【解説】「ウコン食品」取りすぎにご用心
社会
ニュース
ウコン系のドリンクは「まずいが効き目がありそう」と信じているが、最近「健康のためにウコンを食べるのは盲信」との記事に出会い驚いている。記事を要約すると『ウコンとはカレーの黄色を作っているターメリックのことである。「肝臓を守るにはウコン」と思っている人は酒好きを中心に多いだろうが「その取り方によっては逆に大切な臓器を傷めてしまう危険性がある」との指摘もある。医療現場からはウコンが原因とされる症例が報告されている。ウコンは南アジア・アフリカ・中南米の熱帯から亜熱帯にかけて広く分布している「ショウガ科の多年草」だ。50種ほどあるうち日本で主に栽培・利用されているのは春ウコン・秋ウコン・紫ウコンの3種。ウコンに含まれるポリフェノールの一種「クルクミン」は胆汁の分泌を促し・肝臓の働きをスムーズにすると考えられている。広告では「宴会にはウコン」などとうたわれており「二日酔いや悪酔いを防ぐとのイメージ」があり粉末や錠剤の形で販売されているものもある。「食物中に通常含まれる量であれば安全。それ以上の摂取については信頼できるデータが十分ではない」とされている。しかし健康食品が原因として疑われる肝障害患者のうち「ウコンを含む食品が原因」と推察される物が最も多いのである。ウコンが肝機能を悪化させるメカニズムについては2つの原因が考えられる。1つはウコンに含まれる鉄分の影響。もう1つは、ウコンによって免疫力が強められた結果「自分の肝臓まで攻撃しているのではないかとの疑い」である。慢性のC型肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎の患者は体内に取り込んだ鉄分の代謝がうまくいかず、過剰にたまった鉄分が肝機能をさらに悪化させるようである。ウコン製品の中には鉄分を多く含むものがあるので「医師の診察を受けた場合はどんな健康食品を服用しているか」をきちんと申告してほしい』である。
大騒ぎする内容ではないと思うが識者は『生産地やクルクミン含有量や鉄の量などがしっかり表示された商品を選ぶことがポイント。鉄分については表示されていないことが多い。アガリクス、クロレラなど他の健康食品でも肝障害を起こした例はある。健康に良いからといって妄信するのは禁物』と指摘する。「健康に良いと聞くとすぐ手を出す癖」を反省。酒豪のI嬢にもアドバイスしなければ…。
[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]
《NewsCafeコラム》