ネアンデルタール人とサピエンスの交雑を討論…東京2/9
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シンポジウムの目的は、ホモ・サピエンスという存在を明らかにするために、もっとも良い比較対象とされるネアンデルタール人との関係を探ることにある。ネアンデルタール人はユーラシア西部を中心に広く分布し、サピエンスとは数十万年にわたり同時代を生きていたが、約5万年前以降、サピエンスに置き換えられて絶滅したとされる。近年の研究では、レバント地域で両者の交雑が起きていたことや、サピエンスの拡散が複雑な過程を経て進んだことがわかってきている。
シンポジウムのプログラムは、開会挨拶と趣旨説明から始まり、国立科学博物館の篠田謙一館長による「ゲノムから見た後期更新世の人類進化」の講演が行われる。続いて、ガズィアンテップ大学のIsmail Baykara教授が「レバント北部における中期旧石器時代後葉と後期旧石器時代前葉の文化的差異」について講演する。さらに、同大学のDerya Silibolatlaz准教授が「トルコ、ハタイ県、ウチュアズリII洞窟における中期旧石器時代後葉の動物考古学的評価」をテーマに講演を行う。
午後のセッションでは、ボルドー大学・CNRSのClément Zanolli研究者が「ネアンデルタール人、デニソワ人、現生人類:ユーラシア大陸における後期更新世の人類進化」について解説し、サザンクロス大学のRenaud Joannes-Boyau教授が「東南アジア熱帯雨林の最初の人類:更新世における医学と芸術の発明」をテーマに講演する。
最後に、パネル・ディスカッションが行われ、司会は国立科学博物館の森田航氏と京都大学の森本直記准教授が務める。登壇者には名古屋大学の門脇誠二教授や東北大学の佐野勝宏教授が参加し、各講演に対する質疑応答に加え、レバント地域や欧州におけるネアンデルタール人とサピエンスの交雑・交流・交替の様相や、ユーラシア東部における後期更新世の人類進化についても議論が行われる予定である。
このシンポジウムは、国立科学博物館が主催し、ICOM日本委員会が後援している。また、創発的研究事業「人類最後の共通祖先からサピエンスへの進化史」の協力を受けて開催される。参加希望者は、2月5日までにWebから事前申込が必要で、定員は先着順で100名となっている。
◆サピエンスとネアンデルタールの邂逅:化石と文化遺物から探る人類進化
日時:2025年2月9日(日)13:00~17:35 ※12:30受付開始
会場:国立科学博物館 本館講堂(東京都台東区上野公園7-20)
定員:100名
料金:無料 ※別途入館料(一般・大学生630円)が必要
締切:2025年2月5日(水)
申込方法:国立科学博物館のWebサイトより
《神林七巳》
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