【「光る君へ」吉高由里子インタビュー後編】柄本佑の剃髪シーン撮影見届けた理由「本当に佑くんが道長で良かった」クランクアップの号泣秘話
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【写真】吉高由里子&柄本佑、大河「光る君へ」で攻めの濃厚キス&ラブシーン
◆吉高由里子主演大河ドラマ「光る君へ」
大石静が脚本を手掛ける今作は、平安時代を舞台に、壮大で精緻な恋愛長編「源氏物語」を書き上げた紫式部が主人公。幼いころに出会い、特別な絆が生まれた道長とはお互いに強く惹かれ合うが結ばれることはなく、まひろは宣孝(佐々木蔵之介)と結婚。しかし、宿縁によりまひろは道長との子・賢子(南沙良)を出産する。一方で左大臣となり最高権力者となった道長は、嫡妻・倫子(黒木華)との娘・彰子(見上愛)を一条天皇(塩野瑛久)に入内させ、まひろに一条天皇に献上するための物語の執筆を依頼したことで「源氏物語」が誕生した。
第45回でまひろは道長に、長年の夢だった旅に出ることを告げ、賢子の出生を告白。その後、道長は出家するが、柄本が伸ばし続けた地毛で挑んだ剃髪シーンの撮影には吉高も立ち会ったという。
◆吉高由里子、柄本佑の出家シーンを見学
― 第45回でまひろが旅に発つ前に道長に別れを告げていますが、このときはこれまで以上に本当に別れを決意している印象でした。このときのまひろの心境をどう捉えていましたか?
吉高:苦しいですよね。役に立つこともできないと自分でもわかってしまっている上で手に入らない人のところにずっといる意味は何なんだろうか、とすべてが虚しくなってきたときだと思うので、私が私でない場所に行って解放されたい気持ちだったんだと思います。もしかしたら道長から必要とされる新しい言葉を聞きたかったのかもしれないですけど、そばにいるのが苦しかったし、役目も終わったと思っているから「私も精一杯やりましたよ」とふわっと言えるぐらいやりきったという達成感があったんだと思います。
― 第47回でまひろは出家後の道長と再会します。まず剃髪姿の柄本さんをご覧になったときの感想を教えてください。
吉高:自分の撮影は終わっていたんですけど、剃髪シーンのときに、セットに残って一緒に見届けていたんです。約2年間かけて髪の毛を伸ばして、全部地毛でやるというのは、気持ちもすごく入っていますし、その大事にしてきたものを切り落とす瞬間というのは私も見ていたいなと感じたので残りました。想いを切り落とされるような感覚になるんじゃないかなと思って「どういう感覚?」と聞いたら、(柄本は)「言葉じゃ説明できない感情が込み上げてきた」と言っていて、そういう瞬間に立ち会えて良かったし、改めてともに闘ってきたんだなと思いました。だから私自身、第47回の撮影のときにサプライズ感はなかったんですけど、まひろとしては出家したことを聞いてはいても目の当たりにするとびっくりしますよね。あの時代の出家は死んだことと同じ意味とも言うので、衝撃ではあったけどホッともしていたのかなと思って、苦しんでいる・弱っている姿を見なくても良いのかなと遠くから安らぎがこっちを見つめているようなそういう気持ちもあったと思います。
◆吉高由里子、柄本佑への感謝「本当に佑くんが道長で良かった」
― 1年半近く共演されてきて、相手役を演じた柄本さんに今、改めてどんな気持ちを抱いていますか?
吉高:いや~、本当に佑くんが道長で良かったなと思います。2人のシーンも「佑くんだったらどう思っているんだろう」と自然に聞きたくなるような俳優さんでした。情けない三郎(道長の幼少期の名前)の部分も恐ろしい部分の道長も、誰しもが表に見えている部分と内に秘めている部分の差があると思うんですけど、そういう人間の生々しさを表現する役者さんのお芝居を1年半近くで見ることができたのは、すごく贅沢なことだなと感じました。
― 第47回のラストに倫子がまひろに「あなたと殿は、いつからなの? 」と問いかけるシーンがあります。まひろは倫子に対してどういう想いを抱いていたと思いますか?
吉高:初めての女友達で、身分の違いを気にせずに招いてくれた恩人です。倫子さまがいなければ、まひろも内裏で働くこともできなかったと思うし、道長もあそこまで出世していないと思うので、恩人ですよね。お姉さんとして慕っていた人と同じ人を好きになってしまった苦しみもあったと思いますし、お互い惹かれ合ってそういう関係性になっていることへの後ろめたさもあったと思いますし、嫌われていることを恐れている気持ちもあったと思います。
◆吉高由里子、クランクアップで号泣
― まひろが生きていく中で「源氏物語」の関わり方や向き合い方は変わっていったと思いますか?
吉高:やっぱり感謝という気持ちが1番大きいんじゃないかな。物語を書くことで、まひろはまひろでいれたというか、自分とちゃんと対峙して書いている瞬間だけは自分を大事にしている時間なんじゃないかなと思いました。自分のために輝くより、誰かのために尽力する方が頑張れるタイプの人間なんだと思います。
― 撮影が終わっての心境の変化を教えてください。髪の毛も明るくなられていますが、クランクアップ後に染めましたか?
吉高:もちろん現場が終わってしまう寂しい気持ちもあったんですけど、黒髪ロングを1年半続けてきて平安時代の重たい髪型だった反動で明るくしたいとなって、アップした翌日に美容院に行って染めました(笑)。
― クランクアップのOKがかかった瞬間はどんな心境でしたか?
吉高:シーンが終わった後に、「じゃあチェックします」とモニターを見るのが普通の流れなんですけど、このときは(セットの)庭のところに人がぶわーっと集まってきて、第1回から最終回までのまひろと道長のモンタージュのようなVTRをスタッフさんが作ってくれて、みんなでモニターを見ました。「1年半はこんなにあっという間なんだ」と寂しい気持ちも嬉しい気持ちも安堵感もすごくあって全然そのときは泣かなかったんですけど、花束を持ってきたチーフ演出の中島由貴監督が号泣していて、それを見てもらい泣きしちゃいました(笑)。ちゃんと凛として終わりたかったんですけどダメでしたね。結果みんなでシクシクしながらいっぱい写真を撮って終わったんですけど、その2日後くらいにスタジオを覗いたら今までみんなの写真や視聴者の方からのお手紙がいっぱい貼ってあった前室も、もぬけの殻になっていちょっと寂しいなと思いました。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆大河ドラマ「光る君へ」最終回「物語の先に」(12月15日放送)あらすじ
まひろ(吉高由里子)は倫子(黒木華)から道長(柄本佑)との関係を問いただされ、2人のこれまでを打ち明ける。全てを知った倫子は驚きと共に、ある願いをまひろに託す。その後、まひろは「源氏物語」に興味を持った見知らぬ娘と出会い、思わぬ意見を聞くことに。やがて時が経ち、道長は共に国を支えた公卿や、愛する家族が亡くなる中、自らの死期を悟って最後の決断をする。まひろは道長が危篤の知らせを聞き…
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《モデルプレス》