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「TVぴあ」休刊。雑誌の行方は?

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テレビ情報誌「TVぴあ」が1月27日で休刊することになりました。創刊から28年。「TVをもっと楽しく!」をキーワードにしてきました。特集やインタビューなどで目をひくことはありましたが、テレビ番組の情報はすでに公式サイトなどでも出されています。また、昨年末のNHK紅白歌合戦も史上最低の視聴率と言われて、テレビ離れも影響しているのかもしれません。

ライターとして私自身は「TVぴあ」で仕事をしたことはありませんが、高校生の頃は好きなアイドル、アーティストが出演する番組をチェックするために、購読していた記憶があります。テレビ情報誌といえば、「TVぴあ」のほか、「TVBros」もあります。「TVBros」は特集が面白く、表紙も凝っています。テレビをいかに面白く見せるのか、ということを考えてきたのがテレビ情報誌だったと思います。

しかし、単に番組チェックならば、インターネットできます。好きなアイドル、アーティストが出演する番組チェックであれば、ブログやツイッターをはじめとするオンライン上の公式情報を見れば済んでしまいます。

さらに、ビデオリサーチによると、2015年の第66回NHK紅白歌合戦の視聴率は、特に後半(第2部)が関東地区で39.2%。2部制になった1989年以降では最低となりました。視聴率の記録が残る62年以降でも最低の数字でした。

年末年始の過ごし方をはじめ、生活が多様化しています。私自身も紅白歌合戦は過去10年間のうち、リアルタイムで観たのは1回だけです。旅行に出かけたり、友人とカウントダウンをしたりすれば、紅白を見ない傾向になるでしょう。こうした生活環境の変化や情報環境の多様化で、「紅白」離れが進んだともいえるでしょう。

一方、そもそも雑誌の売り上げが低迷しています。私も執筆したことがある「月刊 宝島」も昨年、休刊しました。「宝島」といえば、サブカルチャーの情報発信をしてきた老舗の雑誌でした。サブカルチャーの情報がネットにあふれるようになり、書き手や担い手が雑誌以外にも自身のブログやSNS、ネットのニュースサイトでも発信できるようになりました。

テレビ情報誌と同じように、その担い手たちが情報を発信したいと思ってきた人たちが多くいる分野です。しかも、サブカルチャーはインターネットと相性がよいといった面もあったことも休刊の一因ではないでしょうか。

雑誌というビジネルモデルがいつまで続くのか、ということが出版業界ではいつも話題になります。雑誌の収益モデルは、講読料と広告費です。広告費の収入は、インターネット広告よりも、安定したモデルとなっていますが、広告主の企業が「雑誌広告」を見放す可能性もゼロではありません。もちろん、単純な宣伝活動だけではなく、雑誌媒体との関係づくりの面もあります。しかし、購読者が減少すれば、無視できるメディアにもなります。

もちろん、雑誌のよい面もあります。インターネットの場合、基本的にはユーザーの関心のあるキーワード検索によって情報を収集します。そのため、一つのテーマを深堀ができます。一方、雑誌の場合は、知らないキーワードを提示してくれて、情報の幅を広げてくれます。もちろん、雑誌的な役割をするネットメディアも増えてきていますので、どのように融合していくのかが今後のカギとなることでしょう。

現在のところは、人材や取材費が豊富な雑誌と、情報拡散力があるネットメディアとのほどよい関係を見つけていくしかないのかもしれません。知りたい情報を知りたいときに、そして、知らない情報を適度に提示してくれるメディアが欲しいですが、それが雑誌なのか、ネットメディアなのかはどちらでもよいかもしれません。

[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中

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