こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。
【アラフィフライターの介護体験記】#13
▶前回の記事を読む▶▶「頭皮はベタつき、フケや臭いも」頑なに洗髪を拒否。認知症の義母が「洗う必要はない」と思い込んでしまった意外な理由とは
▶「今日は何日?」「今は夏なの?」日付や季節が分からなくなった…
「今日は何日?」「今は夏なの?」日付や季節が分からなくなった義母
2年半ほど前、脳神経外科にて「認知症」(軽度~中等度)という診断を受けたお義母さん。現在は、我が家の近くにある<サービス付き高齢者向け住宅>(サ高住)で暮らしています。
前回は、私たちが2年間悩み続けている、お義母さんが「髪を切らない・洗わない」問題についてお伝えしましたが、今回はそれを解決すべく、ケアマネさんが提案してくれた「カットモデル作戦」のその後についてお話ししたいと思います。
と、その前に~。実はここ最近、お義母さんに認知症の新たな症状が見られるようになったのですが、(日記を読み返したところ)この作戦を計画中の昨年夏、すでにその兆候があったことに気が付きました。
かかりつけ医に確認すると、恐らくその症状は日付や季節、自分のいる場所などの認識が薄れてしまう「見当識障害」というもので、当時お義母さんがよく言っていたのは「今日は何日?」「今は夏なの?」など。
また、あるとき「今日は何月何日?」という質問があり、「〇日ですよ」と答えると、数分後に再び同じ問いかけが。カレンダーの日付を指でさしながら伝えても、「そもそも、カレンダーの見方がよく分からない」と困惑しています。
▶そこで思いついた!日付認識のためのアイデアとは
そこで、夫と相談し『日めくりカレンダー』を準備。朝一番でめくることを日課にしてもらったことで、何とかクリア! 季節についても、食堂やデイサービスで旬の果物やお菓子が出たり、夏祭りのようなイベントに参加したりすることで、再び理解できたようでした。
部屋の中に洋服が散乱。「もう何を着ていいか分からない」
そんな夏から秋、あっと言う間に冬が来て、この症状に関しては落ち着いているように見えたのですが……。つい先日、病院の検査日にお義母さんのもとを訪ねると、部屋中に洋服が散乱、足の踏み場もない状態になっていました。
ひとまず冷静に「今日は病院ですよ~」と声をかけて入室すると、高く積まれた服の山から登場したお義母さんの装いは、半袖Tシャツに薄手の七分丈ズボン。一瞬、「暖房が利き過ぎて暑かった?」とも思いましたが、エアコンのスイッチは切られており、部屋の中はヒンヤリしています。
「あ、もう行くのね」と、その恰好で出かけようとしたお義母さんを急いで引き止め、「今日は寒いから、もう少し暖かい洋服で」と言うと、「これじゃダメなの? もう何を着ていいか分からない」と若干キレ気味に。
▶「今は冬で、セーターを着るのね?」と不安そうな義母
季節に合わせた洋服選びが困難に!
慌てて冬物を見つけ着替えてもらったのですが、その後の会話で「今は冬で、寒いからコレ(セーター)なのね?」と何度も確認が入り、お義母さんは何だかとても不安そうに見えました。
確か9月の終わり頃、夫が衣替えをし、夏服は衣装ケース、冬服はタンスの中に入れたと言っていたのですが、季節とふさわしい洋服が結びつかないとなると、収納方法を変える、あるいは着替えのサポートが必要なのかもしれません。
と言いつつ、気付けば数日が過ぎていますが……。ひとまず(以前のコラムでもお話しした)「介護ToDoリスト」にタスクを追加。今後の対応は、ケアマネさんとも相談しながら決めようと思っています。
▶▶次のエピソード 「髪を洗わない問題」がついにゴール!「なかなか見つからない」認知症でも通える美容院。“90歳のカットモデル”作戦が大成功だった