松本まりか、苦い思い出の地で得た“幸せを感じるヒント” 明確化した役との向き合い方とは<地球の歩き方> | NewsCafe

松本まりか、苦い思い出の地で得た“幸せを感じるヒント” 明確化した役との向き合い方とは<地球の歩き方>

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松本まりか(C)ドラマ「地球の歩き方」製作委員会
松本まりか(C)ドラマ「地球の歩き方」製作委員会 全 1 枚 拡大写真
【モデルプレス=2024/02/22】女優の松本まりか(まつもと・まりか/39)が、真夜中ドラマ「地球の歩き方」(テレビ大阪/毎週土曜深夜24時55分〜※放送時間変更の可能性あり)のサイパン「七色の海と精霊特集 サイパン島〜マニャガハ島〜テニアン島」編(2月24日、3月2日、9日放送)に出演。本作のプロデューサー・岡本宏毅氏とともに人生観が変化したというサイパンでの撮影を振り返った。

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◆真夜中ドラマ「地球の歩き方」

1979年の創刊以来、160以上の国・地域を網羅し、120タイトルを発行する旅行ガイドブック「地球の歩き方」。ユニークな視点で脚光を浴び続ける同シリーズと真夜中ドラマがコラボレーション。本作では、旅好き芸能人たちが「地球の歩き方」編集部から特集を組んでほしいと依頼を受けて、現地を旅する。取材する国は韓国(三吉彩花)、タイ(森山未來)、サイパン(松本)、ニュージーランド(森山直太朗)の4か国。4人の芸能人がそれぞれ1つの国を担当し、実在する人物に話を聞いたり、実在の場所に訪れたり、自らが取材を通じてその国の新たな魅力を発見し、オリジナル特集ページを完成させていく。

◆松本まりか、苦い思い出のサイパンを旅した理由

松本が旅したのは15歳の初海外から6回ほどグラビアの撮影で訪れたというサイパン。「当時はグラビアの活動に少し抵抗があって、綺麗な海もあったのですが、複雑な摩擦がありました」と打ち明ける。

今回の旅先を決める際には違う国を志望したというが、松本の苦い思い出を聞いたスタッフからの「逆にサイパンしかない」という声によりサイパン行きを決意。「今ここでサイパンに行かなかったら、多分一生私はサイパンに行かずに死ぬんだろうなと。そんな心残りのまま死にたくないなと思いました。そこに何かあるのかな、賭けたいな、というワクワクもありました。複雑な気持ちでサイパンに行ったとしても視聴者のみなさんに楽しんでもらえる作品ができるのか?という思いもありましたが、それを凌駕するものを作らなくちゃいけないんだ、見つけなくちゃいけないんだ、というのが自分の中の1つのモチベーションになりました。どうなるかわからない、だけどやってみたいという挑戦。ワクワクと不安が混沌していました」。

◆松本まりか、心動かされた出会い

サイパンはこれまで様々な国に統治されてきた。自分たちのアイデンティティーを削がれつつも幸福感に満ちているサイパンの人々の表情を見た松本は1つの疑問が浮かんだという。「何でこの人たちはこんなに幸福そうなんだろう」。

「最初はサイパンに乗り気ではなかったので、海を見て何も感じていなかったのですが、彼らに出会って興味を持ち始めて、そこからすごくドライブがかかりました。『彼らはなぜこんなにも幸福なのか』。私たち日本人は技術も進歩してこれだけ物質的に豊かになっていますが、自分自身心が生きているのか死んでいるのかよくわからないという時期もあって。でも彼らはすごく幸福そうに生きている。幸福感とか充実感、あとはすべてのものに対してリスペクトしているところにすごく心動かされました。私にとって必要な出会いでした。きらびやかで飛びつきたくなるようなものではなくて、本当の意味で幸せを感じることができるヒントを今回のサイパンの旅では垣間見られるのではないかなと思います」

松本の言葉に対し岡本氏も「スタッフも本当に人生観が変わったというか、人生が豊かになるような撮影でした。普段ドキュメンタリーをやっている熟練のカメラマンが思いがけず涙を流す瞬間があり、それくらい心が動かされる旅でした」と語っていた。

◆松本まりか、1週間に全力投球

ドキュメンタリーとドラマが融合した本作。松本の場合は現場で制作陣とディスカッションを行った結果、ドキュメンタリー9割、ドラマ1割とドキュメンタリー要素の強い作品になったという。「最初はドキュメンタリーとして撮影に入ったのですが、このまま行くとずっとドキュメンタリーになってしまうと思ったんです。『ここはドラマっぽくした方が面白いんじゃないか』と現場でパッと思い付いて、もう1回撮り直したりしました。ドキュメンタリー部分とドラマの部分を繋げるために『もう少しこうしよう』といった話を毎晩ロケが終わった後に、スタッフさんとご飯を食べながら語り合っていました。本当に一体感のあるチームでした」。

撮影期間はおよそ1週間。「みんな自分の時間をすべて費やして、このドラマを自分たちのセクションで自分たちのできる限りのことをしようというその思いがものすごく強くて。終わった後、達成感、充実感がありました。仕事としてという感覚は全くない。自分たちがいかにその瞬間を生きるか、100%やりきるか、という姿勢で全員がロケに臨めました。仕事の仕方ってそういうことなんじゃないかなって。今いかにこの瞬間を全力でやれるか、その積み重ねが幸福感や充実感になる。だから全部“経過”なんですよね。この作品がいいものになるかどうかわからない。やり切るということがいかに美しいものなのかを味わいました」。

◆松本まりか、撮影で得た気づき

本作の撮影では、プロデューサー、カメラマン、音声やヘアメイクなど周囲のスタッフの意見も大切にしたそう。「1人で見つけたものはきっとあんまり面白くないと思うんです。みんなの化学反応が起きて見つけていく、そういう仕事の仕方をこれからもしていきたいと思いました。すごく理想の仕事の仕方でした。こうやって人と関わることがこんなにも幸せなことなんだ、本当に幸せってこういうことなんだと。私たちの仕事は良いも悪いも人に影響を与えてしまうので、お互いリスペクトして自分だけの思いにならないように、違う意見も聞きながらやっていくことが大事なことなのではないかと気づきました」。

作品の“ゴール”は撮影をしながら模索。「皆さんがこの作品を観て本当に納得できるようなラストに落とし込めるのか、自分自身もその答えに行き着くのか未知の状態で撮影に行きました。だからその答えを数日の間に、いかにして見つけようか、というのを私だけではなく、撮影チームが色々な意見を出し合ってゴールを見つけました。この経験は私の中でも心に刺さるものでしたし、この旅は自分の人生のとても大きな、美しく大事な気づきを得たという確信があります」。

岡本氏もチーム一丸となった撮影について「みんな別れが寂しくて。帰りは早朝の便だったのですが、最終日の夜、みんなで満天の星を見ながら過ごしました。ロマンチックな過ごし方でしたね」と回顧した。

一方、構成の竹村武司氏が考える物語を知りたくなかったという松本は「今回は、念願叶って竹村さんとご一緒する機会をいただけました。あらかじめ構成を頭で理解して臨むと、そこのゴールに行こうとしてしまう気がしたので、信頼する彼の構成に乗っかる形で、もっと開いた感性でいた方が面白くなるのではないかと思いました」と理由を語る。

「この作品はドキュメンタリーとドラマの融合した作品だから皆さんの手のひらに転がされながら、自分がどんどん見つけて行く、掴んで行く。それが合致すれば、それはそれだし、それが違う方に行ってしまっても、それはそれ。予断を許さない面白さが、この作品の他にない面白いポイントだと思っています」

作品に真摯に向き合う松本の姿を見てきた岡本氏。「すごく能動的に松本さんが一緒に探っていくというか。スタッフが想定した構成があるのですが、松本さんからの提案が我々の想定を超えることも多々ありながらやっていきました」と松本を称賛していた。

◆松本まりか、ドキュメンタリー×ドラマの魅力語る

また、普段の芝居とは違い、用意された言葉がないドキュメンタリーについて「演劇の基本がドキュメンタリーにはあるんです。何が起きるのかわからないワクワクの状態で演技をする。普段は『この後自転車にぶつかりますよ』などと先の展開が分かった上で演技をしていますが、決められた世界でしかできないということではなく、自分の感性を信じて、何か表現を生み出していくというのは役者にとってすごく大事なのでは」としみじみ。役者の中にはドキュメンタリーに苦手意識を持つ人も多いというが「数多くあるドラマの中で、皆さんが出会ったことのない新しいコンテンツとして、この作品の常連になりたいぐらい」と意欲を見せた。

そして、「ドキュメンタリーに少しドラマを混ぜることの面白さはたまらない」と本作の魅力にすっかり引き込まれた様子の松本。「ドキュメンタリーをやっている時は自分なので、嘘をつけません。過剰な表現ができないというか、本当に素直に感じたままの表現しかできないと気づきました。物語の最後で『精霊を感じますか?』と聞かれて、普通なら『感じられました』と言うべきところかもしれませんが今回はできませんでした。でも、それはそれでリアルだと思います」。

そんな中、「ここにドラマ要素を入れたら面白くなる」と役者のスイッチが入った瞬間も。「役が入ると普段の自分ではできない表現が自由になる、自分から自由になる感じです。ダンサーさんとか普段はおとなしいのにダンスになるとすごく大胆になったりするじゃないですか。演技も同じで大胆になるんです。別のフィルターを入れることで自分が今までできなかった表現ができるようになることに気付く。今まで言語化できてなかった部分なのですが、今回のサイパンで確信できるところに行くとは思っていなかったです」。

◆松本まりか、サイパンでの出来事は「マストで必要なもの」

松本にとって苦い思い出があったサイパンだが、今回の撮影で大きな変化が。「行ってみて気づいたのですが、今まではサイパンの表面上しか見ていなかったんです。ここで見たこと、感じたことはこの先生きる上で、自分にとってマストで必要なものでした。これを知るか知らないかでは、これからの生き方、仕事の仕方が全然違う。本当に運命でした」。

またサイパンに行きたいかとの問いには「人生の節目節目にタイミングがあると思うので、行くべき時がまた来るだろうなと思います」と話していた。

(modelpress編集部)

◆松本まりか(まつもと・まりか)プロフィール

1984年9月12日生まれ、東京都出身。2000年にNHKドラマ「六番目の小夜子」でデビュー。2018年に放送されたテレビ朝日系ドラマ「ホリデイラブ」で演じた“あざと可愛い”キャラクターで注目を集め、2021年にWOWOW「向こうの果て」で初主演を務める。2023年は、NHK大河ドラマ「どうする家康」、KTV・CX系「トクメイ!警視庁特別会計係」、映画「キリエのうた」など多数の作品に出演。映画「湖の女たち」(5月17日)の公開を控える。

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