【高畑充希&岡田将生インタビュー】局部刺される体当たりシーンに衝撃 “いびつな夫婦”演じ変化した結婚観<1122 いいふうふ>
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【写真】高畑充希&岡田将生のウェディングフォト
◆高畑充希&岡田将生W主演「1122 いいふうふ」
本作は、「月刊モーニングtwo」(講談社)で連載開始後から、セックスレス・不妊治療など30代夫婦のリアルを描いた内容や、夫が妻公認の恋人をもつ「婚外恋愛許可制」を導入するというこれまでになかったストーリーで「妻に読ませたくない」、「夫に読ませたい」と話題になり、SNSを中心に男女で登場人物に対して持つ印象が異なると意見が飛び交った渡辺ペコ作の同名コミックを実写化。監督を務めるのは今泉力哉、脚本は妻のかおりが担当し、初の合作で夫婦としてのあり方に一石を投じるマリッジストーリーを描く。
ウェブデザイナーの相原一子(高畑)と文具メーカー勤務の二也(岡田)は、結婚7年目で子供なしの仲良しな夫婦。二也は毎月第3木曜日の夜に恋人と幸せなひとときを過ごし、一子は夫へ不満を抱き始め友人の助言で女性向け風俗店に通い始める。円満な家庭を保つために「婚外恋愛許可制」を取り入れた夫婦の結婚の先にあるリアルが詰まった物語となっている。
◆高畑充希「性的描写は絶対避けられない」作品の印象は?
― はじめに、原作と脚本を読んだ時の感想を教えてください。
岡田:僕は、脚本を読んでから原作を読んだのですが、ストーリーが綺麗に作品に反映されており、会話がよりリアルになっているのがとても素敵だなと思いました。一方で、演じるにあたってかなりのエネルギーが必要だなとも感じました。
高畑:私は、以前から原作を読んでいて絶対にドラマ化してほしいと思っていたんです!みんな一生懸命で、間違っていないけれど、みんな間違っている。人間だから矛盾した行動もしてしまうし、正しくないことをして後悔して立ち直ることもある…それぞれ登場人物に共感出来る部分があるので、みんなを愛せるなと読んでいて感じます。
初めて原作を読んだ20代の自分が一子を演じるのは想像がつかなかったので、年月を経て演じられるのは嬉しかったです。性的描写は絶対避けられないですし、そこは原作に忠実に描いてほしいと感じていたので、地上波での放送は絶対に無理だと思っていて…。そのため、今回配信という形で必要なセリフやシーンを省かず、面白さがそのまま作品に反映されているのは今泉夫妻の凄さを実感しました。
― 原作は、男女によって感想が異なるということでも話題を集めましたよね。
岡田:インターネットに掲載されている原作の感想を読んだのですが、「二也はクズだ!」と書いている人があまりにも多くて…(笑)。僕は、その意見を「絶対にそんなことはない!」と強く思いながら演じているので、漫画を見ていた方にもぜひドラマを観ていただきたいです。
高畑:二也をクズだと思う方もいるんですね。私は、原作を読んだときに全く思いませんでした。
岡田:すごい書かれ方だったよ!また僕はクズの役を演じるのか…と思いました(笑)
高畑:お手のものでしょ(笑)!
岡田:(笑)。でも、僕は二也をクズとは捉えていません。完璧な人間なんていないですし、誰だって間違いを犯すじゃないですか。別に彼のことを全否定しなくてもと思うので、ここからの二也を見て欲しいです。
高畑:実写版の二也はどうなるのだろうと思っていましたが、岡田さんが本読みで二也のセリフを読んだ時にとてもチャーミングな印象を受けました。人間が表現するとより愛すべき存在になる感じがして驚いた記憶があります。
― 役を演じる上で共感した部分、自分とは違うと感じた部分を教えてください。
岡田:少なからず、僕は恋人の携帯は見ないです(笑)。
高畑:修羅場だったね(笑)。私は、一子みたいにあそこまで大雑把な性格ではないですが、精神的に共感できる部分は多いです。あまりこだわりがなく、大体のことがなんとかなると考える部分は似ているかな。
あと、一子を演じる上で母親との関係性について考えることが自分自身の中で大きかったです。うちは家族の仲が良いため、分かり合えるわけがないという感覚はないのですが、一子は幼少期から分かり合えない人が一番近くにいたからこそ、親子関係が良くなるはずないという感情がどこかにある人だと感じていました。最終的にあえて離れる決断をする部分は私とは大きく違うかなと思います。
― 結婚7年目の夫婦を演じるということで、関係性や距離感を作る上で大切にしていたことはありますか?
岡田:クランクイン前から関係値を作っていた方がお互いにやりやすいということはわかっていたので、共通の友人を介してお会いしました。そこがプラスに働いた気がします。
高畑:確かに。結婚7年目の夫婦ということで、目を見なくでも会話ができるくらいの関係性でいられるように意識をしました。私も岡田さんもお互いに人見知りなので、撮影で初めましてだったらあの空気感では演じることが出来なかったと思います。逆に、一子が通う女性向け風俗店のセラピストを演じた吉野北人くんは現場で初めてお会いしましたが、その緊張感が役柄としては良かったかもしれません。
◆岡田将生、体当たり“剣山シーン”の裏話
― 挑戦的なシーンが多くありましたが、演じる上で難しさはありましたか?
高畑:最近は、性的な描写を撮影する際にインティマシーコーディネーターの方が入ってくださる機会が増えて、初めは緊張感がある現場もあったのですが、撮影が始まると会話劇役同士の話の展開の難しさに気を取られて、性的な描写を演じる上での難しさはあまり感じなくなりました。
岡田:僕はインティマシーコーディネーターの方が入ってくださる現場が初めてだったんです。「何がダメですか?」、「何が嫌ですか?」と予め確認して監督にお伝えしてくださったので、基本的にストレスがない状態で撮影に臨める環境はとても良いなと感じましたし、それと同時に今までなぜこのシステムがなかったのだろうと思いました。僕たちが演じる上での難しさを取り除いてくれる機会ができたことで、スムーズに演技することができたと思います。
高畑:私は、西野七瀬さん演じる柏木美月が二也の局部に剣山を突き刺すシーンが衝撃的で印象に残っています(笑)。
岡田:剣山のシーンは、助監督の皆さんが安全を考慮した上で、本番前に実際にシュミレーションしてくださったのですが、本番で中々綺麗に血糊が出なくて…(笑)。ワンカットで撮影しているので、試行錯誤しながら西野七瀬さんも楽しんでやってくれていた記憶があります。
高畑:絶対に怖いよね、剣山で刺す側の西野さんも…。
岡田:とっても怖かったと思う。だから何度も事前にシュミレーションして安全に撮影しました。
◆高畑充希&岡田将生、作品通じて結婚観に変化
― 本作を通じて結婚に対するイメージの変化などはありましたか?
岡田:結婚に対して幸せなイメージばかりを持っていたので、人と住むこと、結婚することはこういうことかと作品を通じて勉強させていただきました。様々な出来事に対して2人で対処していく、その相手が誰かによって変わる面白さもあると思いましたし、支え合う素敵な部分もあり…僕が想像していた理想とはかけ離れていましたが、結婚に対してより現実味が増しました。
高畑:私も、これが現実かと思いました。どんな夫婦にも問題はあり、その部分を解決していく気合いがあるかないかで関係性も変化するのかなと、作品を通じて思いました。私自身、結婚に対して現実的な感覚を持っていた方なのですが、どんな結婚が自分にとって理想なのかなと改めて考えさせられましたね。
― どのシーンでそう感じました?
高畑:会話をしなくて上手くいくことや、深く追求しないことが大事な場合もあると思うのですが、こうして諦めずに会話を重ねる2人は素敵な夫婦だと勉強になりました。
岡田:2人は、どこか歩み寄ろうとしている様が会話の中から見えると思います。突き放すことができる状況でも突き放さず、互いを理解しようとする姿は僕も良いなと思いました。
― 人間関係の難しさを改めて感じたと思うのですが、お2人が考える人間のちょうど良い距離感を教えて下さい。
岡田:無音の空間に一緒にいられる人が安心できます。家族で一緒にいる時は無音が多かったので、家族がちょうど良い距離感なのかもしれないです。
高畑:逆にうちはよく喋る家族なのですが、聞かなくて良いことや踏み込まない領域など、お互いのテリトリーはなんとなく昔からあって、全部知りたいという感情も全くないので、何かをしてくれる人よりも、何もしないということを良いバランスでし合える関係性が1番心地良いと感じます。
◆高畑充希&岡田将生の「夢を叶える秘訣」
― 本作は夫婦のすれ違いを経て幸せのかたちを模索していく物語になっていますが、2人がこれまでの人生の中で幸せや夢を掴むために困難や悲しみを乗り越えた経験がありましたら教えてください。
高畑:私はどちらかというとポジティブな性格で時間が経てば嫌なことは忘れるので、どうにもならないことを深く考えないようにしています。無関心になることも難しいのですが…バランスが大事です。
岡田:僕はものすごくネガティブな人間ですので、全てが困難です(笑)
高畑:なんだか、生きるのが大変そうだよね(笑)
岡田:本当にそう(笑)!僕は辛いことがあったら全力で人に甘えて、何かあれば「助けてほしい!」と役者仲間にヘルプを求めるようにしています。
― 幸せな夫婦生活を続けるため、2人が行動していく本作ですが、2人がこれまでに自分の理想や夢を叶えるために行動した経験がありましたら教えてください。
岡田:僕はこれまで自分が思っていることを口に出すタイプではなかったのですが、最近は言葉にすることが大事だと感じるようになりました。30代になってから自分の声で発信したことが実現していく機会が増え、いろんな人の知恵と力を借りてやりたいことを実現させることにも繋がると思うので、夢を叶えるためには発信することが大切だと思います。
― 「ヘルプを求める」という部分にも繋がっていますね。
岡田:この仕事をしているとやりたいことや関わっていきたい仕事が増えてきます。30代になるといろんなお仕事を経て経験を重ねて、人に力を借りることも大事だと改めて気づきました。
高畑:私の夢を叶える秘訣は、自分を洗脳することです。私の最初の夢はミュージカル俳優になることだったのですが、「必ずミュージカル俳優になれる!」と自分を洗脳していたんです。すると自然と行動やメンタルがその方向に向くようになるので、昔から夢に向けて自分を信じ込ませるようにするようにしていました。
― 素敵なお話、ありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆高畑充希(たかはた・みつき)プロフィール
1991年12月14日生まれ、大阪府出身。13歳で女優デビューを果たし、2007年から2012年まで6年間にわたってミュージカル「ピーターパン」で8代目ピーターパン役を務める。その後「ごちそうさん」(NHK/2013年)や「とと姉ちゃん」(NHK/2016年)ではヒロインに抜擢され、話題を呼んだ。近年の主な出演作にドラマでは、「過保護のカホコ」(日本テレビ/2017年)、「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」(日本テレビ/2022年)、「unknown」(テレビ朝日/2023年)など。映画では「こんな夜更けにバナナかよ、 愛しき実話」(2018年)で第43回日本アカデミー賞最秀助演女優賞を受賞し、「ヲタクには恋は難しい」(2020年)、「キャラクター」(2021年)、「怪物」(2023年)、「ゴールデンカムイ」(2023年)など多数出演。また現在放送中のNHK大河ドラマ「光る君へ」に藤原定子役として出演中。
◆岡田将生(おかだ・まさき)プロフィール
1989年8月15日生まれ、東京都出身。2006年にデビューを果たし、初主演作「ホノカアボーイ」(2009年)や「重力ピエロ」(2009年)などで国内映画賞の新人賞を多数受賞。「告白」(2010年)「悪人」(2010年)で日本アカデミー優秀助演男優賞を受賞し、その後も NHK大河ドラマ「平清盛」(2012年)、テレビドラマ「リーガル・ハイ」(フジテレビ/2012・2013年)、「ゆとりですがなにか」(日本テレビ/2016年)、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(2019年)、「大豆田とわ子と三人の元夫」(カンテレ/2021年)、「ザ・トラベルナース」(テレビ朝日/2022年)など映画やドラマで幅広く活躍。近年の映画出演作に「ドライブ・マイ・カー」(2021年)、「1秒先の彼」(2023年)、「ゆとりですがなにか インターナショナル」(2023年)、「ゴールド・ボーイ」(2024年)など多数出演。2024年8月23日に「ラストマイル」が公開。
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