東北大学、SiRIUS開設…若手研究者を支援
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近年、バイオテクノロジーや医療工学、情報科学などの急速な発展により、医療の高度化と専門化が進んでいる。このような状況下で、臨床医の視点をもつ臨床医研究者(フィジシャン・サイエンティスト)は、イノベーションの牽引役として重要な役割を担っている。しかし、大学の臨床系教員は、複雑化する診療や教育に従事しながら研究時間を確保することが難しくなっており、医学・医療における研究力強化の維持・向上が大きな課題となっている。
この課題に対応するために開設されるSiRIUSは、臨床現場を熟知し、研究指向の強い若手フィジシャン・サイエンティストが、従来のマルチタスクから解放され、研究に専念できる環境を整備した国内初の医学研究所である。若手が独立した環境で斬新なアイデアに基づいて挑戦できることを重視しつつ、医療現場で生じる課題やニーズに即した成果を現場に還元できるよう、東北大学病院の各診療科と連携する体制を新たに整備した。
さらに、経験豊富なメンター・チームを組織し、独創的な研究シーズに対する国際的な評価や競争的資金の獲得に向けた支援を行う。また、東北大学病院臨床研究推進センター(CRIETO)による臨床試験や知財戦略、スタートアップの支援など、手厚いサポートを受けることが可能だという。
研究所長は片桐秀樹氏(医学系研究科 糖尿病代謝・内分泌内科学 教授)、副所長は宮田敏男氏(医学系研究科分子病態治療学 教授)および新妻邦泰氏(医学系研究科 神経外科先端治療開発学 教授)が務める。
SiRIUSは、学際的かつ斬新なアイデアが生まれる環境で若手の挑戦を強力に支援し、世界トップクラスのフィジシャン・サイエンティストを育成するとともに、医療イノベーションの創出を牽引していくとしている。
《栄亜衣》
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