子供のむし歯過去最小、視力は低下傾向…学校保健統計調査
子育て・教育
リセマム/生活・健康/未就学児
学校保健統計調査は、学校における幼児・児童・生徒の発育や健康の状態を明らかにすることを目的に1948年度から毎年実施している。調査対象は、国公私立の幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校、高等学校の満5歳から17歳までの一部(抽出調査)。
調査の確定値によると、裸眼視力1.0未満の者の割合は、年齢が高くなるにつれて増える傾向にあり、幼稚園22.92%、小学校37.79%、中学校60.93%、高校67.80%。すべての学校種で前年度よりもやや減少しているが、小中高校はほぼ横ばいで高止まりしており、高校生では3人中2人が裸眼視力1.0を下回っている状態にある。
むし歯(う歯)の者の割合は、幼稚園22.55%、小学校34.81%、中学校27.95%、高校36.38%と、全学校種で過去最低値を記録した前年度よりさらに減少。各年代でむし歯の割合が90%を超えていた1970年代から、大きく改善している。鼻・副鼻腔疾患の割合は、小学校・中学校で1割程度だった。
身長の平均値および体重の平均値は、男女ともに1998年度ごろまで上昇し、その後横ばい傾向で推移している。小学6年生にあたる11歳男子の平均値は、身長146.2センチ、体重39.9キロ。11歳女子の平均値は、身長147.9センチ、体重40.2キロ。
平均体重の80%以下の痩身傾向児の割合は、男女とも10歳以降、約2~3%台となっている。一方、平均体重の120%以上の肥満傾向児の割合は、男女ともに小学校高学年がもっとも高い。特に男子は9歳以降の各年齢で1割を超えており、もっとも多いのは12歳で13.50%。女子は、8歳~13歳と15歳で8~9%台と高くなっているが、いずれの年齢でも肥満傾向児の割合は1割未満となっている。
なお、2023年度調査は前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により、例年4月1日から6月30日に実施する健康診断の実施期間を年度末まで延長した。文部科学省は調査結果について、成長の著しい時期において測定時期を異にしたデータを集計したもので、過去の数値と単純比較できないとしているため、その点を踏まえて調査結果を参照してほしい。
2023年度学校保健統計調査(速報値)の結果概要は、文部科学省Webサイトで公開している。
《畑山望》
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