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論評の自由とは…

社会 ニュース
週刊文春(9月11日号のスクープ速報、9月2日付)が伝えたところによると、ジャーナリスト・池上彰さんが。朝日新聞の連載「新聞ななめ読み」の中止を申し入れたことが明らかになり、話題になっています。

この連載は、各社の新聞を読み比べて、池上氏が自由に論評するものです。しかし、8月末の予定稿では、従軍慰安婦報道の検証について取り上げており、「朝日は謝罪すべき」との書かれていたといいます。これに対して朝日幹部から「これは掲載できない」と通告してきたというのです。

池上氏は「では連載を打ち切ってください」と申し出たといいます。そして予定されていた原稿がボツになったというのです。池上氏は事実を認め、「掲載を拒否されたので、これまで何を書いてもいいと言われていた信頼関係が崩れたと感じました」とコメントしています。

週刊文春のスクープのようですが、どうやら週刊新潮もこの情報はつかんでいたようで、新潮のほうが早かった可能性もあります。新潮は自サイトでは「立ち読み」を発信してはいるものの、週刊誌が発売されたと同時に電子版もアップされます。一方、文春はニコニコチャンネル(ドワンゴ)でデジタル版を出しているほか、ウェブサイトで「スクープ速報」を出し、次号の内容も一部伝えています。週刊誌は発売されてからが勝負だった時代だから、一歩先に進んでいるように見えました。

さて、今回の問題はどのように考えるべきでしょうか。

朝日が「大人げない」と私は思ったりします。文春の「スクープ速報」によると、池上氏は「これまでも同連載は、『朝日の記事は分かりにくい』、『天声人語は時事ネタへの反応が鈍い』などの批評を掲載しており、今回の反応は異常ですね」と述べています。ということは、朝日批判もOKだったということになります。ただ、通常の朝日批判より過敏ということがわかります。

朝日の慰安婦報道の検証記事は、週刊文春や週刊新潮が取り上げた記事の広告が掲載拒否となったことが最近でも話題になりました。朝日だけでなく、週刊誌が新聞社批判記事を書き、新聞広告で掲載すると、一部黒塗りになることはこれまでにもありました。しかし、コラムの掲載を中止するというのは、池上氏のコメントを前提にすれば、異例ということになります。

一方、「何を書いてもいい」という前提だったにせよ、一度の掲載拒否されただけで連載中止の申し入れ、というのも「大人げない」と思ったりします。池上氏は、様々な媒体で連載を持ったり、コメンテーターの仕事をしています。その意味では、どうしても必要なら、今回のような朝日の対応を他の媒体で批判すればいいのではないでしょうか。事実、今回も別の媒体で事実を明るみにしました。

亡くなった漫画家・赤塚不二夫さん風に言えば、「これでいいのだ」。

ちなみに、今回の件で、朝日新聞の部数が減ってしまうのではないかとの声もあります。朝日新聞は朝刊が761万部、夕刊が275万部を販売しています。全国の普及率は13.6%です。読売新聞の21.4%につぐ達成率になります。かつては毎日を含め、3大紙と呼ばれましたが、現在は2大紙の時代です。数ヶ月ごとに購読する新聞が変わる都市部の一人暮らし層は、変更することはあるでしょう。しかし、読者の多くのは「慣れ」で新聞を取ります。内容以前に、新聞を変えるということはレイアウトや文字の配列に違和感を抱きます。その意味では、大きな部数減はないと思われます。

[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]

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