「下剋上球児」中沢元紀・兵頭功海・菅生新樹・奥野壮、特殊な現場の様子語る「どこが使われるか分からない」<インタビュー後編>
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◆鈴木亮平主演「下剋上球児」
今作は、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描く、ドリームヒューマンエンターテインメント。
中沢は名門クラブチームの元エース・犬塚翔(いぬづか・しょう)、兵頭は臆病な性格の根室知廣(ねむろ・ちひろ)、菅生は3年生で野球部のキャプテンを務める日沖誠(ひおき・まこと)、奥野は先輩が引退し人数が減ったせいで試合ができなくなり幽霊部員になってしまったお調子者で子どもっぽい性格の野原舜(のはら・しゅん)を演じる。
◆奥野壮ら、現場の様子明かす「撮影方法が特殊」
― 撮影中のエピソードをお聞かせください。
兵頭:撮影というより一生懸命野球をやっているところをたまたま撮られているという感覚です。撮影が終わったら学校のプールにあるシャワーに直行して「よっしゃ、着替えて帰ろう」みたいな感じで、部活みたいに撮っています。「この歳になって、汗かいてシャワー浴びるってないな。一生忘れないだろうな、この夏は」と思いました。
奥野:撮影方法が特殊で、長回しが多くその中で自由にアドリブでお芝居をさせてもらうというのが大半です。しかも、テストからカメラを回していて、本番ももちろんやるのですがどこが使われるか僕らも分からないんです。これは今までの現場ではなかったので特殊だなと思います。
中沢:「準備中のほうがいい表情しているね」と言われることもあります(笑)。
菅生:食事休憩は控え室などで別々に飲食するのですが、撮影地が学校ということもあり鈴木さんと外のベンチで一緒にお弁当を食べたり、ちょっとしたゲームをしたりして距離が近くなっていきました。本当の先生と生徒みたいで。こういうのは普通じゃできないよなと思いました。
奥野:亮平さんは常に控え室で自前のネットやバットでノックの練習をしているんです。たまに僕たちのところに来て「今ノックやってるから打ってみる?」とおっしゃって僕らもノックをさせていただくということもありました。
菅生:柔らかいボールだから怪我とかはないけど、結構近い距離だよね(笑)。
奥野:「このノックであの的に当てたら景品渡します」とか、ゲーム形式にして楽しくしてくださっています。
― 酷暑の中での撮影で大変だったエピソードはありますか?
中沢:僕がピッチャーでストライクが入らないと始まらないシーンで、なかなか入らないときに日沖キャプテンや外野が「頑張れ、頑張れ」と言ってくださるのですが、お芝居でもあるから100%で返せないというのが申し訳ないと思うときもあります。みんな暑いはずなのに声を出して元気よくやっていますし、スタッフさんもお水を持って来てくださったり日傘をさしてくださったりして僕たちよりも大変だと思います。1つの作品を作るチームとして酷暑の中頑張っているという感じです。
◆座長・鈴木亮平&先輩・黒木華との共演で学んだこと
― 鈴木さんと黒木さんが「野球部のみなさんが本当に素晴らしい」と絶賛されていたのですが、お二方との共演で感じたことや勉強になったことはありますか?
菅生:僕たちで考えがまとまっていないときに、亮平さんが監督に僕たちのことについて質問してくださるんです。僕らが気づいていないところも気づいてくださって、それを目の前で聞いてくださるから、更に監督からの話を聞いて自分でも考え、理解し、納得して演じられるので、本当に凄いなと思いました。
兵頭:僕は鈴木さんとのシーンが多くて、そのときに台本に書いていないことやそのシーンの前にあったことの想像を共有してくださるんです。1つ1つこだわった上であのナチュラルさを出されているんだと感動しました。また、全体で本読みしていたとき、鈴木さんは脚本家の方と相談してセリフを書き直していたんです。だからセリフに聞こえず、全てが生っぽくて毎回驚かされています。
菅生:それは亮平さんだけに限らず、黒木さんもです。
奥野:本読みのときに、鈴木さんはじめ、生瀬(勝久)さんや小日向(文世)さん、各俳優部のみなさんは「なんだこの説得力は」と感じさせる力を持っていると思いました。
菅生:すぐ自分の言葉にするよね。
奥野:「そういう風に言うよな」とこっちが納得させられるようなセリフの出し方を目の当たりにし「僕たちはいつになったらこうなれるんだろう」と遠く感じたところはありました。
菅生:生瀬さんと小日向さんのやり合い、面白かったよね!
一同:めちゃくちゃ面白い!
菅生:事前準備をどこまでされているかも分からないですし、台本を見て喋っているんだけど見ていないという感じです。
奥野:アドリブもやりすぎず、些細な変化なのにとても面白くなっていたりして、バランスがすごいなと思います。
中沢:黒木さんは、テストでOKが出た日があって、そのときにみんな「テストだったんだ」と驚きました。スタッフさんが黒木さんに「大丈夫ですか?」と聞いたときに「私はいつも100%でやっているので大丈夫です」とおっしゃっていて。
一同:かっけぇー!
中沢:そうするのがもちろん役者として当たり前なのですが、改めて経験値を積んでいる方から聞くその言葉が印象的でした。
菅生:みなさん背中で見せてくださっています。
◆菅生新樹、塚原あゆ子監督の「“素敵です”が欲しい」
― 今作は、名作と呼ばれるドラマを作られてきた新井プロデューサーと塚原監督のタッグということで、そのお二方とのやりとりや、お二方の作品に出るということへの思いを教えてください。
菅生:もちろん嬉しいです。
奥野:球児の全員が塚原監督のことが大好きで、演出のときに「こう思うんだけどどうですか」という投げかけをよくしてくださるんです。「なるべく自由にお芝居してください」という僕たちに選択肢を与えてくれるスタンスが素敵だなと思っています。塚原監督が現場で僕たちの方に話しに来てくださる度にワクワクするというか、「何を話してくれるんだろう」というのがあって。ダッシュで来てくれるのも嬉しいです。
兵頭:1人1人の役を愛していることが伝わってきて、だからこそ僕らも塚原監督のことを信頼しています。言葉は違うかもしれないけど愛せるというか…。「なんで塚原監督は全体を見ながらこんなに僕らの役のことも分かるんだろう」「もしかしたら僕より分かっているのかもしれない」と思ってしまうんです。答えはくれないけど、自分で思いつかないことのヒントをくれます。
奥野:そのくらい塚原監督の言葉が僕たちの中にすっと腑に落ちます。
兵頭:それぞれ自分が住んでいる家のセットの細部までのこだわりがすごいです。どこの引き出しを開けても何かが入っているし、僕の家の冷蔵庫が映るシーンでは6個入りの卵パックが4個だけ入っていたり、飲みかけの麦茶があったりします。画に映ったときに塚原監督が小道具のスタッフさんの名前を呼んで「このセットのここが素晴らしい」と褒めて、スタッフさんがみんなで拍手したりと、すごく空気がいいです。
菅生:あの「素敵です」が僕も欲しいです(笑)。僕たちは自分で考えられるレベルなんてたかが知れているのに、その中でも僕たちの中にあるものを引き出そうとしてくださって、僕たちに考えさせてくれる演出をしてくださいます。一緒に考えて模索してくださるところが嬉しいです。新井さんはオーディションで決めてくださったので生みの親みたいな感覚です(笑)。現場で会うとたわいもない話をしたくなるし、現場にいて下さるとより一層頑張ろうって思える存在です。新井さんには僕たちを選んで良かったと思えるように日々作品に取り組んでます!!!
中沢:段取りではないところが好きです。その場で感じたことを大切にしてくださります。スタートがかかると自分では意識しているつもりはないのですが、どこからか撮られているという意識が働いてしまうことがあって。本番で表情や動きが硬くなってしまったときに緊張をほぐしてくださって、リセットして落ち着いて撮影ができました。的確な声かけがありがたく、僕が助けられている部分です。
奥野:どの部署の人に対してもリスペクトフルな監督で、僕たちはみんな大好きです。
― 貴重なお話をありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆中沢元紀(なかざわ・もとき)プロフィール
2000年2月20日生まれ。茨城県出身。2022年配信のWEB CMドラマ「メゾンハーゲンダッツ 〜8つのしあわせストーリー〜」で俳優デビュー。近年の出演作は、映画『沈黙の艦隊』(2023年)、TBSドラマストリーム『埼玉のホスト』(2023年)、フジテレビ系ドラマ『ナンバMG5』(2022年)など。
◆兵頭功海(ひょうどう・かつみ)プロフィール
1998年4月15日生まれ。福岡県出身。2018年、GYAOとアミューズが共同実施したオーディション『NEW CINEMA PROJECT』の出身者部門でグランプリを受賞。映画『五億円のじんせい』(2019年)で俳優デビュー。近年の出演作は、読売テレビ・日本テレビ系日曜ドラマ『CODE―願いの代償―』(2023年)、主演映画『消せない記憶』(2023年)など。
◆菅生新樹(すごう・あらき)プロフィール
1999年8月26日生まれ。大阪府出身。縦型動画プラットフォーム「LINE NEWS VISON」の縦型ドラマ『トップギフト』(2022年)でドラマ初挑戦、俳優として本格デビューを果たす。その後日本テレビ系『初恋の悪魔』(2022年)で話題に。近年の出演作は、フジテレビ系主演ドラマ『凋落ゲーム』(2023年)やテレビ東京系『なれの果ての僕ら』(2023年)など。
◆奥野壮(おくの・そう)プロフィール
2000年8月21日生まれ。大阪府出身。2017年、『第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でフォトジェニック賞・明色美顔ボーイ賞を受賞。近年の出演作は、主演映画『灰色の壁―大宮ノトーリアス―』(2022年)、映画『Gメン』(2023年)、MBS新ドラマ『女子高生、僧になる。』(2023年)など。
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