは三国とも半端ないはずであるが、なぜ、彼女たちは結婚しないのか。
そこに注目した酒井氏は「儒教と負け犬」(講談社文庫)を上梓した。

結局、行き着くのは「女性の高学歴化と社会進出」「儒教・家父長制度の文化が現代女性のライフスタイルに合わない」という論点なのであるが・・・この本を読み進めていくと、

「この三国の現代女性は、結婚や出産にもはや希望など抱いていないのではないか」

と思ってしまう部分がある。

特に日本、中国以上に儒教精神が残る韓国での女性へのプレッシャーは日本など比べ物にならないほどであるにもかかわらず、「超少子化」なのはなぜなのか?

「結婚って、周りが言うほどいいものなのですか?」
「それって幻想じゃないですか?」
「正直、自分の親を見てると結婚に夢を見られない」

これはもっと言うと、

「もう男に期待してない」と言い換えることもできる。

現代女性に必要なのは「食い扶持=仕事」と「自分で自由に選べる友人」ということだろうか。

女性のライフスタイルについて考える時、常に頭に浮かぶのは欧米だが(憧れから!?)、あまりに背景と文化・宗教の点で違い過ぎて参考にならないことがある。
まずは「東アジアの女の状況」を「儒教と負け犬」から探ってみると、何かしらのヒントが得られるかもしれない。

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