BLACKPINKジェニー・IVE・aespa…“魔法少女化”するK-POPアイドルと日本発クリエイターの活躍
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モデルプレス/ent/korean/talent
【写真】aespa、大胆美脚披露
◆ジェニー×セーラームーン 武内直子氏の描き下ろしジャケットが話題に
秘密の呪文や魔法アイテムを使いこなし、仲間同士で連帯して悪に立ち向かっていく“魔法少女”たちは、いつの時代も憧れのヒーロー。私たちを熱狂させてきた“魔法少女”の最たるものが『美少女戦士セーラームーン』だろう。漫画家・武内直子氏によって1991年に連載が始まった同作は、世界各国でアニメが放映されるほどの人気作に。キラキラとしたファンタジーの中で女性の強さを描き、ガールズカルチャーに多くの影響を与えてきた。
『You&Me』は、2022年10月からスタートしたBLACKPINKワールドツアー『BORN PINK』のソロステージで初披露。「I love you and me, dancing in the moonlight」という歌詞に乗せて、巨大な月をバックに男性ダンサーとジェニーが躍るパフォーマンスはまさにセーラームーンとタキシード仮面の世界観である。
世界中のツアー会場で『You&Me』が披露された2022~23年は、『セーラームーン』30周年プロジェクトの節目にも重なった。2023年6月にはジェニーがグローバルアンバサダーを務めるラグジュアリーブランド「CHANEL」と同作がコラボ。10月にデジタルリリースされた『You&Me』のジャケットは武内氏が書き下ろし、世界的なニュースになった。
ジャケットは、満月を背景にステージに立つジェニーを漫画のイラストにしたもの。ジェニーのトレードマークでもある黒髪で、主人公・月野うさぎのお団子ツインテールが再現されている。同曲は韓国内主要音楽チャートで長期間上位につき、SNS上でもバイラルヒット。武内氏が描き下ろしたジャケット画像も一躍有名になった。
◆IVE「Accendio」を彩った2人の日本人クリエイター
そして2023年末以降、日本をロケ地としたドラマ『イ・ドゥナ!』やRIIZE(ライズ)の楽曲『Love 119』のヒット、日本の青春アニメソングを彷彿とさせる(G)I-DLE(ジー・アイドゥル)の『Fate』やQWER(キューダブリューイーアール)の『T.B.H』の人気が高まるなど、K-POPで日本ブームの傾向がさらに色濃くなる。そんなトレンドの後押しもあってか、日本の“魔法少女”アニメ・漫画からインスパイアされたようなK-POP楽曲のコンセプトが続いている。強者に立ち向かう女性たちのシスターフッドをドリーミーなカワイイ感性で描く“魔法少女”の世界は、女性アイドルたちの求心力と調和するのだ。
IVE(アイブ)が4月29日に発売した2nd EP『IVE SWITCH』は、リリース前にコンセプトフォトが公開された時から魔法ステッキ、変身アイテムのような巨大なリング、コンパクトミラー、ジュエリーで彩られたベルトバックルなどが登場し、「魔法少女の実写化」だと話題になった。
15日にMVが公開された『Accendio』は、「呪文を唱える」という歌詞がサビに出てくるなどまさしく“魔法少女”的世界観で愛に直面した感情を表現した曲。ユ・グァングェン監督がメガホンを取ったMVは、メンバー演じる白い魔女と黒い魔女がバトルを繰り広げる1人2役のストーリー。魔法のステッキが光を放ち、7人が次々に変身するアニメさながらのシーンが実写で再現されている。
変身したメンバーが指にはめ込む、リボンや羽が付いたリングは、ヘアメイクアップアーティスト・クリエイターとして活躍する松野仁美氏が手掛けた。松野氏は日本でヘアメイクとして活動しながらヘッドピースのクリエイターを始め、2021年から約1年間韓国を拠点に。Red Velvet(レッドベルベット)やNewJeans(ニュージーンズ)のMV用にもヘッドピースやアートピースを提供している。2024年はカイリー・ジェンナーのコスメブランドから発売された初のフレグランス「COSMIC」のコマーシャルに作品を提供するなど、アメリカ進出も。花や蝶といった有機的な物と、SF作品に登場するような未来科学的な物が融合されたデザインが高い評価を得ている。
“魔法少女”たちのネイルチップを始め、ヘアピンや手・指に装着するアクセサリーを制作したのは海外アーティストから引っ張りだこのネイルアーティスト・Tomoya Nakagawa氏。東京生まれで、アパレル職の後に漁師を経験、その後ニューヨークでネイルアーティストとして成功を遂げたという異色の経歴の持ち主だ。今では多くのクリエイターが使用している3Dプリンターでのネイルピース制作をいち早く始め、歌手・ビョークのネイルを手掛けたことをきっかけにワールドスターたちへ作品を提供する人気アーティストとなった。
韓国でも特集記事が組まれるほど有名で、NewJeans、SEVENTEEN(セブンティーン)、LE SSELAFIM(ルセラフィム)、XG(エックスジー)などTomoya氏の作品を見ない日はないほど。漁師経験が生かされた、海洋生物のような神秘的なデザインや、卓越した3Dアート技術で“Y3K(3000年代をイメージしたようなフューチャリスティックなスタイル)”トレンド化が進む音楽シーンのビジュアル面を支えている。
◆「Licorice」で二次元化するaespa 日本のアニメーションからインスパイア
aespa(エスパ)はデビュー当初から“悪の権化”である大蛇Black Mambaとの戦いをテーマに掲げ、メタバース空間で戦うガールズヒーローが彼女たちのアイデンティティでもある。楽曲の歌詞からはBlack Mambaとは女性たちを虐げるホモソーシャルな慣習や家父長制であり、それと立ち向かうシスターフッドの物語だと読み取れることもでき、次世代のガールズリーダー像として熱く支持する人も多い。
アメコミヒーローやハリウッド映画に登場するアサシンのような姿を披露することが多かったaespaにも、2024年は少し変化が。5月27日に発売される1stFULLアルバム『Armageddon』の収録曲『Licorice』の映像には、日本のSF少女アニメのような二次元アニメーションが登場する。メンバーがキュートなアニメキャラになり、“ミントチョコモンスター”と対決する同映像。アニメーションディレクターのYOGYURAE氏は韓国のクリエイターだが、昔の日本のアニメのスタイルや美学にインスピレーションを得て制作したという。今後も世界に羽ばたくK-POPと日本が生み出すクリエイティブの不思議な関係性に注目が集まっている。(modelpress編集部)
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